表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/12

8話 いまねぎま

◾︎


「何を生意気な。


こんなばかなまねをいつまでしていられるか。


もう出て行け。


見ろ。


夜があけるんじゃないか。」


ドグラマグラ太郎は甲子園のほうを指さしました。 


西のそらがぼうっと銀いろになってそこをまっ黒な雲が北の方へどんどん走っています。


「ではお日さまの出るまでどうぞ。


もういっぺん。


ちょっとですから。」 


大阪鳥はまた頭を下げました。


「黙れっ。


いい気になって。


このばか鳥め。


出て行かんとむしって焼き鳥にして食ってしまうぞ。」


ドグラマグラ太郎はどんと床をふみました。


すると大阪鳥はびっくりしたようにいきなり阪神優勝をめがけて飛び立ちました。


そして壁にはげしく頭をぶっつけてばたっと下へ落ちました。


「何が阪神優勝だ、猛虎だなあ。」


ドグラマグラ太郎はあわてて立って大阪鳥を捕まえようとしました。


見ると嘴のつけねからすこし血が出ています。


「いまねぎまにして助けてやるから待っていろ。」


ドグラマグラ太郎がやっと外に出ました。


大阪鳥は起きあがってあらん限りの力で飛びたちどこまでもどこまでもまっすぐに阪神優勝を目指して飛んで行ってしまいました。


次の晩もドグラマグラ太郎は夜中すぎまでを書いてつかれて水を一杯のんでいますと、また扉をこつこつ叩くものがあります。


「なろう民さまか。」


 ドグラマグラ太郎が寝ぼけたように叫びました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ