[ルートX] gambler general
_____バー・リュボーブ
夕刻の末。
都市から外れたバー・リュボーブは既に開店していた。
丁度仕事が終わった人間達は明るい照明の中、各自テーブルについてどうでもいい雑談とアルコールを召し上がっている。
そんな中、1人カウンターでウォッカを嗜んでいる淑女がいた。
「...」
どうにもつまらなそうな白いセーターを着た彼女に、1人の黒Tシャツ姿の男が隣に座る。
髪型はミディアムな短髪で爽やかな印象だ。
「君ウォッカ飲むのか。粋だね_____」
「先に言っとくわ。くだらない男に時間を割くのは嫌なの」
「話しかけないで」
黒髪の長い女はそう言った。
「不機嫌だなぁ」
「じゃあ、こういうのはどうかな」
「_____あそこでポーカーやってる3人、みえるかい?」
「...あれがなんなの?」
「彼ら、俺がもし参加したいと言ったらイカサマするだろう。車整備員の仲間同士だからな」
「そこでもし俺が一勝したら、君は一回俺との会話に応じる」
「一勝につき一会話。面白そうだろう」
「...そんなこと言うやついっぱい見てきたわ」
「____でももし勝てたなら、話をしてあげてもいいよ」
「ははっ、その気になったね」
「____ウォッカの用意を。後悔はさせないよ」
カツ カツ カツ カツ
「やっ、君たち」
「そのポーカー。俺も混ぜてくれないかな」
「...ちっ、なんか変なのが来やがったぞ」
「どうせ未成年のガキだろ。服装からして職もねぇ大学生風情ってとこだ」
「帰れよ。怪我しねぇうちにな」
バサッ バサバサバサッ
「...!」
「ここに10000ベラルーシ・ルーブルがある」
「俺が負けたら全部あげよう。うん、あげる」
「...ふ、へへ...ガキのくせに中々持ってんじゃねぇか」
「いいぜ。席につきな」
____________________
「シャッフルするぞ」
シャッシャッシャッシャッ
均等にカードが配られる。
時計回りに順番に。
そして、全て配り終えた後に男は中心に5枚のカードを並べた。
「...ふぅん」
「いいね、オープンしよう」
ひとつひとつ、カードが捲られる。
「俺はブタだ」
「ツーペア」
「へへ」
「悪いなガキ」
1人のとびきり体格が大きい男がテーブルに手札を置く。
バサッ
「_____ストレートフラッシュ」
「残念、ロイヤルストレートフラッシュ_____」
「...は?」
「ああ、別に掛け金はあげるよ。俺は要らないから」
「君達には必要なんだろ?」
「「「....」」」
カツ カツ カツ カツ
「...いいの?あいつら、多分変なこと考えてるよ」
「興味無いかなぁ。それよりも"会話"だ」
「俺は賭けに勝ったよ」
「...はぁ」
「まぁいいわ。この人にウォッカを_____」
「_____おい」
黒Tシャツの男は肩を掴まれる。
あのポーカーをしたガタイのいい男だ。
「...」
「ちょっと来いよ。掛け金渡してやる」
「...ふぅ」
____________________
ゴロツキ2人に体を押さえつけられる。
遂には右腕を伸ばした状態で押さえつけられる。
そして目の前には、そのガタイのいい男が立っていた。
「面白いやつだ。4人で襲われるのを予想してなかったのか?」
「喧嘩売りやがって...二度と賭け事出来ないように指切り落としてやる」
「へぇ...」
「____それで?」
「...あ?」
「指を切ったその次の話。まさか、ただ指切り落とすだけってのは素人がすぎる」
バギョッ
「ったくこのガキはよぉ...口だけは達者だなコラ...」
「安心しろよ。その次は...」
「...てめぇを肉塊になるまで殴るって決めたんだからなぁッッ!!!」
ぶんっ...!
「глупый(馬鹿が)ッッ!!」
ガブァッ
ぶちちゃあっ...ッ!
「ッッってぇぁあああッ!!」
「こいつ、こいつこいつぁ...ッ!靴ごと俺の足をッッ!」
「_____噛みちぎりやがったぁぁあああッッ!」
「「「!?」」」
「_____うん、不味いな」
ぐぐぐっ....
「全く...今日はアドレナリンを出す気分じゃなかったのに_______」
「_______"出さざるを得なくなった"じゃないか」
コツ コツ コツ コツ
「君たちは待ってなよ。まずはこのガタイのいい野郎からだ」
「う...ぁ...あ...っ」
「女性を待たせてるんでね。手早く済ませるよ」
「________今から君の前頭葉を摘出する」
「これ以上悪いことをしないようにね」
「な...なにを...!」
「冥土の土産に教えてやる」
「俺はクラシコフ・ニキータ。陸軍所属の少将だ」
「喧嘩する相手を間違えたな。じゃっ」
「...やめろ...」
「やめろぉぉおおおおッッ!!!」
________ずろぉっ....
____________________
「_____やぁ、ただいま」
「ちょっとその傷....ッ」
「マスター、おしぼりを」
「拭いてくれるのか?案外優しいな君は」
「喧嘩する男は嫌いだわ...!」
「じゃあ拭くのをやめろよ」
「...ッ!」
「...くくっ」
「顔の傷は男を上げるものさ」
「______さぁ、ウォッカを飲もうか」
「принцесса(お嬢さん)」




