[ルートY] incident (事件)
「ペズ、お前_________」
「______何してんだ?」
「...」
「...ちょっとこっち来い!」
ぐいっ
ぐらぁ...
「な...っ」
バタンッ
____________________
______紫呉の仮眠室________
「戦争後遺症がまだ治っていない...?」
開口一番紫呉の一言で空間がピリついた。
ペズは相変わらずベッドで死んだように眠っている。
「はい...4年前から薬治療を施してだいぶ具合が良くなったと思ったのですが...」
「...この有様か」
「諜報員の首持ってぶらつくのはさすがにまずいだろう」
そう、本当にまずい。
私が彼女を発見した場所では人目が多すぎたのだ。
「...」
「ペズ、なぜ私に報告しなかった」
「今回の失態、回答次第ではこの場で命のやり取りをする必要性も出てくる」
紫呉は腰の拳銃に手をかける。
「そんな...!クロズコップ様は何も...!」
「貴様は黙ってろ小娘ッ!」
「_______」
「これはガキの使いじゃない。部隊全員の命を脅かす重大な問題だ。この件はもう警察の耳にも入っているだろう」
「こいつをこの殺人の単独犯として縁切りをする」
「それが私たちに残された最善で最悪の策だ」
「...」
「...なんとか...ならないのですか」
「甘えるな。警察に弱みを握られた時点でどうにもならない」
「...っ」
「私何でもしますっ!この先一生あなたに身を捧げますッ!」
「だから...だから...!」
________ボゴッッ
「...ぉッえ"...ッ!」
______一発。
レーナの脆い腹部にナックルダスターのような拳が入る。
それは紫呉の拳だった。
「...ガキ、ちょっとお前黙れよ」
「お前が何かしたところでどうにもならねぇって言ってんだよこのクソガキがッ!」
ベギョッ
________二撃目。
倒れたレーナの左腕を足で踏み潰す。
そこからはミシッと何かが潰れる音がした。
「ぎ___________ッ」
「________ぁああああああッッ!!」
「...ッ!!」
「よせ紫呉...!」
その叫び声に我に返ったのは1秒後。
私の体は動き出した。
「丁度いいや...ッ、なら私のために死んでくれよッ」
「せめて憂さ晴らし程度にはなるだろうからなぁッ!」
ブッギョアッッ
_______三撃目。
レーナの右太ももが爆発する。
とうとう紫呉は拳銃の引き金を引いた。
「ぬ_____ぇ______あッ_____!」
がっ!
ドサッ!
「やめろ紫呉ッ!」
後ろから羽交い締めし床に押し倒す。
「なんだよ、離せよ...ッ」
「一緒にこのガキ壊そうぜ...!それがせめてもの慰めってやつだ_______!」
バゴッ
「ぉ...っ」
...ドサッ
「...ちっ」
「クソッ...」
_____________________
「...左腕の複雑骨折、それと右太腿の裂傷」
「これ紫呉がやったの?」
「ああ...あいつもかなり追い込まれてるらしい」
「わざわざベラルーシから来てもらって悪かった」
「別にいいわ。暇だったし」
ガチャはレーナの太腿を消毒しながら会話をする。
珍しく戦闘服以外の私服だった。
白のショートパンツに黒のTシャツである。
「あなたの顔見れて、少し安心できたし」
「...?どういう意味だ?」
「いやさ、こういう危険な状況になっててっきり落ち込んだり取り乱したりしてたのかと思って」
「...」
「確かに。紫呉ですらあんなに取り乱してたのに...」
「多分神経図太いのよ。公安に殺されそうって時なのに」
「...ありがとう...?」
「褒め言葉じゃないっての...ふふっ...」
「...くくっ...君こそ神経図太いんじゃないか?」
「神経どころか足も太いから_______」
バグォッ
「ご、ぉえ...ッ!」
「東欧美女の生足見れただけでも感謝しなさい」
「前が...見えねぇ...っ」
「...それで、今後どうするの?」
「...」
「とりあえず、今はみんなの回復を願うばかりだ」
「その後のことは明日考えるさ...明日な」




