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にんころ5話

にんころは感情というものないがしろにするんじゃなくて、ないものとして扱う

他者を人間として扱うために必要なの関係性なのだけれど、にんころにおいて関係性の一切は葉っぱとして棄却されていく

喜びも悲しみも怒りも、ただ、風に舞う木の葉でしかない……


この、このはが貫いてきた殺しへのスタンスが転倒して自分自身に向けられるというこの一瞬が素敵なんだよね

これまで葉っぱとして扱ってきたもののなかには自分もまた含まれていたという

そして、それ故にこの現状はただ同じように引き受けるべきものでしかない

風にたゆたう、どうしようもなく無為で無情なこの世界において、ただひとり超然とあるのが風のようにたゆたい感情すらものその場その場に書き換えていくさとこで、彼女だけがこの世界を平然と受け入れ、この世界を平常のものとして満喫できる


ここでひとつ考えられるおもしろい仮説はこのはは、さとことロボ子を識別できており、その上でロボ子を選んだのではないかという点だ

彼女はその殺し屋は感情を導入すべきではないスタンス故に逆に人間に対して感情移入することが出来ない

プロである彼女は、さとこすらも殺せる準備をしていた

だから、それを飛び越えて感情移入できるロボ子と親密になれた

そして、だからこそ、このはの培ってきた価値観は転倒してロボ子が葉っぱとなる瞬間はなによりも美しいものとなる

自分が葉っぱの如きものとしてきた、殺した対象(物体)と同じとされロボ子もまた葉っぱとなった、それは自分もただの葉っぱでしかなかったことを明瞭に示す

だから、それを当然のこととして懐に入り込んでくるさとこもただ、受け入れるしかない、それは、これまでとなにもかわらないことだ、自分が行ってきたことと同じことでしかないのだから


本編ではロボ子の存在を通して、物体としてきたものが物体ではなくなり、葉っぱとしてきたものが葉っぱではなくなる過程が描かれるが、最後に葉っぱそのものであるさとこによってすべてが葉っぱにされることで、すべてが虚無に塗り潰され、このはは、葉っぱとしての自己を引き受けることしかできなくなる 

他者との関係性を葉っぱでしかないと最初に規定してしまったその瞬間にこのはは世界をそういうものとして受容するしかなくってしまっていたのだ……




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