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第77話 最適化ダンジョン攻略

源志(げんし)くん!」


 漆原(うるしはら)さんが巨大な白馬の一撃を弾くと俺に声を掛ける。


 すかさず走り出すと呼吸を整え力を込める。


「似非天明流!旭日(きょくじつ)!!」


 白馬のがら空きの胴体へと一瞬にして拳を叩き込むと、堪らず白馬は嘶き、その蹄を頭上へと振り下ろしてくる。


「ギャウギャウギャ、ギャンギャウ!」


 その攻撃を待っていたとばかりに(そら)が飛び出してくると、相手の攻撃を使って加速し、その強靭な爪を白馬へと突き立てた。


「業火よ、燃え上がり、集いて、焼き貫け、炎槍(えんそう)


 攻撃を受け後ろに飛び退いた白馬を穂高(ほだか)さんの放った炎の槍が貫くと、その巨体は光の粒子となって消えていく。


「10階層ボス討伐完了だ、1時間の休憩の後、探索を再開する」


「斥候部隊A班は周囲の警戒を、30分後にC班と交代してください」


「飲み物や簡単な食事はこちらで用意しています!必要な方は取りに来てください」


 これだけの人数での行進だ、それなりに時間がかかるのが道理というものだろうと思っていたのだが。

 あまりにも統率の取られた動きで雑魚モンスターは瞬時に狩られていき、ボスに関しても風間さんや漆原さんが難なく撃破。


 俺の知っているダンジョン攻略とは全く異なる方法で、あれよあれよと10階層までたどり着いてしまった。


「源志くん、はいこれ、飲み物と携帯食」


 皆がテキパキと動いている様子を眺めていると、漆原さんがそう言ってスポーツドリンクとゼリーのような何かをくれる。


「ありがとう漆原さん、それにしても凄い攻略スピードだな、いつもこんな感じなのか?」


「そうだね、上層や中層くらいまではこんなもんだよ。流石にこれより下の階層はこれまで通りって訳には行かないけど」


 漆原さんの話を聞きながらゼリーを口に含むと、何とも言えない味が口に広がる。

 寒天?いや、それにしてはねっとりとした味わいと言うか、かと言ってゼリーのように甘いわけでもないし、何だこれ。


「あはは、初めて食べるとビックリするよね。栄養補給に特化させたギルドが作ってる特殊な携帯食なんだって」


 成程、秩序之番人(コスモスウォーデン)ともなると携帯食も変わってくるんだな。


「そう言えば源志くん、ずっと気になってたんだけど、珍しく大きな荷物を背負ってるよね」


「あぁ、これはなんて言うか、新しい仲間?的な、見せた方が早いか。ブート、リンクオーダー、輝夜(かぐや)


『アクセプト』


 魔導ドローンを起動させ、音声コマンドを入力すると、背負っていたカバンからパーツが飛び出し、まるでロボットアニメかの如く格好よく合体していく。


等々力(とどろき)くん、お久しぶりです。また貴方のお役に立てるよう最善を尽くします」


「……」


 急に出てきた人型ロボットを見て、漆原さんの目が点になっている。


「紹介するよ、こちら輝夜、胡貴(こたか)が作った戦闘型ロボットだ」


 漆原さんに輝夜を紹介すると、直ぐには飲み込めていないようで、なんか難しい顔をしている。


「データベースを参照、個体名漆原 (さえ)と断定。お初にお目にかかります、輝夜と申します。よろしくお願いします、漆原さん」


「あっ、えっと、よろしくお願いします」


 自分の名前を呼ばれたことで何とか挨拶だけは返している。

 何かこういう反応をする漆原さんも新鮮で良いな。


「ちょっと、源志くん、これって何かこう、とんでも無い技術なんじゃ」


 まぁ、とんでもない技術かどうかと言われると、胡貴も未だにどんな原理で動いているか分からないって言うくらいだから、そうなんだろうな。


「まぁ、俺もよくわかってないが、頼りになる仲間だよ」


「評価していただき恐縮です」


 俺が褒めるとまるで照れるかのような素振りを見せながらも例を尽くしてくれる。

 いやまぁ、人間の様に顔がある訳じゃないから、何となく照れている様な気がするだけなんだけどね。


「あはは、なんて言うか、源志くんは本当に規格外だね」


 なんとも複雑な表情を浮かべながらも、考えても仕方ないと思ったのか、そんな風に納得することにしたらしい。


「そう言えば俺も漆原さんに聞きたい事があったんだ」


「なにかな?」


風間(かざま)さんと穂高さんが言ってたけど、今回って何か重要な攻略なのか?」


 もし何かあるなら知っておきたい、上層や中層なら良いがいざ知らず、流石に下層や最下層で何かあった場合、知らないと対処に困るかもしれない。


「あれ?お母さんから聞いてない?」


「?いや、師匠からは何も聞いてないけど、ただこのダンジョンを攻略するまで帰ってくるなとしか」


 ホテルでも師匠のこと言ってたけど、やっぱり何かあるのか。


「うーん、相変わらずだなお母さんは、それって実質巻き込んでる様な物なのに」


 ?

 実質巻き込まれてる?

 なにに?

 いやもう師匠が巻き込むこととか、絶対ろくでもないことな気がする。


「源志くんはガルムって知ってる?」


「ん?ああ、何かあんまり良くない組織って事くらいなら」


 正直よくは知らないが、亜人(ハーフモンスター)を売買している奴らだよな。


「ダンジョン黎明期から活動してる組織なんだけど、ダンジョン内での人殺しとかも厭わない連中で、ギルドも対処に困ってるの」


 成程、中々にやばそうな連中だってことは分かったけど、それが今回の探索と関係してるのか?


「もしかして、このダンジョンって」


 急に爆発音が響き渡る。


 地鳴りすら起こす程の巨大な爆発に辺りが騒がしくなる。


 どうやら爆発が起きたのは10階層に降りてきた階段の方らしい。


「何が起きたんだ?」

読んで頂きありがとうございます。


どうやら源志くんは知らず知らずのうちに面倒事に巻き込まれてしまった模様!

いったい何が起きるっていうんだ?

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