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パングを楽しもう1


 星喰を手に入れ、今すぐにでも精霊界へ行ける状況ではあるが、未だに俺たちはパングにいた。


「せっかくここまで来たのに何もしないのはもったいないよなっ」

「確かにそうね。ここに来てから辻斬りの件で観光もできてなかったわ」


 レーデの言葉に俺は頷く。

 ここにきてからバタバタと忙しく、これといった休暇はなかった。それに、全員で休日を過ごすというのも考えてみればないんじゃないか? ということで、全力でパングを満喫したいと考えたわけだ。


「カグヤはパングに来たことあるのか?」

「うむ。拙者も下調べとしてパングの事は調べたでござるが、観光名所は調べてはないでござるな」

「なら、気ままに街中を歩いて気になったものに立ち寄るというのはどうでしょう?」

「いいな。じゃあサクヤの案で行くか」


『極楽湯』から出て、ぶらぶらと歩いていく。

 

「そういえば、王国でクナイと買い物したよな」

「ん。あの時の服。どう?」


 前に買ったパーカーワンピースに厚底のスニーカー。ワンピースから伸びる色白の美脚が大変素晴らしいコーデになっている。

 いつもはポニーテールにまとまっている髪もおろされていていつもとのギャップが良き。


「うん。すんごい可愛いっ!!」

「そう。ありがと……」

「ちょっとっ! その話聞いてないんだけどっ!?」

「私もですっ!!」


 レーデとサクヤがクナイの前に出てきたことでクナイの顔が伺えない。まぁ、素っ気なかったし照れているというわけではないだろう。


「クナイと買い物に行ったのはお前らが修行している時だったからな。言ってなかったっけ?」

「「言ってないわよ(です)ッ!!」」

「お、おう。すまん」


 いつもよりも鬼気迫る様子で詰められ、思わずたじろいてしまった。

 俺がクナイと二人きりだったからクナイの身を案じたゆえの行動だろう。何故か、クナイが二人に向けドヤ顔しているのが不思議なところではあるが。


「今日はみんな一緒だから許してくれ」

「……仕方ないわね」

「どんどん新キャラも出てくるし早く射止めないと」


 サクヤから物騒な言葉が聞こえてきたけど、俺を射止める (殺す)ということじゃないよな?

 そんな心配がよぎるが、そんなことはないと思いつつ話を逸らすためにカグヤに話しかける。


「そういえば、カグヤに魔道具を作るっていう約束だったよな。何がいい?」


 星喰の記憶。正確的にはカグヤの過去であるが、別れ際に約束したことだ。


「拙者はこのペンダントが気に入っているでござる。なので、その……」


 頬を染めながらもじもじと言いにくそうだ。

 大丈夫だから言ってみろよと言うと、意を決したように口を開いた。


「戦いの方をしてはくださらぬかっ!」

「そういえば言ってたな。俺に勝ったら、言いたい事があるとか」

「そ、そうでござる。早くに言うのが先決であると感じたゆえ」


 そんなに言いたいのか。なら、手合わせもやるか。


「じゃあそれは後でやるか。今はこの時間を楽しもうぜ!」

「そうでござるな」

「ではまずはご飯をいただきましょうっ!!」


 そう言ってサクヤが指差したのはお食事処と書いてあるのれんだった。

五章はほのぼのと始まりました。

これからも宜しくお願いします。


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