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転生して、最初すべき事は現状確認。

●志村彩菜。

サイナの前世。一人称は「私」。

今まで妹に奪われる人生を送っていた。火事で死亡。


そして異世界転成して、それを切っ掛けに一人称を変えた。

『ぶぁ、ぶー。』


…【コレ】は俗に言う異世界転生だと知った。

※(【転生トリップ】:ライトノベルやネット小説とかによくある展開の一つ。)



『(あんな嫌な世界とおさらばして異世界で幸せな人生を送りたいって願ってたけど…。)』

[一つ前]の頃は嫌な日常から逃避するかの様に、異世界モノを読んでいた。

けれど所詮は創作で、現実には在り得ないと分かっていた。

…でもまさか体験する事になるなんて…。

とまあそんな事は置いといて。


 一つ前の名前は「志村彩菜(しむらあやな)

 そして今の名前は「サイナ=ウィル=ヴィレッジ=ナイト」


………苗字,長っ。

しかも何か厨二臭っ!!

名前である「サイナ」は「彩菜」の振り仮名を少し変えただけで何の捻りもナシ!!

と。心の中でツッコミを入れた。


■■■


…そして異世界転生を果たして二年。「ボク」と自分を呼ぶ事にした。

女の子なのに「ボク」という一人称は変だと思うけど。

まぁそれは兎も角。


あんよが出来るまで碌に喋れない歩けない。

やけに眠いわでオムツやミルクや思い出すのも恥ずかしい事があった。

恥ずかしくてもどかしかったけどヘタに成長を見せるのも訝しがられるので我慢。

恥ずかしいので割愛。


けれどこっそりと置いてあった本を読んだり新聞を読んだりしていた。

幸い文字はゲームにある架空文字と同じでコツさえ掴めれば読める様になった。

そして今のボクが生きている世界が、[一つ前]のボク(私)が生きていた世界(地球)では無い事に今更ながら自覚した。



この世界は海によって四つに分かれた大陸が存在する『世界』…。

そしてボクが産まれ落ちたこの土地は南の方角に位置する大陸;南大陸。

西の方角に位置するこの国・オルボーアは、四つの一族が王族の御側人としていた。


 【サイクル】 【ヨルムンガンド】 【ナイト】 【ラプソディ】


その一つである【ナイト】はボクが産まれた家系…、

そして銘の通り,「オルボーアの剣」として大活躍を見せていた騎士の一族。

まさかそんな立派な一族だったなんて知らなかったよ。

中二臭いって言ってゴメンね。



そして父さんは何と【ナイト】の長だったんだ!!

でも父さんはオルボーアからかなり西。隣国との国境線地帯ギリギリにぽつんと存在する農耕地の村…此処の領主の娘である母さんと結婚する為に騎士長の座を捨てて母さんと結婚。今では良き領主としてみんな…村人達からの信頼も厚く、毎年豊作な生活を送っている。


とまぁ情勢と父さんと母さんの馴れ初めはここら辺で置いといて。

やっとあんよをしても可笑しくない年になって、今まで歩けなかった(ハイハイの年齢はベビーベッドでずっと缶詰状態だった)ストレスを解消するべく彼方此方トコトコと歩いたよ。

嗚呼、脚で歩けるって素晴らしい!!


「見てあなた!! サイナが立ったわ!!」

「嗚呼何てサイナは可愛いんだ。絶対嫁にはやらんぞ!!」

『…………だー、まーまぁ。ぱーぱぁ』


…お母さん,後ろにハイ○が見えるのはボクの気の所為?

…お父さん,目尻がブーメランよろしくになってるよ。


ようやく歩けるようになったので、今の容姿を確認する事にしようと思った。

部屋には鏡が無く(恐らく怪我するものを手の届く場所や周りに置かない為の配慮)お風呂はまだ一人で身体を洗う事が出来ないので、鏡を見た事が無かった。

お父さんとお母さんの部屋にあるだろうとドアノブに向かって精一杯手を伸ばし(嗚呼、早く身長伸びろ!!)

大人の等身大位の鏡が目の前にあって……………。


『っぶ?』

鏡の向こう、目の前に立っていたのは、ふわふわとした緩いウェーブの入った髪。色白で柔らかそうな手足。宝石の様に綺麗な瞳。思わず抱きしめたくなる程の愛くるしさが満ち満ちた子供。

半ば見惚れる様に鏡の向こうにいる子供を見ると、同じく子供も…ボクを見ていた。


こ、これが…………ボク?









やっだなにこの子供、男の子?女の子?まぁ女の子だけれど性別が不明な程に綺麗な顔立ちってどういう事どういう事なのこれ?中性的な容姿っていうかかなりの美貌っていうか美人過ぎるよ!まだあんよしたばかりの年齢なのに!!やっだロリコンに狙われそうで怖い!!これって転生補正?でも神様に会った事一度も無いから…父さんと母さんの良い所を受け継いだおかげなのかな?髪はこのまま伸ばしてロングにするのも良いかもしれないでもそのままショートも捨てがたいうわぁあああああああああああああ!!!ボクの「ボク」って一人称が合わない外見だったらどーしょっかなと不安だったけどこの容姿ならイイかもしれない、むしろ――(ここから先は興奮のあまりに文字には表現できません。)――。


…しばらく鏡の前で悶絶してた事。

誰にも見られて無いよね? 

よね?

ナルシストでは決してナイヨ…。.

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