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夢のパーティホーム


「でっけぇっ!!」


 翌日、早速訪れたパーティホームに俺は思わず歓喜した。


 なんてったって、あのパーティホームだ。名のあるパーティたちは全員保有している家が、俺たちにも手に入ったって事は最強の冒険者に一歩近づいたということになる。


「なぁ、お前らも──」

「ルーロと一緒、一緒、一緒·····」

「ルーロと過ごす、過ごす、過ごす·····」


 物凄い剣幕でブツブツと念仏のように唱えているクナイとレーデ。

 後ろではサクヤが苦笑いしている。


「おーい、ふ、二人とも·····?」

「ひゃ、ひゃいっ!」

「こ、これがぱ、パーティホームね。分かってるわ。そう、分かってる」


 ぎこちない二人は先にパーティホームに向かっていった。


「なんなんだ? 二人とも·····」


 そこまで、俺と一緒が嫌なのか?


「そういう事ではないと思いますよ?」

「え? 俺、口に出てた?」

「いえ、顔に出てました」


 はぁ、再三言われるが、そこまで顔に出ているものなのか。


「とりあえず、この中でサクヤだけは普通に接してくれて有難いよ」

「·····どうでしょう。私も結構、緊張していたりして··········」


 だとしたら、俺はもうどうすればいい?


「頼むから、サクヤだけは普通に、普通にお願いします」

「フフっ、分かりました。·····でも、いつかは普通に接することは無くなりますよ。私が頑張れば·····」


 最後の方はいつもながら聞き取れなかったが、普通に接することは無くなりますという所だけはやけに明瞭に聞き取れた。


 もう、そろそろ慣れなくては。俺も淡い期待を抱くのはそろそろやめにしたほうがいいのだろうか?


「さて、行きましょうか」

「··········そうだな」


 そんな思考も、直ぐに追いやられ、俺はサクヤたちについて行った。


 


「やっぱ、豪華だな」

「そうですね。一階でこの広さ。二階はどうなっているのでしょうか?」


 田舎育ちではまずお目にかかれないシャンデリアやその他多数の家具。赤いカーペットもさることながら、一つ一つが輝いて見える。


「つか、あの二人は·····」

「る、るるるるルーロっ! 二階凄いわよっ!?」


 どうやら、二階に居たようだ。急かされ、上に上がると広めの廊下に、無数の部屋があった。


「私たちだけで使いきれるかしら?」

「大半は物置になりそうだな」


 色々と見学しながら回ると、クナイも発見した。


「ここに回転式の扉を設置して、ルーロの元へ·····」

「クナイ?」

「──な、な、な、なに!?」


 凄い慌てようだ。

 一番端から二番目の部屋をやけに細かく調べている。


「何してるんだ?」

「あ、あの·····そう。ルーロの部屋が一番奥の部屋。だから、私たちの部屋に来れないかチェックをしてた」


 まだ疑っているのか、俺の鋼の精神を。


「ていうか、俺が一番奥なのは決定なのか」

「当たり前でしょ? それなら、私たちが襲われる心配はないわ」


 出来る限り、自分たちの部屋から遠ざけたいのか。


「··········悲しいな。俺への人望の無さが」

「ルーロ様、お庭も見ましょう?」


 話題を切り替えるように、サクヤが外を指さした。


「庭もすげぇなっ!」

「そうですね。お手入れが難しそうです」


 確かに·····。俺に専門的な知識はないし·····いや、うってつけの人が居たわ。


「·····やっぱりな」


 見ると、うってつけな人は庭を見て、嬉しそうに頬を緩めていた。


「庭はレーデに任せるよ」

「うぇっ!? いいのっ?」


 普段の厳しい口調は何処へやら、子供の時みたいな口調でレーデは興奮気味に言った。


「あぁ、昔から花が好きだったろ?」

「うん。覚えててくれたんだ·····」

「当たり前だ。あそこで過ごした日々は忘れてない、何一つね」

「·····ごめんなさい」

「いや、レーデはそんなに気にしてない。ギルにもやり返せたしな」


 そう言えば、ギルはあの後どうなったのだろうか? まぁ、気にしててもしょうがないか。


「レーデはお花が好きなのですか?」

「ん? そうだよ。コイツ、昔から花が好きでさ。あまりに好きすぎて花に話しかける始末だ」

「ちょっ、その話は秘密ってっ!」

「あの時の仕返しだ」

「気にしてないって言ってたのにっ!」


 そう言って怒ってレーデは何処かへ行ってしまった。多分、庭の方だろう。早速、花たちを見に行ったのか。


「可愛いですね、レーデって」

「そうだな。幼馴染の中で一番素直で純粋な女の子だよ」


 そう言って、庭を眺める。


 案の定、庭に向かっていたレーデが見える。

 嬉しそうに花たちを眺めているレーデはとても可愛らしかった。


「む〜、私は?」

「どうした? クナイ」

「私も可愛い?」


 何をそんな当たり前のことを。


「可愛いに決まってんだろ?」

「~~~っ!」


 そう言ってサクヤの後ろに隠れる。一体、何がしたかったのか。

 でも、可愛かったから良しとしよう。


 ·····というか、むやみやたらに可愛いって言うなってミーヤが言ってたっけ?

 俺としたことが自重せずに、また言ってしまった。


「やっちまったなぁ」

「どうかしました?」

「いや、なんでもない」


 何となくミーヤの話はしない方がいいと、俺の勘が叫んでいる。

 なんか、この場にいる皆が敵になるって。


「よし、切り替えよう。今日から、ここが俺たちの新しい拠点だ」


 『歩む者(ウォーカー)』としての活動もして行くつもりだが、まずはサクヤを冒険者にしないとな。

 懐かしいような、冒険者試験。今回はどうなるのか楽しみだ。

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