表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

[悲報]ワイギャル将、死にそう。

「Hey!(おい!)」

「え?」

「I kill you!(お前を殺す!)」


 私──天川纏子は、流行りのピースサインで自撮りをしていたのだけれど、いかなる理由か、外国人のお兄さんをどうやら怒らせてしまったらしい。

 ──銃を持っていた。

 あまりミリタリーに興味は無いし、どんな銃かは分からなかったけれど、真実アレが銃であるなら、取り敢えず命が危ないらしいのは分かった。


「……この国では銃の所持は禁じられてます」

「yeaaaaaah!」


 抵抗虚しく銃弾は放たれた。


「え──ちょ!? なんでなんでなんで!?」

 

 こ、言葉が通じないというのは、こんなに厄介なモノだったのか!


「こ──この平和な島国で! どうしてそんな事するんですか!?」

「Sharap! Die!(うるせぇ! 死ね!)」

 

 私が喋る度、彼は(さけ)んで怒りを表明した。

 ──なんか喋らない方が賢明らしい。


「こうなったら!」


 地面にある小石を軌道に据えつつ、私は全力疾走した。


「──し!」


 身を屈めて小石を拾い、


「お──らァ!」


 外国のお兄さん目掛けて、私は全力投球した。

 

「Oh!」


 ──当たった。

 外国人のお兄さんはもがき苦しんでいる。

 

「よし」


 手放された銃を回収して、逆にコッチから突きつけた。


「言え! どうしてこんな事をする! この国じゃ銃の所持は違法だし! 増してや殺しなんてもっての外だ!」

「……」


 英語で言った──のだけれど、外国人のお兄さんは私を()め上げて、しばらく黙りこくってしまった。


「言わないなら……!」

「!」


 トリガーを引く真似をして見せる。


「ワカッタ! ワカッタヨ! イウ!」


 ようやく喋った。

 日本語喋れるんじゃないか。


「……ソノ、サッキヤッテタヤツ」

「……?」


 自撮りの時のギャルピースの事かな?


「アレ、"ウラピース"イッテ、ココノクニ──オーストラリアジャ、「ブジョク」ノイミニアタルンデス」


 私を襲った、現地に住む外国人──つまり、オーストラリア人はそう言った。

 治安が良いから旅行にオススメと聞いていたけれど、中指みたいなハンドサインが、この平和な島国──オーストラリアにもある事を、事前に教えておいて欲しいと思った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ