表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/127

15.温泉旅行(4) Sideレティシア

前回の話

イスラとレティシアは温泉旅行の最中である。


※この話は主人公のイスラではなく、レティシアの視点での話です。

「イスラちゃん、イスラちゃん」

「……うん?」

「寝ちゃったかな?」

「……ううん」


今日の夜はイスラちゃんとベッドの中でおしゃべりをしようと思って寝室に連れてきたけれど、イスラちゃんはベッドで横になると今にも寝てしまいそうな状態になってしまった。

今日は色々あったから彼女も疲れたのだろう。


「仕方ないか」

おしゃべりができないのは残念だけど、私ももう寝よう。

イスラちゃんを寝かせたキングサイズのベッドに私も横になった。


イスラちゃんは穏やかな顔で規則正しい呼吸を繰り返していた。

いつもはしっかり者のイスラちゃんだけど、今は年相応のあどけなさを感じる。


「やっぱりイスラちゃんは可愛いな」

初めて会った時から思っていた思っていたが、イスラちゃんは可愛い。


しかし実際に話をしてみると、彼女はその愛らしい見た目からは想像もできないほど知的で大人びた女の子だ。私も時々彼女が年下であることを忘れてしまうことがあるほどだ。


そんなイスラちゃんだけど、私と二人きりの時は焦ったり慌てたりすることがある。

私はそういったいつもとは違うイスラちゃんの顔が見たくて、つい困らせるようなことを言ってしまう。


「イスラちゃんは私のこと、迷惑に思ってる?」

「………………」


返事は返ってこない

イスラちゃんはもう寝てしまったのかな。

それともあえて返事をしていないのかしら?


イスラちゃんが起きてるかどうか確かめようと、サラサラとした黒い髪をそっと撫でてあげるとイスラちゃんはおもむろに私の体にしがみついてきた。


「あら、イスラちゃんってば大胆」

「……ん」

昼間に温泉で胸を触られた時のようにからかおうと思ったが、どうやら無意識の行動のようだ。


「イスラちゃんは甘えん坊だね」

「…………うん」


イスラちゃんは本当に眠りかけているみたいだ。

これ以上彼女を起こすようなことをするのはやめよう。


(今日のためにいっぱい頑張ってくれたんだよね?)


今回の旅行もイスラちゃんが私のために全て用意してくれた。

おかげで私は今日とても楽しい時間を過ごすことができた。


今までも楽しいことはたくさんあったけれど、今日の楽しさにはとても及ばない。

明日でこの旅行が終わってしまうことに寂しさを感じるくらいだ。


だけど、イスラちゃんはどうなのだろう?

私はとても楽しかったけれど、イスラちゃんは同じように楽しかったと思ってくれた?


「ねえ、イスラちゃんは今どんなことを考えてるの?」


彼女はもう寝ているのだから返事は返ってくるはずはない。

ほとんど独り言のつもりだったが、イスラちゃんはぼそりと呟いた。


「……このじかんが、ずっとつづけばいいのに」

「えっ!?」


イスラちゃんが起きたのかと思ったけれど、目を瞑ったまま静かに寝息を立てている。

どうやら寝ぼけて返事を返しただけのようだ。

だけど寝ぼけていてもそう思うくらいにイスラちゃんもこの旅行を楽しんでくれていたんだ。


「うん、そうだよね。イスラちゃんも同じだよね」


イスラちゃんも私と同じ思いを抱いていることが今はたまらなく嬉しい。


私はいずれアバン王子と結婚して王妃となるだろう。

だけど、せめて今だけはこの少女との絆を大事にしたい。


イスラちゃんは私にしがみついたままだが、私も彼女の背中に手を回して抱きしめてあげた。

イスラちゃんの背中から彼女の温もりを感じる。


(こうしていたら夢でも会えないかしら……?)


私もそっと目を閉じると段々眠くなってきたので、そのまま睡魔に身を預けた。

今日だけは幸せな夢を見られることを祈りながら。

次回投稿日は未定です。

ストックがすっからかんなので、3日以上は空くと思います。

なるべく早く投稿できるよう頑張ります。


続きが気になる方は是非ブックマークしてお待ちください。

高評価、いいね、感想をいただけたら励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ