[ルートZ] 最終話 : タバコ屋の娘(tobacco shop's daughter)
「_____う"_____が____」
「_____この...私が...ッ」
「______この私がぁぁあああッッ...!」
ブシッ ブシャァァアアッッ!
ドサッ...
「ぐッ...やだ...いやだ...ッ...う"ぅ...っ」
「がっ...死にたくない...っ...じにだく...ない...ッ!」
「「...」」
「ね"ぇ...フキ"...ッ...たす...けて...?」
「わたし...まだ...あなたから貰っだライター...大切に...っ」
「...」
「もう、手遅れだ」
「今までの罪を噛み締めながら地獄へ行け」
「がっ...やだ...やだ...ぁ...ッ」
「死にたぐない...っ...死にだく...な.......」
「ぁ........」
「...」
「「...」」
...そして、紫呉は動かなくなった。
_____________________
「_______奴らの保管してた実験記録書を読んでみた。結局のところ、私は鬼人とやらではないらしい」
「...そうか」
「それと、言われた通りC4を地下室全体に仕掛けてきた」
「本当にこれでいいんだな、フキ」
「それでいい。この呪われた地は、消し飛ばす必要がある」
「...」
「なぁフキ。タバコ吸うか?」
「いや、私はタバコは吸わないってあれ程...」
「...っ」
「...物は試しか」
「ははっ、フキも分かってきたじゃん」
カチョッ
じじぃ...
「...すぅぅうううう...っ」
「げっほぇ...ッ!ぐぉえッ!」
「ぶっははは!吸いすぎだっての!」
「ダイナマイトでも食べたみたいに...ははっ!」
「ごぇ...笑い事じゃねぇ...っ」
「はぁ...ウケるな、ほんと」
「思えば、傭兵やってた頃ってのも悪い思い出ばかりじゃなかったなぁ」
「...ほんとだな...」
「「...」」
ペズが腕時計をみる。
「____そろそろ時間だ」
「あぁ、気をつけてな」
「...」
「もし来世があるなら...フキちゃんとはまた会いたいなぁ」
「______今度は鬼としてではなく、人として」
「...」
「あぁ、そうだな」
「_____じゃあな、草間フキ。いつかまた、この世の果てで」
「______わかってるよ、早く行け」
_______私は静かに笑って、後ろ姿の彼女を見送った。
_____________________
カチッ カチッ カチッ カチッ
カツ...
カツ...
カツ...
カツ...
私は歩く。
大量に仕掛けられた時限装置C4の喧騒の中を。
ただ一直線に、白樺のような彼女の元へ。
「...っ」
どうやらさっきの注射が効いているらしい。
最早手足の感覚がほとんどない。
だが執念で、ただ執念で彼女の元へ向かう。
「...ッッ!!」
______ドサッ
「やっと...辿り着いた...」
目を閉じ眠ったままの彼女の頬を撫でる。
それはもう...滑らかで、瑞々しい。
「なぁ...ガチャ」
「起きてるか...?」
「...」
「...フキ。戻ってきて...くれたんだ」
「私はもう...どこにも行かない。そう、どこにも...」
「...」
「ねぇ...フキ」
「死ぬのは...怖い...?」
「あぁ...怖いよ、ほんとに」
「でもまぁ...君がいるからさ」
「...そっか」
「私もそう思うかな...へへ...」
カチチチチチチッ________
「...時間か...名残惜しいな」
「大丈夫...きっと、大丈夫...」
「ねぇ、フキ」
「この後天国に行ったら、また一緒に暮らそう...?」
「今度はあんなアパートじゃなくて、自然の豊かなところ」
「明るい太陽の下で、影ひとつない草原で。そこに小さな煉瓦の家を建てるんだ」
「そこでさ...一日中走り回って...遊んで...笑って...っ」
「そんな感じで、またあなたと過ごしたい...な」
「...」
「それは...いいな...」
「へへ...でしょっ...」
カチチチチチチッ_________
「...それじゃあ、行こっか」
「_______愛している、フキ。あなたに永遠の祝福を_______」
「_______あぁ、愛してる」
_______ピーーーーっ______
___バグォオオオオオオオアアア______ッッ
______________________
_______すぱぁ...
「...」
「ふぅ...」
「これであの方々は...消えてしまった」
「...ああ。大事な友人を2人も失ってしまったよ」
ポイッ
カラカラ...
C4の起爆装置を投げ捨てる。
「だがこれで良かったんだ。これであの鬼達も笑って天国へ向かえるってわけだ」
「随分と大きすぎる代償だったがな...」
「...」
「しかし、この横須賀という地は美しいものですね」
相模湾のその青く光る大海がレーナと私を小さくする。
肌を撫でる潮風はとても心地がいい。
「....ああ、本当だ」
「...」
「よし、じゃあ帰るぞレーナ」
「ミュンヘンで行ってみたいレストランがある」
ガチャッ
ガォン....ボッボッボ....ッ
ペズは黒塗りのベンツ280LSの鍵を回す。
「レーナもお供します」
「______さぁ、帰りましょうか____」
「_____私達の我が家へ_______」
ブロロロロロ....
[タバコ屋の娘 ルートZ [完]]
ひとまず草間フキの話はこれにて完結です。ここまで読んでいただいた方々へ、本当にありがとうございました。引き続き[ルートY]をお楽しみください。
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