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第80話 最悪な組織にいる理由

「相変わらずタフで面倒な奴だ」


「軽りぃ軽りぃ、相変わらずテメェの攻撃は軽すぎんだよ風間(かざま)


風間さんの放つ音撃(サウンドショック)を受けても、神埼は何も感じないとばかりに涼しい顔をしている。


「余所見をしている場合じゃありませんよ、炎よ射貫け、炎槍(フレイムランス)


フードの男も短い詠唱で高威力の魔法を放ってくる。

何とか避けているが、当たればただでは済まないだろう。


あの時は直ぐに一視同仁を使ったから分からなかったが、元のレベルだとこんなに強いのか。


いや、それは可笑しい。

一視同仁の効力は俺が解除するまで続く。


ならこいつらはどうしてこんなに強い。


「おいおい、まさかお前、自分のスキルを理解してねぇのか、俺らはテメェのお陰で地獄を見て、テメェのお陰で強くなったんだぜ?」


こいつらが俺のおかげで強くなった?

それってどう言う。

少し考えて、俺は一つの答えにたどり着く。


「まさか、あそこからレベルアップしたのか?」


俺のスキルは相手のレベルを自分のレベルに一律化するスキル。

解除するまで効果は継続する。


レベル上限を変えている訳では無い以上、レベルアップは可能なのか。


「そのまさかだ、しかも前のレベルアップの時よりステータスの伸びが良いと来た。今じゃ俺たち3人はガルムの中でもトップクラスの実力だ」


完全なデバフスキルだと思っていたが、まさかそんな効果があるなんて。


だけど、ネタがわかった以上はやる事は簡単だ。


「させるわけないでしょ」


さっきから戦闘に参加せず、恨みがましい目でこちらを睨んでいたドレス女がそう口にすると、3人の姿が一瞬にしてその場から掻き消える。


「あんたのスキルは強力だけど、距離制限があるのよね?」


随分と離れた場所から声が聞こえてくる。


「なるほど、お前も固有スキル持ちだったのか、道理であの場から逃げられたわけだ」


テレポート系の固有スキルはテイマースキルに次いで珍しいスキルだ。


まさかこんな所でお目にかかれるとは。


「千國もそうだが、何であれだけの力があって最悪な組織にいるんだよ」


「考えるだけ無駄だ、そういう風にしか生きれない奴も存在すると言うだけだからな」


風間さんの言葉にモヤっとする。


「お前がそれを言うな!風間!!」


激昂した神埼がバトルアックスを風間さんに向かってぶん投げる。


「逆恨みも甚だしいな、音撃」


投げられたバトルアックスを簡単に躱してみせる。

それが分かっていたのだろう。

風間さんの背後に突如として現れた神埼は、自分の投げたバトルアックスを掴み、背後から切りつける。


しかしそれすらも読んでいた風間さんの音撃が、神埼にクリーンヒットする。


「嘘ん……」


あまりの光景に声が漏れる。


「テレポート系と脳筋が考えそうなコンボだ、そんな攻撃警戒しないわけが無いだろ」


いや、そりゃそうだけど、こういうのって予測できても回避は難しいだろ。


「いつもいつもそうやってスカしやがって、ムカつくぜ、あの時だったお前さえいなけりゃ」


「何度も聞いたよ、お前さえいなければ全うに生きていけた、だったか。下らん考え方だ、そもそも俺はお前が犯罪に手を染めていたから通報しただけで、俺を恨むのはお門違いだ」


「そういう正義ヅラが気に食わねぇ、テメェの下らねぇ正義感のせいで、楽しかった俺の人生はめちゃくちゃになっちまったんだよ!!」


怒りに任せてバトルアックスを振り回す、それに合わせるようにテレポートで攻撃の方向が急に変わるが、それすらも軽々と交わす。


「何で当たんねぇんだよ!!」


傍から見ているから分かるが、多分風間さんは音で攻撃を判断している。


何より、どれだけテレポートとでアシストされていても、肝心の神埼が直線的な攻撃ばかり。

あれでは当たる攻撃も当たらない。


「悪行を目撃したから通報しただけだ。そんな事にまで正義だ悪だと区別しようとするから面倒くさくなる、悪行の反対は善行でしかなく、善行イコール正義ではないんだよ」


風間さんは正しい事をしようとしている訳じゃなくて、悪い事をしないでおこうってタイプの人なんだな。


それが神埼には気に食わなかったのだろう。


そう思ったら急にこの戦いがしょうも無く見えてきた。


早く漆原(うるしはら)さん達と合流する為にも終わらせよう。


「だからさせる訳ないでしょ」


何があったかは知らないが、俺のスキルを食らうのは随分と嫌らしい。


スキルを使おうとした瞬間、神埼をテレポートさせ距離を離す。


「誰に聞いたか知らないけどさ、俺も少しづつ成長してるんだよな。一視同仁!」


言葉に出すことで、スキルの効力はあげられる。

漆原さんに教えてもらった後、ルーティン化してかなり距離制限を緩和出来るようになった。


「そこはもう射程範囲だよ」


俺の言葉を聞いてドレス女が鼻で笑う。


「ブラフね、それだけ協力なスキルがそう簡単に強化出来るわけないじゃない」


「どういう事だ?詠唱が浮かばないですよ、これってまさか」


フードの魔法使いがそんな声を上げると、ドレス女の顔がみるみる青ざめていく。


「嘘、いやよ!またあの地獄を味わうなんて!?」


「音撃」


慌てふためくドレス女相手に、風間さんの容赦ない一撃が炸裂する。


「逃げられると厄介だからな、きっちり倒し切るぞ」


「そうですね」

読んで頂きありがとうございます。


空ちゃんを虐めた奴はしっかり成敗だ!

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