表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/49

[ルートZ] 最終話 : タバコ屋の娘(tobacco shop's daughter)




「_____う"_____が____」



「_____この...私が...ッ」



「______この私がぁぁあああッッ...!」





ブシッ ブシャァァアアッッ!




ドサッ...




「ぐッ...やだ...いやだ...ッ...う"ぅ...っ」


「がっ...死にたくない...っ...じにだく...ない...ッ!」




「「...」」




「ね"ぇ...フキ"...ッ...たす...けて...?」


「わたし...まだ...あなたから貰っだライター...大切に...っ」




「...」


「もう、手遅れだ」


「今までの罪を噛み締めながら地獄へ行け」




「がっ...やだ...やだ...ぁ...ッ」


「死にたぐない...っ...死にだく...な.......」


「ぁ........」


「...」





「「...」」




...そして、紫呉は動かなくなった。



_____________________




「_______奴らの保管してた実験記録書を読んでみた。結局のところ、私は鬼人とやらではないらしい」




「...そうか」




「それと、言われた通りC4を地下室全体に仕掛けてきた」


「本当にこれでいいんだな、フキ」




「それでいい。この呪われた地は、消し飛ばす必要がある」




「...」


「なぁフキ。タバコ吸うか?」




「いや、私はタバコは吸わないってあれ程...」


「...っ」


「...物は試しか」




「ははっ、フキも分かってきたじゃん」





カチョッ




じじぃ...




「...すぅぅうううう...っ」


「げっほぇ...ッ!ぐぉえッ!」




「ぶっははは!吸いすぎだっての!」


「ダイナマイトでも食べたみたいに...ははっ!」




「ごぇ...笑い事じゃねぇ...っ」




「はぁ...ウケるな、ほんと」


「思えば、傭兵やってた頃ってのも悪い思い出ばかりじゃなかったなぁ」




「...ほんとだな...」




「「...」」





ペズが腕時計をみる。




「____そろそろ時間だ」




「あぁ、気をつけてな」




「...」


「もし来世があるなら...フキちゃんとはまた会いたいなぁ」


「______今度は鬼としてではなく、人として」




「...」


「あぁ、そうだな」




「_____じゃあな、草間フキ。いつかまた、この世の果てで」




「______わかってるよ、早く行け」





_______私は静かに笑って、後ろ姿の彼女を見送った。




_____________________





カチッ カチッ カチッ カチッ




カツ...



カツ...



カツ...



カツ...




私は歩く。


大量に仕掛けられた時限装置C4の喧騒の中を。


ただ一直線に、白樺のような彼女の元へ。





「...っ」




どうやらさっきの注射が効いているらしい。


最早手足の感覚がほとんどない。


だが執念で、ただ執念で彼女の元へ向かう。




「...ッッ!!」






______ドサッ




「やっと...辿り着いた...」



目を閉じ眠ったままの彼女の頬を撫でる。


それはもう...滑らかで、瑞々しい。



「なぁ...ガチャ」


「起きてるか...?」




「...」


「...フキ。戻ってきて...くれたんだ」




「私はもう...どこにも行かない。そう、どこにも...」




「...」


「ねぇ...フキ」


「死ぬのは...怖い...?」




「あぁ...怖いよ、ほんとに」


「でもまぁ...君がいるからさ」




「...そっか」


「私もそう思うかな...へへ...」




カチチチチチチッ________




「...時間か...名残惜しいな」




「大丈夫...きっと、大丈夫...」


「ねぇ、フキ」


「この後天国に行ったら、また一緒に暮らそう...?」


「今度はあんなアパートじゃなくて、自然の豊かなところ」


「明るい太陽の下で、影ひとつない草原で。そこに小さな煉瓦の家を建てるんだ」


「そこでさ...一日中走り回って...遊んで...笑って...っ」


「そんな感じで、またあなたと過ごしたい...な」




「...」


「それは...いいな...」





「へへ...でしょっ...」





カチチチチチチッ_________





「...それじゃあ、行こっか」



「_______愛している、フキ。あなたに永遠の祝福を_______」




「_______あぁ、愛してる」











_______ピーーーーっ______






___バグォオオオオオオオアアア______ッッ








______________________







_______すぱぁ...





「...」


「ふぅ...」





「これであの方々は...消えてしまった」





「...ああ。大事な友人を2人も失ってしまったよ」






ポイッ




カラカラ...








C4の起爆装置を投げ捨てる。






「だがこれで良かったんだ。これであの鬼達も笑って天国へ向かえるってわけだ」


「随分と大きすぎる代償だったがな...」





「...」


「しかし、この横須賀という地は美しいものですね」






相模湾のその青く光る大海がレーナと私を小さくする。


肌を撫でる潮風はとても心地がいい。





「....ああ、本当だ」



「...」



「よし、じゃあ帰るぞレーナ」


「ミュンヘンで行ってみたいレストランがある」





ガチャッ





ガォン....ボッボッボ....ッ






ペズは黒塗りのベンツ280LSの鍵を回す。






「レーナもお供します」


「______さぁ、帰りましょうか____」


「_____私達の我が家へ_______」









ブロロロロロ....








[タバコ屋の娘 ルートZ [完]]



ひとまず草間フキの話はこれにて完結です。ここまで読んでいただいた方々へ、本当にありがとうございました。引き続き[ルートY]をお楽しみください。


・ブックマークに追加

・広告下にある「☆☆☆☆☆」から評価をお願いします!








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ