[ルートZ] 悪鬼羅刹
ジャラララッ
パチッ パチッ パチッ
「...」
「______クロズコップ様」
「ここで一体何をしてるのですか」
「ここは18歳未満は入っちゃダメなんだぞ、レーナ」
「...」
「ペシューコフ様の元へ向かわないのですか?」
「...もういらないって言われちゃったしな...」
「...情けない人」
ギュッ
「でもレーナはそんな情けない主人も愛してます」
「おいおいここはパチ屋だぞ?」
「構いません。2人の空間を作るには丁度いい喧騒でしょう」
[_____リーチ______!]
「お、3テンパイ」
ガォンッ ガォンッ ガォンッ ガォンッ
...ブゥン...
「...ちっ」
チャカッ
バギョンッ バギョンッ バギョンッ バギョンッ
パラパラパラ...
ガタッ
「あぁ...っ、どこへ行くのですか?」
「タバコ。ちょうど切らしてたからタバコ屋行ってくる」
「...」
「...ふふっ」
_____________________
ドロ...ドロロ...
グチャッ グチュグチュ...
「フキ...起きて...」
「...」
「はぁ...!おぉえ、ごほっ...ごへ...ッ!」
「フキ...!」
「...ッ!」
目の前に映ったのは脳みそが吹き飛んだ白髪の少女。
ペシューコフ・ガチャ、間違いない。
「ガチャ...!」
「良かった...記憶は消されてないんだね...」
「私の事...忘れでないんだね...っ」
ポロポロ...
「...っ」
「...よく頑張ったな、ガチャ」
「後は私に任せろ。この物語は私が終わらせる」
「...うん...頑張ってね...」
「私はここで...あなたの帰りを...」
ドサッ
「...」
ガチャの44.Magnumを拾い全身に力を込める。
ぐぐっ...
「紫呉...」
カツ...カツ...
「紫呉...紫呉紫呉紫呉紫呉紫呉...!」
「_______紫呉ぇぇぇええええッッ!!」
ガチャッ
ジャキッ
「ッッ!!」
目の前に横たわる少女は花崎紫呉に違いなかった。
しかしあまりのその傷に正直驚いた。
「...」
「よう、邪魔したか?」
「...ふ...っ、記憶消去は失敗か」
「第陸の少女、草間フキ」
「貴様の記憶消去とやらが失敗して今までの記憶が全て脳に保管された」
「______これまでの償い、貴様の命で払ってもらう」
「...全くお前らは学ばないな...そんなチャカ如きで私を殺せると思ってるのか?」
「お前らはつくづく馬鹿だ。無能でだらしの無いカス共だ。私らに作られた下等生物共だ」
「...」
「______暴走した鬼人を止める手段を頭に入れてないとでも思ったのか?」
「ッッ!!」
「遅い...ッ!!」
バシュッッ
「...その弾丸、その中身こそがお前らを止める最終手段...」
...ゆらぁ...
「_______母親のNK細胞だ____ッ!」
ダッ!
「...ッ!!」
ガキィッッ!
ギリギリ...ッ
紫呉の日本刀を拳銃で受け止める。
傷だらけが嘘のように力が強い。
「鬼人はな...覚醒すると一般人とまるで細胞が変化する...!それはまるでがん細胞の様にな...ッ」
ガッ バギョンッ!
一発目、紫呉の髪に着弾し躱される。
ガギィ...ッ!!
「だがなぁ...適当な人間のNK細胞じゃダメだ...ッ、鬼人の血液中で細胞が溶けてしまうからなぁ...!」
シュッ スパァッ...!
「っ...!!」
胸部に横切り。
だが、まだ傷は浅い。
一旦距離をとり相手との間合いを整える。
「...そこでその"母親"という条件がついてくる。どうやら母親の細胞は上手く血液に溶け込むらしい」
「...但し、鬼人の細胞組織をがん細胞と勘違いしそれを食い荒らすんだ。そう、時間をかけてな」
「...ッ...」
「これが"catastrophic reaction(壊滅反応)"。フキ、お前に残された余命は_______」
「______僅か数分。それがタイムリミットだ______」
「...」
「言い残すことはそれだけか?」
「...」
「______それだけかと言ってるんだッッ!!」
ダッ!
「ッッ!」
ガギィッ!
「(まだ動けるのか...ッ!)」
バギョンッ
「...ッ!」
ヂッ
二発目、紫呉の顔面に着弾。
しかし頬を掠った程度だった。
ザパァッッ!
瞬間、力強い袈裟斬りをまともに浴びる。
依然として紫呉には隙がなかった。
_______が
「ぐっ...!!」
「_______ぉぁああああッッ!!」
_______堪える。
バギョンッ
バギョンッ
バギョンッッ!!
「がぁッ...!」
「(腹と右肺に...ッ!!)」
バギョンッッババッ!
「(まずい、押し切られる...ッ!!)」
______カチッ
「ッッ!!」
しかし、もう既にシリンダーに弾丸は残っていなかった。
ザッバァッ!
「________あ"______ッ」
...容赦のない紫呉の袈裟斬りが再び訪れる。
同じ箇所を、しかも正確に。
私は、今までに無いほどの出血と痛みに膝をついた。
...ずる...っ
「______はぁ...ッ!はぁ...ッ!」
「...くそ...っ...まずい...出血し過ぎた...ッ!」
「止血を...せねば...ッ!」
「...まて...しぐれ...っ!」
「...ころす...っ...絶対に...!」
カチッ カチッ...
「勝手にやってろ...ッ!くそ...ッ血が...!」
「まて...待ちやがれ...ッ」
「くっそ...っ...クソが...ッ!」
カチッ...カチ...
...段々と紫呉の姿が遠のいてゆく。
ゆっくりと、またゆっくりと...
「_____この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ______」
「アケロン川の渡し守も呆れる様子だな、草間二士」
「ッ...!」
「_____クロズコップ...貴様ァあああッッ!」
天井のパイプ管から歩いてきたのは白髪の一つ目お化け。
クロズコップ・ペズーヘだった。
「シグレ。君に最後のプレゼントをやる」
「_____それは10ミリメートルのマグナム弾だ」
ピーンッ
彼女は10ミリメートルの鉛玉を私の元へ指で弾く。
残された力でシリンダーを開き、位置を調整。
...かこっ
ホールインワン。見事その鉛は44.Magnumのシリンダーの穴へと一直線だった。
ジィッ
「...ッ!!」
ぐぐっ...
立ち上がり、呼吸を整える。
「...」
「...ありがとう...本当にありがとう、ペズ...」
「...」
...ジャキッ
逃さないように。
確実に仕留めるように呼吸を止める。
残されたひとつの弾丸で、たった一人のその少女を仕留めるために。
「______我、これより羅刹と化す____ッ」
「_____これで終わりだ。死ね、花崎紫呉」
バッギョョヨヨオアアッッ_________




