王城、国王との対面4
「済まない。時間をかけてしまった」
「いいんだよ。家族の、しかも、暫く会えないかもしれないんだ。そんぐらい待つ」
暫くして戻ると、話が終わったのか、目尻に涙を浮かべるサクヤたちが居た。
「さて、ここで解散·····といきたいんだけどね。最後にルーロくんたちにあげるものがあるんだ」
そう言うと、ハーランは一つの鍵を差し出してきた。
「君たちはルーロくんがA級であり、他の二人がB級って聞いてね。今回、私たちを助けてくれたお礼に『パーティホーム』をプレゼントしたい」
「·····ほんとに?」
「私が嘘をつくとでも?」
パーティホーム、パーティ、パーティ·····
「──やったぜっ!!」
「何それ?」
何? クナイは知らないのか? やれやれ。
「レーデ、教えてあげな」
「えっ? 私も知らないんだけど」
「うそーん」
「ほんとよ」
お前ら、本当にB級か?
「パーティホームってのはな、パーティで共用する家の事だ。本当は功績が認められたパーティにギルドが渡してくれる物なんだが、駆け出しの俺らが手に入れちまったって事だ」
「つまり?」
「宿代とか要らなくなる」
フッ、クナイもレーデもパーティホームの偉大さに気づいたか。
って思ってたが、二人の表情は微妙だった。
「え? 何その反応!? パーティホームってギルドから貰えるまで結構な功績積み上げないとダメなんだよ? それが駆け出しで手に入ったことは結構ていうか、凄い事なんですけど!?」
「·····いや、凄いのは分かってんだけど」
「ん、問題は〝共用〟」
何が問題なのだろうか? パーティ皆で使う家だ。うん、何も問題ない。
「ルーロとひとつ屋根の下·····」
「──ハッ!」
·····そうだった。俺ってば、嫌われてるんだっけ?
如何にパーティと言えども、男とひとつ屋根の下ってのはツラいか。
「それは残念だ。結構大きい一軒家だったんだがな。庭も付いてる、私が言うのもなんだが豪邸だぞ?」
ハーラン、お前、説得してくれようとしているのか·····?
「そんな豪邸であれば、もちろん警備もしっかりしている。盗難の心配もなく、部屋もロックがかかっている。我が王国屈指の警備体制だ。万に一つも、君たちの肌にゴミが触れることはないだろうに·····」
「そういうのことなら·····そもそも、別に嫌だとは·····ね」
「ん·····私もルーロなら·····」
最後らへんは聞き取れなかったが、二人の承諾を得たことで、ハーランがサムズアップ。
俺もサムズアップで返す。
「喜んで頂けて何よりだ。で、場所なのだが·····」
「私が知っていますので、明日、一緒に行きましょう」
サクヤが胸を張りながら言った。
「──というか、私も一緒に住みますし」
「え?」
「いや『え?』ではなくてですね。だって、私も冒険者になるんですし、パーティに入ると言っても、クナイたちの居るパーティが良いですもん」
美少女と、三人、一緒にひとつ屋根の下·····
「ルーロくん?」
「はいっ!」
「私の娘に手を出したら分かるよね?」
「も、もちろんでございます、はいっ!」
先程までの信頼は何処へやら、笑み一つないハーランの真顔に、思わず敬語で返す。
「じゃあ、私はエルサとクリクソンで少し話があるから、サクヤは最後になるんだ。サラテの部屋で一緒に寝なさい」
「「はいっ!」」
じゃあ、俺たちも帰ろうかな。
明日は楽しみだ。
俺たちのパーティホームがどんなのか、期待に胸を膨らませながら、一夜を過ごしたのだった。
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