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[ルートZ] アルトラ(超暴力)




ぐぐっ...





私は目の前の長髪の白コート女に殴りかかろうとしたが、やはり体は昆虫標本のように動かない。


力を極限にして動かそうとしても精々腕が前に出るくらい。


到底軌には到達しない。






「...ふむ。体は動かない、か」


「それは未だアルトラが残っている証拠。少し薄れつつあるけどね」






軌は私の腕をじっと見ながら訳の分からない単語を並べる。


そして椅子から立ち、白衣を整え言った。




「早速劇場へ運ぼうか。行こう、紫呉ちゃん」



「...待てよ、クソ女...」



「ん?」



「お前がこの先私を飼い犬にしようと...実験のモルモットにしようがどうしようが...」


「_____私は必ずお前を殺害する。惨殺だ」


「脳みそ掻き出して乳房ちぎりとって、そこらの野良犬に食わせてやる」


「それまで、精々つかの間の京楽を楽しむがいい」





「...ひどいなぁ。フキちゃんは、私が君になにをしたのかも分かってないのに殺すのかい?」




「私を言いくるめようとしても無駄だ。既に正体は知っている」


「私を鬼人化させ、利用したゴミムシだということをな」




「...ふふっ」


「いいよ、せっかくだから教えてあげる。どうせ忘れてしまうだろうからね」


「さぁ、劇場へ行こうか」




軌が部屋には不相応なドアを開けると、そこは正に劇場だった。


暗い空間、目の前の大きなモニター、何十人も座れる柔らかい素材の椅子。


街にある映画館と酷似している。






コツ コツ コツ コツ






「そこに座れ」




「(これは...拘束椅子...っ)」




私の体はやはり勝手に動きだした。


精神病院で取り扱われるような器具にピッタリと収まってしまう。





ガシ ガシ




バチンっ





四肢が鉄に収まる。


最後に首を。


軌と紫呉は後ろの映写機近くの座席に腰掛ける。






カチチチチチッ





巨大なモニターに白い光が投影される。


そろそろ何かが始まりそうな雰囲気が私の第六感を刺激した。





「フキちゃん。時に貴女、アルトラって分かるかい?」



「...アル...トラ?」



「"超暴力"だよ。暴力を超えた暴力」


「そしてもうひとつ。元より暴力性を秘めた人間にさらに強大なアルトラを与えるとどうなると思う?」


「______その人間をプーガリ(恐怖)で支配できる」



「...」


「なるほど、そういう事か」


「お前らは...私を洗脳しようとしているだろ」



「うーん...まぁ部分的には合ってるけど...」


「"しようとしている"は間違いかな」




「...まさか...ッ」





「ほぅ...驚いたな。気づいたか」


「これは珍しい結果なんじゃないか?軌」




「そうだね。26回目越しの貴重な記録だ」





「...26...回...?」


「私は...いや...一体いつから...っ」







カチカチカチカチ






______映像が始まる。白黒の古い映像。





「私は...私は...ッ!」









「_____一体いつから私じゃなくなった____?」





















[題名 : 原子爆弾投下の影響 長崎・広島]



























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