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54着目 リリエンシュタットの危機!? 音楽の魔女の進軍!!

~マルガレーテside~


 ヴェラセネ・キンダーの本拠地では、マルガレーテとボスが話し合っていた。

 内容は勿論、最近の劣勢についてだ。


「……カスパル兄妹は戦死し、エドゥアルトは捕縛。あまり戦況はよろしくありませんね、ボス」


「確かに。特に戦死者が出たことは非常に悲しい。だが、社会の変革が進み始めていることは我々の思惑通りだ」


 特に変化が著しいのはアルテンブルク大公領だろう。

 あそこは厳しすぎる厳罰主義のせいで社会が歪んでいたが、カスパル達の侵攻を機に考えが変わった。

 もっとも、引退した前アルテンブルク大公は猛反対しているようだが、その娘の現アルテンブルク大公は無視している。親子の縁を切られてもやり遂げる覚悟らしい。

 ここまで強気に出られるのは、権力移譲がとっくに終わっていたから。なので父親から『爵位を返せ』と言われても、娘の承諾が得られない限りずっと当主の地位は娘のままなのだ。

 むしろ逆に、娘の方から父を追放するかもしれない。


「言っておくが、私だって勝って社会を変革したいと思っている。そこは念頭に置いてくれ」


「ええ、よく存じています。さて、私はリリエンシュタット侵攻の準備がありますのでそろそろ失礼させていただきます。今生の別れになるかも知れませんけど」


「……そうか。武運を祈る」


「ぜひ報告を楽しみにしていて下さい。最近、自分のジョブ能力の新たな使い方が判明しましたので、それを主軸に作戦を立てております」


「それは楽しみだな」


 そして、マルガレーテはヴェラセネ・キンダーの本拠地を発ち、自らのアジトへと向かった。




~レオナside~


 ここ最近、リリエンタール大公領が騒がしくなってきている。

 実はヴェラセネ・キンダーと思われる軍勢が領内に侵入したのだ。


 当初、この軍勢は早々に撃破されると予想されていた。装備も特筆すべきものは無く、注意すべきジョブ能力者も見られない。

 強いて言えば帝国軍を散散苦しめてきた音波破壊兵器だが、すでに対策は取られている。特にリリエンタール大公は早くからこの兵器に対する対策に力を入れており、すでに完全なる脅威では無くなっている。


 こうした前評判があったのだが……逆にリリエンタール大公軍が撃破される有様であった。

 かろうじて逃げてきた兵士達は、『急に音楽が聞こえてきたかと思ったら、敵の力が強くなった。それと自分達がなぜか恐怖を感じてしまった』と証言している。


 その証言が真実だとすれば、どのようなカラクリなのか?

 何もわからないままヴェラセネ・キンダーの侵攻を許し続けてしまった。


 そしてとうとう、ヴェラセネ・キンダーの軍勢はリリエンシュタット目前まで迫ってきた。


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