表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/88

第51話 最高にパーティが組みたい

「すまん、俺のせいで危険な目に合わせて」


 胡貴(こたか)千國(せんごく)の回復を待ちながら、俺は皆に頭を下げた。


「頭を上げて等々力(とどろき)くん、私だって罠に気づいてなかったし仕方ないよ」


 早瀬(はやせ)さんはこう言ってくれているが、階を降りる毎に危険な罠は増えてくる。

 気づかなかったから仕方がないでは済まなくなる。


「早瀬は等々力に甘すぎんだよ、今回は仕方がないで済むが、誰かが倒れてたらどうだ?パーティで潜ってんだ、1人のミスが全員の命を危険に晒す」


 千國(せんごく)の言う通りだ、今までソロで潜ってたから、自分のミスは自分で何とかすれば良かった。

 その感覚が長すぎて、パーティで潜るって事がどういうことかまだよく分かっていなかった。


「それが分かってっから源志(げんし)は今謝罪したんだろ?言葉だけの謝罪じゃないって事は、これから証明してくれるんだろうよ」


「チッ、こっちにも甘ぇ奴がいたよ」


「これを甘いって言うんならテメェはオメでてぇ奴だな」


「あー、はいはい、テメェらの真面目ちゃんを見てると虫唾が走るぜ。等々力!テメェはもう謝んな、おめぇらもだぞ、一々あんな小さなミスで謝ってたらキリがねぇからな」


 ああクソ、なんかむず痒いなマジで。

 俺はやっぱりコイツらとちゃんとパーティが組みたいな。


「ありがとう、早瀬さん、千國、胡貴(こたか)。でも俺はこの中で一番真面目なのはどう考えても千國だと思う」


「等々力テメェは後で絶てぇ絞める」


 おいおい千國さん顔真っ赤にしちゃって、お前が顔赤くしても可愛くないぞって言ったら殺されるかな?


 やっべぇ超言いたいけど我慢しよ。


 あれ?何か早瀬さんがすっごい笑うの堪えてるけどどうしたんだろ。


「和気あいあいとしている所申し訳ないのですが、貴様らは実際どうするつもりですかねこの状況を。このまま進むにしても罠をどうにかする必要があるでしょう、この中にそう言ったスキルを持つ人はいるのですか?」


 眼鏡をクイッと上げながら痛いところをついてくる。


 千國も早瀬さんも多分そう言うスキルは持ってない。

 胡貴は……。

 あれ?そう言えば俺胡貴のスキルとか知らねぇな。


「胡貴、罠感知とか解除系のスキル持ってたりするか?」


 機械系に強すぎる胡貴ならもしかしたらそういう感じのスキルを持ってても可笑しくないか?


「んなもん持ってたらさっさと言ってるよ、そもそも俺は不与者(アネイブル)だからな」


「は?」


 不与者って、ステータスが与えられなかった奴だよな、胡貴が?え?

 って事はなんだ、胡貴の頭の良さは元からって事なのかよ。


 つか眼鏡の教員が驚いてないってことは、大学関係者の中では周知の事実って事か。


「あ、いや、そうか……凄いな胡貴」


 こうなると余計に罠にかかってられないな。

 となると、後心当たりは……。


(そら)、さっきみたいに罠を探せるか?」


「ギャアギャア」


 さっき俺を止めようとしたのが罠を見つけたからなら、もしかしたらそう言うスキルを持ってるかもしれない。


「ギャ!」


 少し進んだ場所で空が立ち止まり、こちらに振り向いて短く鳴く。


 近づいてよくよく見ると、言われたら気づくレベルで質感の違う石が埋まっている。


「凄いな空、本当に見つけられるなんて」


 ご褒美とばかりに顎の下をわしゃわしゃと撫でてやると、嬉しそうに目を細めている。


 そう言えば初めて出会った時も、暗い道を罠も発動させる事無く走り抜けて行ってたっけ、懐かしいな。


「で?そいつに先行して鳴いて貰うとして、鳴き声を聞き分けろってか?」


「千國、お前そういう所あるよな、せっかく空が見つけてくれたのに」


「あ?このクソ親バカやろう、実際困るとこなんだから指摘して当然だろが」


 くっ、別にだいたいこの辺に罠があるんだなって分かるだけでも十分だろ。

 まぁ、確かにもっと詳細に分かるに超したことは無いけどさ。


「ギャウギャウ!」


「え、私に伝えろって?お母さんに?」


「急にどうしたんだ早瀬さん」


 空が早瀬さんを睨んで威嚇したかと思うと、よく分からないことを呟いている。


「ギャ!ギャア」


 空は俺の手の中からすり抜けると、またしばらく先の方で立ち止まり、今度も早瀬さんの方を睨んで鳴いた。


「ここだよってお母さんに……え?マップに?何で?」


 なんだかさっきから早瀬さんの様子がおかしい。

 まるで空の言ってることが分かってるような……。


 それに何か凄い不思議そうな顔をしてるし。


「大丈夫早瀬さん」


「え、あ、うん。その……なんて言うか、空ちゃんの考えが伝わってきて、お母さんの役に立ちたいって、そしたらスキルとかマップに空ちゃんが見つけた罠が表示されてるって言うか……」


 どういうことだ?

 急に空の言うことが分かるようになって、マッピングのスキルもそれに合わせて進化したって事?


「多分、私の固有スキルの関係だと思うんだけど、どうして急に、今まで発動したこと無かったのに」


「早瀬さん、固有スキル持ちだったの?」


 マジか、胡貴も早瀬さんも隠してた訳じゃないんだろうけど、マジか……。


「もちろん隠してた訳じゃないよ?今まで一度も発動した事がなかったから、使えないものだとばかり思ってて」


 なるほど、そういう事だったのか。


「因みに言いたくなかったら良いんだけど、なんてスキルなんだ?」


「えっと、以心伝心ってスキル何だけど」


 ……うーん?


 言葉の意味のままのスキルか?


 だとするとちょっと待てよ?


 あれ、何かもしかして。


「早瀬さん、そのスキル多分だけど、前から俺にも発動してたと思う」


「え?」

読んで頂きありがとうございます。


前から発動してたってどういう事だ?

なんちゃって、まぁわかると思いますが、

ちょこちょこ早瀬さんと源志くんの会話の違和感は、

そう言う事だった訳ですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ