[ルートZ] That day, the girl took over the world.(その日、少女は世界を手にした):2
「...しかしだからといって、世界を支配したとてどうなる」
「私が"いじめをしたら殺す"という法を作ったところで、見えないとこでいじめは起きる。人間が存在する限り、この因果は断ち切れない」
「...」
「...もう、死ぬか」
ガチョッ
私が銃口を口に入れた時、そいつは現れた。
[______まだ死んじゃダメだよ、紫呉]
「ッ!」
「誰だッ!」
[________私はシグレ。あなた自身]
[死んじゃダメだよ。あなたはこの世界の希望なんだから]
「私が...希望...?」
[そうだよ、希望なんだよ]
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お前からは何故か、希望を感じるんだ
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「...私は...死ねない...」
[そう、死んじゃダメ。あなたが辛いなら私も協力する]
[2人で紫呉を構成するの。そうすれば、もう怖いものなんてない]
[______壁は、ない_______]
「...」
「壁は...ない...」
「...」
「_____もう少し...生きてみるか____」
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「______それで、この神奈川市長に何か用ですか?」
「遊馬市長。昨日の浦賀村での出来事、ご存知ですね」
「えぇ知ってますよそりゃもう。村人全員死んじまったもんだから、まだメディアにも取り上げられてませんがね」
「そうでしょ?殺人鬼紫呉さん」
「...」
「そんな血べったりで来て、一体なんのつもりですか?」
「...」
「ふぅ...」
ジャコッ
ゴトッ...
「(...南部拳銃...?一体どこから手に入れたんだ?)」
「...単刀直入に言いましょうか」
「_______私の存在を抹消してください」
「...私に大虐殺の罪を加担しろと?」
「そんなことあんたはしなくていい。"その虐殺で私も死んだ"。それでいい」
「戸籍さえ消えれば警察も手の施しようがない」
「それをして私になんのメリットが?」
「あんたは毎月1000万円の入った袋を貰えばいい」
「はぁ...それで晴れて老後生活でも楽しむことだ」
「少し私は寝る...金は2ヶ月後から」
「...」
「_______警察に言ってもいいんだぞ」
ジャキッ
「_______ここで殺してもいいんだぞ」
「わ、私を殺せば、確実に警察に捕まるぞ...!」
「さぁどうかな。ここにあるナイフで音も立てずに殺した後、浦賀村のど真ん中に捨てれば誰も気づくまい」
「は...っ」
「そうだ、それでいい....くくっ...」
「....」
「...」
「...やっぱ殺すか」
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ザクッ ザザァ...ザクッ ザザァ...
「...」
「______あーあ、こんな派手に人の研究材料ぶっ壊しちゃって」
「挙句死体を遺棄するとは」
「...ッ!」
ジャキッ
「あぁ、別に警戒しなくていいよ。君を警察に突き出したりなんかしないし」
「...お前は誰だ」
「私は蝶番軌。この村の鬼を研究してる研究者さ」
「鬼...草間のじじいか」
「そうそう。この国には草間家しか鬼の家系がなくてね」
「でも君がそれを絶った。もうこの国には鬼人はいない」
「もう...いない...?」
「そんな残念そうにしないで。あくまで"この国には"だから」
「少なくともホシはあと6つある」
ジャキッ
「教えろ。さもないと殺す」
「えっぐいねぇ君!そんな事しなくても協力するよ」
「どうやら君も私も、普通じゃないみたいだからね」
「...」
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そして私は、しばらく軌と行動を共にした。
鬼と思わしき者は全て地下で実験した。
壱人目、齟山美波。妹の医療費の負担を条件に被検体を承諾。以降非鬼人と判明した為実験中止。
弐人目、鹿島涼。地下に拉致した後強制的に実験開始。結果即死。実験中止。
参人目、児玉花梨。同様地下に拉致し強制的に実験開始。実験中脳を損傷。精神分裂を起こした後死亡。実験中止。
肆人目、クロズコップ・ペズーヘ。実験中。
伍人目、ペシューコフ・ガチャ。鬼人化。
陸人目、草間フキ。鬼人化。
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「______鬼人候補で傭兵部隊を作る?」
「そうだ」
「この実験には金がかかる。それに、いつまでも第壱と私じゃ莫大な資金を用意できない」
「なるほどね...でも彼女らはまだ鬼人として覚醒はしてないんだよ?」
「戦争という刺激で奴らを覚醒させる。ある意味、これも実験のひとつだろう」
「鬼かどうか、死ねばその判別もより効率的になる、か」
「いいじゃない。やってみよう」
「それで?誰を選ぶ?」
「第肆、第伍、第陸で編成する。第弐と第参は使い物にならん」
「______これで世界を...作り替える」
「く...ははっ!」
「やっぱ君イカれてるね!本当に頭がおかしいんだ!」
「でもいいよ、そのイカれ具合。大好きだ」
「______どうか私を退屈にさせないでよ、花崎紫呉」
こうして私率いる傭兵部隊、"不詳部隊"が編成された。




