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第52話 最奥は行き止まりにつき

「前から発動してた?」


思い返してみれば大学入学後に早瀬(はやせ)さんと話している時に時々違和感はあった。


早瀬さんが俺の考えていることに関して察しよく話を合わせてきたり、逆に早瀬さんがいつもなら口に出さないようなことが聞こえてしまったり。


「そう言えば私もよく思い返すとそんな事があった気がする」


『あれ?もしかしてこれも等々力(とどろき)くんに伝わってる?』


今のは多分心の声ってことか、だとすると何か先に考えてて、もしかして伝わってるかもと俺を意識した事でスキルが発動した?


スキルの発動条件は伝える相手を意識すること?

いや違うか、もしそうなら俺の考えてる事が早瀬さんに伝わっていないはず。


「多分だけど私がどうしたいかだと思う、等々力くんに伝わって欲しいと思ってたり、逆に何を考えてるのか知りたいと思ったりとか」


なるほどな、スキル保持者がどうしたいかが発動条件なら、今までの事も辻褄はあうか。


「何が起きてんだ?さっきから等々力の野郎は黙っただしよ」


「つまり早瀬さんのスキルで源志(げんし)の心を読んで会話してるってことだろ」


「そりゃ随分と便利そうなスキルだな」


「源志限定って所を除けばな」


おっと何か俺が喋ってなかったせいで千國(せんごく)胡貴(こたか)が混乱してるな。


「悪い2人とも、今胡貴が言った通り早瀬さんのスキルで俺の心を読んで会話出来る見たいだ、けど俺専用って事は無いと思うぜ?」


「おいお前ら、スキルの検証も大切だが、そろそろ進まねぇと今日はダンジョンで寝ることになるぞ、私は1人でも帰るがな?」


おっと、師匠の言う通りだ、元々そんなに早い時間から探索に来られていない、長旅の疲れもあるし宿で寝られないのは今後の探索にも響きそうだ。


「兎に角、(そら)と早瀬さんが居れば罠もモンスターも警戒できる。師匠、空の戦闘能力はどれくらいありますか?」


「実践での戦闘経験が無いからなんとも言えないが、現時点でお前より天明流を使いこなしてるとだけ言っておく」


うげ、それって実質俺より戦闘能力が高いって言ってるようなものでしょ。


「それならここからは先頭に空、次に千國、俺、胡貴、早瀬さんの配置で進む」


「おい、何でお前が仕切ってんだ、テメェの言うことを俺が聞いてやる義理なんざねぇぞ」


義理か、ふーん、そういう事を言うのか。


「えっと?なんだったっけ?ほら前に何でも言う事聞くってやつ?」


「あ?何でもするなんて言ってねぇだろ、ただ借りはきっちり返すって……」


「義理、あったな」


いい笑顔でサムズアップしてやると、物凄いやな顔をされた。


「テメェはマジで後で絞める」


舌打ちをしながらも最後尾に行くあたり、本当に真面目な奴だよな。


「良し、行くぞ!」

「ギャ」

『等々力くん半歩前罠!』


「っと!」


さっき空が見つけてくれた罠を踏みそうになって大股で避ける。


「3回目だな」


「いや師匠!今のは発動させてないからセーフでは?」


救いを求めて仲間に視線を投げる


「アウトだろ」

「アウトだな」

「さすがにアウトかな?」

「ギャウギャ」


畜生わかってますよ!


どうも1人でダンジョンに潜っている時より集中をかいてるな、しっかりしなければ。



▲ ▽ ▲ ▽▲ ▽ ▲ ▽▲ ▽ ▲ ▽▲ ▽ ▲ ▽▲ ▽ ▲ ▽



しばらく一本道を歩き続けている。

不思議な事にモンスターは全く居らず、その代わりの様に大量の罠が設置されていた。


空と早瀬さんのおかげでどうしても回避できない様な罠以外は発動させることなく進めている。


それでも進むにつれ妙に緊張感が増していく。


「行き止まりだ」


道を進んだ先が行き止まりになっている。

近ずいても曲がり角という訳でも無いようだ。


「なんだ、今度は壁でも壊せばいいのか?」


千國がまた物騒なことを言ってる。

ダンジョンのギミックを物理で突破しようとするなよ。


「待って千國くん、多分ここでさっきみたいな攻撃は不味いと思う」


「あ?何でだよ」


「多分この床、凄く脆くできてる、その先が空間になっててどこまで落ちるか分からない」


下手に千國が暴れると床が抜けて奈落に真っ逆さまも有り得るってことか。


「早瀬さん、床の先が分かるって事は壁の先も分かるの?」


もしそれが分かるならどっかに隠し扉があるのも分かるかもしれない。


「マッピングのスキルの応用みたいなものだから、壁が厚いとその奥がどうなってるかは分からないの、ごめんなさい」


「謝ることじゃないよ、そのおかげで全員落下死なんて言う笑えない事にならなくて済んだ、ありがとう早瀬さん」


さて、とはいえどうするか。

途中の罠で何処か他の道に続いていたとかなのか?


罠なのか攻略に必要なギミックなのか、もっとしっかり判断しておくべきだったな。


「仕方ねぇな、魔石に負荷がかかるからあまり使いたくなかったが、源志、魔導ドローンの魔石を使え」


胡貴が魔導ドローンを手渡してくる。

流石にもう投げたりしないらしい。


空、そんなに欲しそうに見つめてくるのはやめよう、あげたくなっちゃうから。


「使うって、魔石を取り出してガントレットに装備しろってことか?」


そもそも取り出し方が分からないんだが。


「ドローンとガントレットの構造は近いものがあるんだよ、だからガントレットにしている感覚でアクティベーションすればスキルが発動するはずだ」


なるほど、よく分からんがいつも通りスキルを発動させれば良いのか。


「待て源志、くれぐれも思いっきり使うなよ、大天狗の魔石は他の屑と違って貴重なんだからな」


まあそうか、確かにまた大天狗の魔石を取ってこいとは言われたくはないな。


「アクティベーション"大天狗"」


そう言った瞬間、まるで意識がドローンに吸われる様な気持ち悪い感覚に陥る。


まずい、何だこれ意識が……。


« ほう、生きておったか我が子(イレギュラー)»

読んで頂きありがとうございます。


そう簡単に探索は楽にならんのよ源志くん、しっかりするんだ。

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