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突き進め頂点へ! 日本競馬のゆめへ!  作者: シャルシャレード
2章 3歳
28/37

日本ダービー前夜


前日、生産牧場パワーファームはてんやわんやであった。

自分の生産した馬がダービーに出る!

しかも上位人気で!


清のテンションは上がりっぱなしであった。


『お父さん、落ち着いて。まだ一日あるんですよ。』

妻の弘子に言われた。

しかしやはり落ち着けない。

『ダービーだぞダービー!日本一のレースだ!しかも乗るのは清弘!俺がダービー乗った時の1000倍は緊張しているわ。』

清はダービーに騎乗経験がある。

ちなみにその時は2着であった。



部屋の中をぐるぐると回っていると

『明日は早いんだからもう寝なさい!』

清は怒られてしまった。



布団に入る前に風に当たりたいと言い清は外に出た。


『ダービーか。そういえば、俺が乗る予定だったのはエルドランセンデだったな…』


エルドランセンデは当時、清が乗っていた馬である。

ホワイトジェムと同じく零細血統そして皐月賞の2着。


しかし、清はエルドランセンデに再び乗ることはなく、エルドランセンデもクビ差の2着に敗れた。

もし、清が乗っていたら---。


『清弘、お前なら勝てる。絶対にだ。』

清は満天の星空をみて呟いた。




ーーー中島はすでに寝ることを諦めていた。

皐月賞で寝られなったのだから、ダービーで寝られるわけはないと。腹を括っていた。


後12時間か。

時計はすでに3時半を指していた。

すでに中島は自分の準備は終わらせていた。

担当馬がダービーに。想像しただけで気を失いそうになる。


後は自分のできることを全力で。



大きく深呼吸を繰り返す。

その後に中島は厩舎の方へ向かった。




ーーー清弘も寝れていなかった。


明日の騎乗を繰り返し考え続ける。

スタートの位置取り、折り合いの付け方、コーナーの周り方、仕掛けるタイミング。


考えれば考えるほど分からなくなって行く。


『あーどうすれば良いんだ…。寝方を忘れた。』


ダービー初騎乗の時とは全く違う緊張感だ。


あの時はただ乗っていただけ。

今度はダービーを勝ちに行く。


ふと、父のジャパンカップ制覇の時の動画を思い出す。


大本命馬をひっくり返した騎乗をだ。


『俺にならできるか…。』


清の言葉を思い出し眠りについた。




---雄太は昔のコハクを思い出していた。


雄太も明日は観戦する予定。



がんばれよ、コハク。

ベストスマッシュの分も。


ベストスマッシュは2年前にコハクの弟を出産した後、体調を崩して亡くなった。



雄太はホワイトジェムが生まれた日のことを思い出した。



応援していてくれベストスマッシュ、息子を日本一にしてくれ。



雄太は祈るように目を瞑った。



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