表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ドグラ・マグラ の様な

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

所々で姿を現すこの作家。

前に出て来たのは、幻想奇譚の水族館。

タチウオの話の回でした。

他にも出てきましたが覚えてません。

私には気に入りの喫茶店が何軒かある。そのうちの一つ、最も昭和に溢た古風な店内に初めて訪れた時のこと。異様な彼に出会った。

髪は白髪、ふんわりとしている。それが後ろはタラり、タラりと踝まで。前髪に至っては目が隠れる程に長い。そうして何より目を引くのは、今どき珍しい書生服であったことだろう。

彼が私に気が付く。口角がにいっと上がって、その病的なまでに白い肌で、くいっと手招きをした。どうやら私が座る席は今まさに決定されたらしい。

戸惑いながらも前の椅子に腰掛けると、何枚かの原稿用紙と一冊の文庫本。どうやら姿に違わず物書きであるらしかった。

「あの……」

「お嬢さん。此処は本の街で、その上、喫茶店天国だ。意図せずとも何がしかの文学が合致した世界があると、僕は思うんだよ」

「はぁ」

さり気なく原稿用紙に目を向けると、まっさらだった。どうやら仕事をしに来たけれど、やる気が起きず、話相手を探しているようだった。

彼は私の話には一切耳を傾けず、ただ気ままに口を動かす。

「この場所に来るとねぇ、是が非でも夢Qの『ドグラ・マグラ』が読みたくて仕方がなくなる。冒頭の文を知っているかい? ブゥゥーン……。なんだよ。まるで蝿の羽音の様な……。ふふふふ」

昭和の隠れ家をなぞった様なこの内装。くすんで汚れた壁。玉の露出した照明。そして……換気扇のブゥゥンという唸り声。

ドグラ・マグラという本は、読んだことは無いが、どのような本かは聞いた事がある。一度読めば狂気の沙汰。気が触れると……。

思わず息を飲んだ。現実と空想の境目が曖昧になって、本の世界に閉じ込められた気持ちになる。

「今度、店主にお願いをしてみようかなぁ。此処に振り子時計を置くつもりはないか? とね。そうすればきっと、僕らは逃れられない」

「私は……!!」

閉じ込められたくはない。と叫びそうになった時、一人の店員が物静かに佇んでいた。

「お嬢さん、チーズケーキはお好き?」

「……え……はい」

「珈琲は?」

「好き……です」

「では、ブレンドとチーズケーキを。僕のオススメね」

そうして揶揄う様に笑われた。いや、から揶揄われている。その事に気が付いたら、腹の底からふつふつと怒りが湧き上がって来た。何故、初対面の相手にこうも揶揄われなくてはならないのか。失礼ではないのか。

「お嬢さん、勿論今日は僕の奢りだ。沢山話し相手になってくれたしね。だが我儘をもう一つ述べさせて欲しい。ドグラ・マグラを読んでみて欲しい。僕の心情がよく理解出来るから」

そう言って持っていた文庫本を渡す。ぱらりと開くと野口が三枚、金貨が一枚。

困惑したまま顔を見ると、また不思議の国の猫のように口角を上げる。

「約束ね。僕のお古で良いなら差し上げるけど、君みたいな、お嬢さんは新品のが良いだろう?」


私の言いたい事は、全て白髪隠れ目の書生が述べたので特にはありません。


因みにこの書生、女難持ち。

故に振り回せる時には思い切り振り回すような奴。


あの街に訪れると、是が非でもドグラ・マグラを読みたくなります。

読んだ事はありませんが、冒頭文を思い浮かべます。

ほんのりと薄暗い雰囲気とか、換気扇のブゥゥンとした音とか。

振り子時計だけが欠けていて、唯一そこだけが現実であると示しているようです。


ドグラ・マグラ読了の方々は、

『褒めてるの?』と仰られそうですが、

物語の没入感を探して街を彷徨う人間なので、

『これ以上なく褒めてます』


伝われぇ!! (・ω・ ) 私の文才じゃ無理だけど(・ω・ )

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ