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機械仕掛けの魔法使い  作者: チク


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11/13

エンターティメント

     * * *


 お金を受け取ったシムは、扉の前に立つと一旦閉めた。


 そして、襟元からペンダントを出した。

 ペンダントにはきらきら光る鍵の形のモチーフのアクセサリーがくっついていた。


 シムの茶色の瞳は赤に変わる。


 シムは、扉の前でペンダントをかざす。

「大地の精霊よー!」


 シムが突如大きな声を出すから、タツキはビビった。


「異世界への扉を開けー」

 鍵が光る。

 シムの片手は扉に添えられている。


 そして、ゲートの扉が開かれる。


 ユーテムは、おおっと感動の声を上げた。

 扉の向こうには木々が見えている。この扉を抜ければ森はすぐそこのようだ。


「すごい! 感動した!」

 ユーテムは両手でシムの手を握り、肩をばんばん叩いた。

「竜人は見れたし、ゲートを開くのが見れた! 今日はすごい日だ」


 感動冷めやらぬ様子のユーテムは扉の向こうへ消えた。



 ユーテムが行ってしまうのを見届けた二人。


「……え?」

 タツキは引いていた。

「何したの?」



「……観光客にウケるかなーと思って。色んな人が来てほしいから」

 シムは、してやったりといった顔だ。


「その鍵でゲートが開くの?」


 シムは首を横に振る。

「本当は僕の魔力と腕力で開けた」

「えぇっ!」

 なんだか詐欺っぽい。


「このペンダントは飾り。魔力に反応して光るように作った」

 シムは鍵のモチーフのペンダントを服の中にしまった。

「せっかくはるばる来たんだし、エンターティメント的な要素も見たいじゃない?」


「へー、え? え!」

 タツキは首を傾げていた。

 なんだか、本職の詐欺師っぽい理屈だと思った。


「ルウ族のお金なんか受け取ってどうすんの?」

 タツキはまっとうな質問をした。

「いつか、両替できるかもしれないし……、ただって訳にも行かないから」


 そんなもんかなー、タツキは首をひねった。


「ただ、ゲートを開けるのってそれなりに大変で……」

 シムの体がぐらついた。

「魔力と体力の消費が、一番エネルギー消費するんだ」

 タツキはシムに肩を貸す。


「大丈夫、歩けるよ」


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