2-1 パーティ結成です
イスメアルダ王女からの話は比較的早く終わった。要約してしまえば、悪い魔王が現れて困っているので助けて欲しい。と言う事だ。
長かったのはその後。ウルテン宰相の話だった。
王国の全体像に始まり、簡単な歴史、魔王及び魔物による被害状況等々。
必要な情報だから仕方が無いし、こちらからも質問する事も多かった。
正直始めは真面目に覚えようと思っていたけれど、途中からは半分寝ていて記憶が無い。
実際いろいろ教えて貰ったところでこちらは一般人。まともに喧嘩だってした事が無いから魔物と戦えるとは思えないし、何か出来るかと言われても何も思いつかなかった。
ちなみにイスメアルダ王女は他にも用事があるらしく途中からいなくなっていた。
長くて眠くなる講義が終わると夕食となる。イスメアルダ王女も同席したが、馬鹿でかい食卓だった事も有り会話はほぼなかった。
ちなみに味は薄めで少し物足りなかったが、十分な量が有ってお腹は満足した。
理想を言えば食後の飲み物としてコーヒーか日本茶が欲しいところだったが、果実酒とフルーツジュース、ミルクぐらいしか無かったのは残念である。
食事が終わるとそれぞれ個室に案内され、別々に就寝となる。扉の外にはメイドが控えており何かあればすぐに対応してくれると言われた。
そう言えば普通に言葉も文字も通じていた。言葉は母国語に聞こえるし、文字はこの国特有のものを使っているのだが、何も考えなくても翻訳出来た。
まぁ、いいか。深い事を考えるのはやめよう。
時間にすれば夜8時ぐらい。魔法の灯りもランプもあるが基本的に暗くなったら寝るのがデフォルトらしい。
こちらからすればまだ寝るには速いが何もする事が無い。取りあえずベットに横になって今後どうすれば良いかを考える事にした。
いつものくせで寝ながらスマートフォンをいじる。動画でも見ようと思ったが、当たり前だけど電波が無い。さてこれは困ったぞと思っていたら、見知らぬアプリが追加されている事に気がついた。
【異世界探索支援】
何というか、そのまんまなアプリだった。因みにアイコンはアカシュブレア王国の国旗になっていた。
どうするべきかちょっとだけ迷ったが、とにかく立ち上げてみる。チープな音楽とタイトルロゴが出てアプリが起動する。
『--貴方の名前を入力して下さい--』
なるほど、ここからか。まぁここは判りやすく行こう。
【あっきー】と入力した。
『--職業を選んで下さい--』
職業って何があるんだ? むむむ、検索ワードが入力出来るようになっているのか。
どうするかな。ふーむ。よし、こうしよう。
【魔物使い】と入力した。
お、いろいろ出てきたぞ。どれにしようかな。結構面白そうな奴もあるし、こっちは色物だよなぁ。ま、いいか。これにしよう。なんかカッコいいし。
【サイバーモンスターテイマー】を選択。
『--能力値を決定して下さい--』
能力は何があるんだ? STR、INT、AGI、LUKの四つか。で、これをいじるとHPとMPが変化するって事みたいだな。
職業で基本値が決まっていて、ボーナスを割り振るのか。サイバーモンスターテイマー略してバーモンは何が必要なんだろう。お、ここにヘルプがある。
なになに、モンスターを制御するのにINTが必要で、成長進化にはLUKが関係するのか。それからモンスターの召喚にはMPが必要と。
いろいろいじって調整したらこうなった。
STR:22
INT:45
AGI:18
LUK:65
HP:109
MP:155
『--初期特典としてSランクのサイバーモンスターが一匹貰えます--』
初期に貰える特典ガチャみたいなものか。さぁて、何が貰えるのだろう。ポチッとな。
七色に光る卵が割れると中からモンスターが現れた。
『--エノクサウルスを入手しました--』
コスト:10MP/5min
STR:80
INT:15
AGI:30
LUK:15
HP:175+100
MP:45
特殊能力 ハウリングボイス、キラーバイト
エノクサウルス。二足歩行の恐竜で形だけならティラノサウルスに近く牙や外皮の一部が金属で強化されている。大きさは2mよりちょっと大きいくらい。これだけだとどのぐらい強いのかどうかいまいち判らないな。
STR高いし恐竜っぽいから接近戦は強そう。HPの+100はバーモンならではのHPボーナス。成長すればHPボーナスも増える。
ええと、普段はスマホの中にある家にいて必要なときに呼び出せるって事みたいだな。
5分ごとに10MPかかるのか。と言う事は最大75分なんとも言えないなぁ。
それから、お金を使うと家を拡張したり、住みやすく改造したり出来るのか。それによってバーモンを追加したり、成長させたり出来る、と。
初期金額は・・・。0じゃん。どうすんだよ。やっぱ敵を倒したりして手に入れないと駄目なのかなぁ。
『--最後に外見を決定して下さい--』
外見って、どういうこと? お、これは自分の外見を変えられるのか。折角の異世界なのだしちょっとだけいじってみよう。
身長、体重、顔つきから始まって体の細かいパーツまで変更出来る。衣服もいろいろある。 ええと、ここをこうして、こっちはああして。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
よし、これで決定。
ん? なんか外が明るくなってきてる。やっべーもう朝じゃん。外見決めるのって時間かかるなぁ。
ま、呼び出しあるまで少し寝ておくか。
・・・コン、コン。・・・コン、コン、コン。
しまった寝過ごした。急いで支度しなくては。こういうとき、スマホ一つで着替えられるのは楽で良い。
急いで朝食会場行く。周りを見ると・・・・。
うん。みんな昨日と違ってる。いろいろ突っ込みたいけど、自分も人の事言えないしなぁ。変わっていない人も居るみたいだけど、あとでアプリの事を教えてあげないとな。
到着したときほとんどの人が食事も終わっていた。幸い自分の食事を残して置いてくれたので空腹になる事は無かった。
食事が終わり一息ついていたところにイスメアルダ王女がやってきて支度金の500ゴールドを手渡してくれた。
「ありがとうございます。これだけあると助かります」
まずは頭を下げてお礼を言う。
王女が言うには、支度金は10000ゴールド用意していた。しかし20人を越えて召喚された為、一人に渡せる金額が少なくなってしまった。その事を申し訳なさそうにしていた。
ちなみに貨幣価値は1ゴールドで1万円くらい。これだってけっこうな大金だ。貰ったお金はアプリを使うとスマホの中に消えていった。必要ならすぐに取り出せるし、コインもシルバー、カッパー、アイアンなど自由に両替も出来る。
ただ、ほとんどの商品がスマホで直接購入出来るのでコインを使う事は少ないかも知れない。
周りを見るといつの間にか幾つかのグループに纏まっていた。
ファンタジー感たっぷりの戦士や魔法使い、神官のような出で立ちのグループ。
銃器類を主軸とした近代兵器軍隊グループ。
他にも昨日のうちにいなくなった隠密グループなど。
それぞれが5人前後の集団となって行動するようだった。
一人でいるのはマズかろうと周囲を見渡す。何人かあぶれている奴がいるな。そう言う奴へ順番に声をかけていく。そうして集まったのは自分を含めて5人だった。
お互い自己紹介をするべきだ。まずは自分から。
「自分はあっきー。バーモン使い。バーモンって言うのはサイバーモンスターの事になります」
「僕は風巻豹。よろしくお願いします」
礼儀正しい態度の青年。パッと目には向こうから来たままのように見える。体の線は細く文系であろうと推測する。
詳しい説明は無く黙り込む。コミュ障か。
[キリマン]
羊の執事な格好をしているのはキリマン。見ての通り羊の獣人だ。何が出来るのか判らない。身長1mちょいしかなく、体力的な事は苦手と想われる。
基本無口で、両手で頭の上に持ち上げているカンペを使って筆談する。
お前もコミュ障か。
「クラゲリオンと呼んで下さい」
カラフルなクラゲ? の着ぐるみに身を包むのはエビストウスケ。着ぐるみの中身は見た事が無い。本人曰くそれは無理とのこと。
声も間違いなく、と言うかあからさまにボイスチェンジャーを使っている。
そんなに自身のことを知られたくないの? コイツもコミュ障か!
「まずは一曲聴いてくれ!」
ギターを弾き歌い出したのは貴音大雅。派手なジャケットにツンツン頭。そしてサングラス。
ギターの腕は良さそうだけど、人の言う事を聞きそうにない。
ある意味これもコミュ障かも。
向こうの世界から来てそのまんまなように思えてしまい、試しにアプリの事を聞いてみた。
「そんなもの知らん。俺はこの相棒さえあれば他に何もいらん」
それを聞いた他のメンバーの反応からすると彼らはアプリの事を知っているようだ。
改めて貴音にスマホの事を確認したところ、持っていたはずだがどこかに無くしてしまったとのこと。これはマズいのでは?
そう思いながら自分のアプリを確認してみた。フレンドリストには4人の名前が登録されている。と言うことは、アプリ上のコミュニケーションは上手くいっていると言うことになる。
ならば平気なのかな。暫く様子を見ることにした。
お互いの紹介が終わったところを見計らってイスメアルダ王女がやってきた。
「あなたたちが最後のパーティのようですわ。
もしよろしければ私どもの騎士達と模擬戦などしてみてはいかがでしょう。
勇者様の世界では戦闘行為があまりないと伺いました。
いきなり魔物と戦った場合、何か不測の事態が起きないとは限りせん。
この世界に慣れる意味でもやってみる価値があると思うのです」
イスメアルダ王女の提案を受け、訓練場で模擬戦を行うことにした。
お互い何が出来るかも判らず話し合う時間もなかった。ここは1対1の模擬戦を行い、それぞれの能力がどの程度のものかを知ることで意見を一致させた。
対戦相手は王国第3騎士団隊長のオブルシュ。防具は正規品だが武装は刃を潰してある訓練用の模擬剣と大盾。
さらに治癒術士のカパルが待機している。怪我をしてもすぐに治療出来る体制が整っていた。これなら安心して戦える。
さて、それでは模擬戦を始めよう。まずは自分から。10mほどの距離を開けて対峙する。
あっきー VS オブルシュ
「お前の出番だ。エノクサウルス!」
「GUGYAOOOOO!!」
試合開始の合図と共にエノクサウルスを呼び出す。初めて呼び出され実体化したことにエノクサウルスは喜び大きく吼えた。
突然現れた恐竜にオブルシュは驚くが、すぐ気を取り直してエノクサウルスに対峙する。
エノクサウルスの攻撃力は圧倒的でオブルシュを追い詰める。そこでオブルシュは目標を変えて自分目掛けて走ってきた。こっちの戦略は一つ。相手の攻撃範囲に入らないこと。エノクサウルスを中心としてその周りを回る。
重い鎧の為移動速度が遅いオブルシュはこちらにダメージを与えることが出来ない。
エノクサウルスの強烈なタックルで吹き飛び転倒したオブルシュはそこで降参した。
「この魔獣は何というのでござるか? 凄まじい攻撃力でした。私の鎧がほとんど役に立たなかったでござる。
それにその装備は最低限の防御力と動きやすさを両立しておる。戦いはエノクサウルスに任せて見ているだけで良いのですからそれで良いと思いますぞ。流石勇者様でござるな。
さて、つぎはどなたかな?」
「それでは僕の力を見て下さい」
風巻 豹 VS オブルシュ
「今呼び出せるのはこれだけです」
あっきーとの戦闘で傷ついたオブルシュ。予定では治癒術士のカパルさんが魔法で傷を癒やす予定だったがそれを待たず召喚術を発動した。
「サモン。ユニコーン!」
呼びかけに答え、ゲートから出現したのは純白の一角獣。オブルシュの元へと掛けていき、一声嘶くと角の先をオブルシュに向ける。
柔らかな光がオブルシュを包み、その傷をあっという間に癒やしていく。
光が収まるとユニコーンの姿がぼやけていき消えて無くなった。
僕の力は敵対した魔物を記憶し、それを呼び出して力を発揮する。この世界で一度も戦ったことが無いので当然記憶した魔物なんていない。
なので今呼び出せるのは、最初に会得した1種類だけ。一応攻撃にも使えるけれど、それよりは特殊能力を発動させよう。
「一応攻撃にも使えるんですけど、回復効果の方が良いと思いまして。
これから先、覚えていけば他にも呼び出せるようになりますよ」
その様子を見ていた治癒術士のカパルが驚きの表情を浮かべて走ってきた。
「この回復力は素晴らしいです。あれほどのダメージですと私の魔法では一度にここまで治りません。それに今のは伝説の一角獣、ユニコーンですよ。こんなことで会えるとは思ってもみませんでした」
カパルさんは興奮して僕の手をもって振り回す。その勢いの前に僕はどうして良いのか判らない。
「ユニコーンのキュアオールは状態異常回復、欠損部修復、HP回復大の効果がありますが当然消費MPも多いです。もっといろいろ召喚出来るようにならないと・・・・」
カパルさんは僕の言うことをほとんど聞いていない。興奮冷めやらぬとはこういう事なのだろう。僕はどうすれば良いのか判らずされるがままになっていた。
その状況を救ってくれたのはクラゲリオンことエビスさんだった。
「そうすると次は私かな」
エビス VS オブルシュ
日の光を反射してキラキラ輝く謎のクラゲ。外見のきらびやかさと裏腹に中にいる私はけっこう蒸し暑い。これは着ぐるみならば避けられない宿命。これが普通の着ぐるみならば、だ。
「戦闘支援システム起動。ついでに冷房ON」
頭の中でそう指示する。それに反応し指示通りにシステムが起動した。
着ぐるみの中に爽やかな風が流れ出し蒸し暑さが解消されていく。網膜ディスプレイにはオブルシュの姿に行動予測とステータスが表示される。
この行動予測は的中率80%以上の時に表示され、敵の能力が高くそれに達しないときは表示されない。これが表示されている段階でこちらの支援システムが敵の能力を勝っていると言うことだ。
ちなみに先程までの戦闘でオブルシュを見ていた限りで予測は完璧だった。
ステータスは確認済みなのでそちらは表示をOFF。いろいろ表示させても死角が増えてしまうからだ。
あっきーはスマホアプリで調整したと言っていたが私の場合、必要なことは全てこの着ぐるみがやってくれる。思念コントロールなので余計な操作が不要なことが楽で良い。
おっとオブルシュが近づいてきた。戦闘に集中しよう。
戦いはある意味地味だった。ユックリ歩いて近づくと足を止めて打ち合う。
オブルシュの攻撃は、着ぐるみの厚い部分で受け止める。柔らかくモコモコしたボディが力を吸収しダメージはほとんど無い。
こちらの攻撃は通常攻撃のみを使用。クラゲの触手を鞭のように振り回し、パンチやキック、タックルなどを焦らず確実に当てていく。
暫くしてオブルシュが両手を挙げた。降参の合図。もちろんそれで戦闘終了、支援システムを停止させた。
「先のエノクサウルスは高火力であったが、エビス殿は高防御力でござるな。
それに攻撃に関しては手を抜いていた様子。特別な攻撃があると見たでござる。
さて次なる勇者は。確かキリマン殿であったな」
キリマン VS オブルシュ
[その場から動かないで下さい]
頭上に掲げたカンペにはそう書かれている。オブルシュはどう言いう意味かを考えている。
「なるほど。キリマン殿は武術では無く魔術の使い手とお見受けした。下手に動くと危険と言うことでござるな」
そう言うとオブルシュは剣を納め目を閉じる。精神統一をしているのだろうか。不動の姿勢を保っている。
どんな攻撃をするか迷っていた。さっきのカンペは時間稼ぎでもあった。
現在攻撃方法は一つしか無い。両手を掲げるとその手の間、つまり頭上に直径50cmほどの球体が現れる。これを飛ばして目標にぶつける。それだけだ。
ぶつけるだけなんだけど、そこにバリエーションを加えることが出来たりする。
球体を誘導することで追跡させたり複雑な軌道を描いて飛ばす。球体を細かく分散させれば、威力は落ちるけど複数の目標を攻撃することが可能。球体に地水火風等の属性を加えて属性効果を狙うことだって出来るのだ。
複雑なことをすればするほど消費MPが増えてしまうけど、応用の利くこの攻撃魔法は便利だと自分では思っている。
悩むこと数旬。今回は6個の球体に分散し無属性で攻撃することにした。
球体はいったん10mほどの高さまで打ち上がり、そこで6個に分散。オブルシュの周りを囲むように地面へと落ちた。
ドンドンドドドン!!
着弾と共に衝撃が発生し、土煙が立ち上がる。もちろんオブルシュには当てていない。
土煙が無くなると、オブルシュを囲むように小さなクレーターが6個出来ていた。
「素晴らしい魔法でござった。威力も高く狙いも正確。魔物の中には素早く動くものもいるのでそれに当てられるようになれば怖いものなしでござる」
[たいしたことは無い]
カンペにはそう書いて置いた。
「さて、次が最後でござるな。おや姿が見えぬようでござるが。・・・どちらへ行かれた?」
「貴音様ならあちらにおられます」
イスメアルダ王女がそれに答えると、お城の方へ手先を向けた。
お城のバルコニーに貴族達が集まっているのが見える。少し離れているのでその音は聞き取りにくかったが、どうやら歌を奏でているらしい。
この世界には無い音楽。我々の世界でロックと呼ばれるその音楽はそれを聴いたことがない貴族達には珍しいものであり、貴音のロックは彼らに受け入れられていた。
単独コンサートとなっているそれは、熱狂を作り出していて途中でやめさせるには聞いている貴族達に申し訳ない気がした。
取りあえずあれは放っておこう。パーティ登録は済んでいるから、アプリのマップを開けばどこにいるのかすぐに確認出来る。
「彼は彼のやりたいようにさせましょう。まぁきっと大丈夫です。たぶん」
代表してあっきーがそう答えた。
「それではこの後はどのようにしますか? あの様子ですと本日の出立は難しそうですし、もう一晩休養し、明日からの方針を決めてみてはいかがでしょうか?」
いったん解散し夕食会場に再集合。今度は貴音も一緒。
そして改めてイスメアルダ王女がこう提案してきた。
「他のパーティの皆様にはそれぞれこちらから案内役を付けさせていただきました。皆様にもおつけしたいと思うのですが、どなたがよろしいでしょうか? また、これからの行く先を提案したいと思います」
今のところ予定が空いているのは、オブルシュ、カパル、そしてイスメアルダ王女の三人。その中から誰か一人を案内係として連れていくことが出来る。案内役無しという選択肢もある。
また、イスメアルダ王女が提案してきた当面の目的地は以下の通り。
1.森林都市キシャナ
王都の東。森の向こうにある都市は広大な穀物地域となっている。戦線を維持する為にも食糧は重要だ。
都市との間をつなぐ森の中の街道。この安全が確保することで食糧事情は改善に向かうことだろう。
森の中には獣タイプの魔獣がいる。木々に隠れながら接近し、素早い動きで襲いかかる。森の魔獣は群れを成すことで広範囲な破壊力を生み出すと言う。
2.城塞都市クローム
王都の北。魔王がいると言われているコリベール魔境山脈。そこへ攻め込む橋頭堡となるべき都市。ここの安全を確保出来なくては魔王城への道は開けない重要拠点。
アンデッド系の魔物が数で押し寄せる。強い個体は少ないが破壊しても儀式によって復活してしまう。
復活の儀式を行うアンデッドロードを倒せるかがポイント。
3.港湾都市ケルナンデ
王都をでてすぐ南。そこには巨大な港湾都市がある。今のところ都市の被害は微少。問題は海路にある。海の各所にある島々からの特産品である鉱石、魔石、希少金属などは日々の生活や騎士団の装備向上などに必要不可欠でこれらの流通が滞っている現状をなんとかしなくてはならない。
海路を阻む大型の魔物がいる。海竜やクラーケン、飛魚、飛行する魔鳥など。
そもそも船上での戦いになるのでそれなりの対策が必要となる。
どこも重要な拠点で有り最終的には全てを解決する必要がある。しかし勇者パーティは他にも有り、他のパーティが先に解決してしまう可能性もある。その上でどこに行くか優先順位を付け無くてはならない。
この作品はPBM-RPGです。
リプレイでも通常の小説でもありません。
物語はプレイヤーの手にゆだねられており、
プレイヤーの意思決定により変化し進められていきます。
参加プレイヤーは「あっきー」「風巻豹」「キリマン」「エビストウスケ」「貴音大雅」以上5名となります。
その他の人物はマスターである私が一元的に管理しています。
今回は参加者のお披露目です。次回から魔王討伐の物語が始まることになります。
まずは前哨戦とも言える戦いです。それぞれの能力や個性を活かしながら進めていきたいと思います。