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弥勒菩薩半跏思惟像

釈迦如来の入滅から56億7000万年後、仏の教えの絶えた末法の世の最後、兜率天から地上に降臨し、すべての衆生を救う未来仏が弥勒菩薩だ。


菩薩とは、まだ悟りを開いておらず如来になっていない、悟りの1つ手前、悟りの52位にある修行中の仏のことを指す。

弥勒菩薩は、釈迦如来である仏陀に、

「兜率天で修行をし、世界の終わりにこの世に戻り、私の救えなかった衆生を、私に代わって救いなさい」と言われたことから、兜率天で修行を行っている。


浄土宗や浄土真宗などの他力本願による一切の衆生の救済を掲げる大乗仏教の盛んだった日本などでは、

菩薩は自己を犠牲にし、一切衆生の救済を目指す存在であり、特に弥勒菩薩、観音菩薩、地蔵菩薩といった菩薩はつよい信仰を集めた。これを菩薩信仰と言う。

その中でも弥勒菩薩は釈迦如来の次にこの世に現れる仏であり、特別な信仰を集める。


生前に弥勒菩薩の名前を唱えることで、弥勒菩薩のいる兜率天に往生し、そこで弥勒により救済を求めるという、上生信仰が生まれた。

また、弥勒菩薩が未来に下生され、衆生を救済されるという信仰を下生信仰と言う。下生信仰は次第に未来ではなく、現世に弥勒菩薩が下生されるという風に変わっていった。

これらを総じて、弥勒信仰と言う。


下生信仰は、救世主願望として現世に不満を持つ民衆の心を掴み多くの反乱を招く。

北魏、渤海(山東省)では、下生信仰を背景に、沙門法慶が指導者として、5万余の民衆を率いて大乗の乱が起こす。

法慶はみずから大乗と号し、人を殺せば殺すほど、教団内での位が上がるとし、僧俗を問わず殺戮を重ねたが、10万の討伐軍が派遣され、4ヵ月後に鎮圧される。

南宋の初めに生まれた白蓮教は、元末末期には呪術的な信仰と共に下生信仰が混入して変質、革命思想が強くなり、

社会不安の中で貧窮した民衆を信徒とし、紅巾の乱や清末の白蓮教徒の反乱などを起こしていった。

また、日本でも戦国時代に、弥勒仏がこの世に出現するという信仰が流行し、弥勒の世の到来が求められた。

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