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第54話 最初期からの怨念

 音を立てて地面が崩れていく。


 地面から生えてきたのは巨大な右腕。


 たがその腕には皮も肉もなく、土で汚れた骨だけ。


 中央に大穴をこじ開けたその腕は縁を掴むと、骨を打ち合われる様な音を立てながら奥から現れたものは、巨大な髑髏。


「おい等々力(とどろき)、このダンジョンでこいつを倒したって報告、今まであったか」


 圧倒的な存在感に背筋が凍る。

 それを感じとったのは俺だけでなく、千國(せんごく)もまた冷や汗を流している。


「千國、多分お前の考えてる通りだ、こいつはこのダンジョンで最初の餓者髑髏(がしゃどくろ)だ」


 ダンジョン内ではある一定の条件を達成すると出現するモンスターと言うのが存在する。


 この餓者髑髏もその内の一体だ。


 その出現条件は至ってシンプル、そのダンジョンでの死者数が一定数を超えること。


 何より厄介なのは。


「等々力くん、このダンジョンっでの死者数って、相当いってたはずだよね、もしそうならこの餓者髑髏の強さって」


 状況を理解した早瀬(はやせ)さんの顔がみるみる青ざめていく。


 餓者髑髏はそのダンジョンでの死者数により強くなっていく。

 一度倒されればまた一定数に達するまで出現しないが、倒されない限り際限なく強くなっていく。


胡貴(こたか)と早瀬さんは下がっていてくれ」


「良いのかよ」


 千國が俺の言葉に反応する。

 それもそのはず、餓者髑髏は巨大な空洞の中にいる。

 あの空洞がどこに繋がってるのか分からないが、落ちればまず生きて帰れない。


 となるとこの中でまともに攻撃が出来るのは早瀬さんのみ。


 その早瀬さんを下がらせれば、間違いなく苦戦を強いられる。


「何とかなるさ」

「ちっ、甘ぇんだよテメェは」


 とは言えどうするか。

 こちらから攻撃が届かない以上、相手の攻撃に合わせたカウンターが基本になる。


 掴まれたらほぼ終わりの状況でカウンター狙いとか無理過ぎて笑えてくる。


「等々力くん、私」


「早瀬さん?」


 振り向くとそこにはまだ早瀬さんがいた。


「私も戦う、ううん、一緒に戦わせて!」


 銃を手に握り、真っ直ぐこちらを見据えていた。


 よく見れば手が震えいる。


 自分が攻撃の軸になることが分かっているのだろう、危険も承知で恐怖を押し殺して戦おうとしている。


「分かった、必ず俺たちが守るから、存分に攻撃してくれ」


「信じてる」


 強がりかもしれない、それでも早瀬さんは俺に笑って見せた。


「俺と(そら)で早瀬さんを護衛する、千國は飛び散ってる床の破片を投げて牽制してくれ、皆やるぞ!」


「おう!」「ええ」「ギャウ」


 魔導ガジェットから放たれた魔力弾が餓者髑髏へ着弾する。


 それが開戦の狼煙となり、餓者髑髏が動き出す。


 狙いはもちろん早瀬さんのようだ。

 まるで吸い込まれそうな程真っ暗な眼窩(がんか)が早瀬さんを捉えている。


「おいおい、そんな攻撃でキレんなよ、今からテメェをぶっ飛ばすんだからよ!」


 いつの間にか鬼化した千國が少し離れた場所にある巨大な瓦礫を持ち上げながら餓者髑髏へ叫んでいる。


 まじかよ、軽自動車位の大きさはあるぞ。

 あんなのまで持ち上がるのかよ。


「どうりゃあああ!!」


 持ち上げたそれを餓者髑髏目掛けて思いっきりぶん投げた。


 思わぬ一撃だったのだろう。

 いや俺も想定外だったが、餓者髑髏が体勢を崩して床に倒れ込む。


「空!」


「ギャウ!!」


 今なら近接攻撃が入る、そのチャンスを見逃さずに俺と空も攻撃に転じる。


「アクティベーション!"猿鬼"」


 魔導ガントレットを発動し、思いっきり殴り飛ばす。

 が、質量からかビクともしない。

 千國のパワーに改めて驚かされる。


「ギャウギャウギャ、ギャウギャウ!」


 続いた空が餓者髑髏をぶん殴ると、その骨にヒビが入り吹っ飛ぶ。


 まじか、これじゃまるで師匠の攻撃だ。


 師匠の方を見るが、全く驚いている素振りが無い。


 空はもう呼吸を使いこなしてるってことか、これは心強すぎるな。


「このまま行くぞ!」


「待って等々力くん、餓者髑髏の腕が」


 まじかよ、空が砕いたヒビがみるみる内に治っていく。


「一筋縄では行かないってことか」


 辺りを見渡すがさっき程の大きさの瓦礫はもう無さそうだ。


 とすると簡単に怯ませること難しいかもしれない。

 せっかくの空や千國の威力はやはり活かせないか。


「地道に行くしかないか、早瀬さん頼む」


 早瀬さんの魔導ガジェットで少しずつ餓者髑髏へ攻撃を仕掛け、その早瀬さんへ攻撃してくる腕を俺と空で弾き飛ばす。


 そんな攻防がしばらく続いたが、一向に効いている気がしない。


「ごめんなさい、やっぱり私じゃ」


「謝らなくてもいい!ただ諦めないでくれ!今早瀬さんに諦められたら、俺たちに為す術は無くなる。」


 少しずつかもしれないがそれでもきっと攻撃は通ってるばずだ。


「せめてもう一度ダウンさせられれば」


 千國と空が近接攻撃できる状況に持ち込めれば勝機はあるんだが。


源志(げんし)、1分稼げるか、俺に考えがある!」


「胡貴!どうすればいい」


「魔導ガジェットには実は一般に知られていない機能がある!普通の奴には扱えないが、早瀬さんの魔力量なら使えるはずだ!」


 このダンジョンに来てから胡貴の思いつきに良いイメージはないが、開発者を信じよう。


「千國!空!早瀬さんと胡貴を守りながら1分耐えるぞ!掴み攻撃には気をつけろ!」


「等々力くん、私にできるかな」


「出来るさ、早瀬さんなら出来る」


 俺は早瀬さんが努力家なのを知っている。

 早瀬さんがいつだって人の為に動ける優しい人だって知っている。

 たがら信じられる。


「分かった、私も等々力くんの言葉を信じる」

読んで頂きありがとうございます。


うおおお!!戦闘描写って難しいよぉぉぉ!

頑張れ皆!頑張れ早瀬さん!

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