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何の変哲もない異世界冒険譚  作者: ヴェル
第一章 転生
8/17

残されたもの オダマキ

この話も、ちょっとホラーです。

トリカブトよりはましですが。

あと、トリカブトを読むと違和感に気付くとおもうので、その正体を探してみてください。

 ◆◆◆◆◆一ノ瀬優斗視点◆◆◆◆◆


 夢を見る。

 快斗に怒られている夢。

 快斗は不思議な人だ。

 賢いらしいけど、僕に、そんな素振りを見せたことはない。

 でも、僕たちに時々物をくれる。

 不思議なもの。

 ※※には見たことのない光沢を放つ金属でできたサバイバルナイフのようなものと、よくわかんない言語で書かれた一冊の本。

 雪花には金と銀にプラチナのような金属と色んな小さな宝石の装飾がある懐中時計。

 僕にはよくわからない箱と、小さな宝石のついたブローチ。

 箱は中にものが入ってるのか振ると音が鳴るけど、開けられないし、壊せない。

 他にも、謎だらけ。

 すっごく博識で、色んな事を教えてくれる。

 時々不思議なことも言う。

 快斗は、よく化け物と不思議なものの話をする

 でも、快斗が言う色んな物や化け物たちがこの世界にいたら世界はとっくに滅んでると思う。

 結局僕は彼を尊敬していると思う。

 彼は自由だから。

 彼は自分の好きなように生きている。

 自分は親に縛られ、家の理不尽なルールに苛まれる。

 両親が嫌いなわけじゃない。

 むしろ大好きだし、尊敬していた。

 ある時を境にイライラしているだけ。

 だから、だから僕が耐えていれば両親はもとのようになってくれる。

 なんで僕は快斗に怒られていたんだろう。

 ああ、そうだ思い出した。

 ある冬に家の外で、座り込んでたら見つかったんだ。

 すごく怒られた。

 どうにか頼み込んで、誰にも言わないように約束したけど。

 快斗は最後まで心配そうにしていた。

 僕が「大丈夫。大丈夫」っていうと、快斗は「なら、信じるけど、辛かったら言えよ。」

 って。

 でも、大丈夫。大丈夫。大丈夫。僕は我慢強いから。僕は耐えれるから。僕は幸せだから。

 僕は大丈夫。僕は大丈夫。僕は大丈夫。僕は大丈夫。僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は大丈夫。

 記憶が散るから楔を付けて、鴻鵠は飛ぶから燕雀をつけさせ、恍惚は見えないから剥貌はくぼうに貼り付けて、家族は去るから騙して。

 家族?去る?親はいる。僕を心配している。でも、車、崖、機敏、旅行…忘却。

 頭がズキっとする。

 夢の中なのにおかしい。

 不思議に思うけれど、すぐにその考えは消え去る。

 僕は今、何を考えていたのだろう。

 チャンネルが変わる。

 ※※がいる。

 僕を引っ張て行く。

 明るい彼は口を開ける。

「ごめん」

 なんで謝るのだろう。

「起きるころにはこの夢は忘れてると思う。だから、これだけは忘れないで、みんなを頼るんだ。」

 彼は僕に背を向ける。

 なんで背を向けるの?

 僕が何かダメなことをした?

 謝るから、こっちを見て

 治すから、こっちを見て

 君はが君だけが…

「ほんトにごメん」

 君は去っていく

 君も僕を置いていく

 急いで追いかける。

 君は元から何もなかったように霧散する。

 ふと、足元を見る。

 そこには赤と白のポピーが落ちていた。



 …?

 何か夢を見ていた気がする。

 どんな夢だっけ。

 何か言われた気がする。

 なんて言われたんだっけ。

 体を起こす。

 目の前の写真立てには写真がたくさん飾られている。

 そのうちの一枚を見る。

 僕と、快斗と月花とあともう一人。

 顔にもやがかかってて誰かわからない。

 今日は二人と出かける日。

 準備を始める。

 綺麗に置かれた着替えや持ち物に首をかしげる。

 準備が終わり、部屋を出るとき、どうしようもない喪失感が僕を襲う。

「行ってきます」

 誰もいない家を出て、外へ行く。

 いつものこと。

 机の上のトースターには手を付けなかった。

補足

この話の登場人物は三人

夢をみている優斗。

注意する※※。

回想に出てきた優斗を叱っている快斗

以上の三人です。


裏話

彼の最後に見た色は赤と白と黒

※※が最後に見たのは赤と青と灰色


ポピーの花言葉

「いたわり」「思いやり」「恋の予感」「陽気で優しい」

赤いポピー

「慰め」「感謝」

白いポピー

「眠り」「忘却」


オダマキの花言葉

「愚か」

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