竜の夢
* * *
火山が爆発している。
地上は溶岩に覆われた。
ガスが噴き出し、酸素がほとんどない状態。
噴火した溶岩が天空岩を次々直撃した。
揺れる天空岩。
竜人たちが恐れおののく。竜人たちには何の手立てがなかった。
幼いタツキも震えていた。
その時だ。
どこからともなく大きな竜が飛んできた。
大きな赤い竜は金色に光っている。
それはマグマの光と熱が反射してるだけかもしれない。
赤い竜は、天空岩の上空で大きく一つはばたいて見せた。
赤い大きな翼が天空岩を包む。
実際はそこまで大きな竜ではないが、天空岩から見上げた竜人たちにはそう見えていた。
赤い竜は、天空岩を覆うように魔法のシールドを張っていた。
それはかなり大きな魔力。
火山ガスで倒れた者は起き上がり、怪我をした者は怪我が治っていく――
赤い竜は天空岩を翼の中に包んだまま、ゆっくり飛んでいた。
天空岩を見下ろした竜と、幼いタツキはふと目があった。
茶色の瞳は優しいまなざしだった。
――大地の色だ。
タツキはそう思った。
火山活動が止むまでずーっと魔法のバリアを張りながら、竜はゆっくり飛んでいく。
やがて火山がおさまった地へたどり着くと、竜は地上へとゆっくり降りて行った。
* * *
「変な夢見たよ」
充電が完了したシムはそんなことを言った。
「俺、たぶんその夢の内容を知ってる」
と、タツキ。
シムは頷く。
タツキはシムの瞳を見た。
あの竜と同じ茶色い瞳だった。
それから、二人はしばらく黙りこんでしまった。




