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49/50

49:フリフリは乙女心。

 楓ちゃん、意外と可愛いの好きなんだね。

 手裏剣の時もそうだし、ヒラヒラしたのあっても好きそう。


「それで、二人は防具のほうは大丈夫なのかい?」


 キリルさんのその一言で、私も楓ちゃんもすっかり防具のことを忘れているのに気が付いた。

 うぅん、どうしようかなぁ。

 確かに古いままだと、モンスターの攻撃も痛いしぃ。


「じゃあ今ある手持ちの素材見せてよ。それで何か作れればいいけど、作れないにしても素材を買い取りしてその分で、ね」

「い、いいんでござるか!?」

「圧倒的に素材が足りなかったら、少しはお金も頂くよ」

「ありがとうございます、キリルさん!」


 ホムさんをあと二匹ぐらい錬成したいけど、まずは防具を揃えよう。

 それから次の浮島に行けるようにして、向こうで素材を集めたほうが強い子も錬成できそうだし。

 ポーション用の薬草以外をキリルさんに見せ、一着分の素材はあるってことで楓ちゃんの分をまず作って貰った。

 私の分は楓ちゃんがどうしてもって言うから、二人で割り勘して買うことに。


「ちょっと良い物作ってあげるから、手足はそのまま使いなよ。んで次の浮島でレベル20の素材集めをしながらクエストとかやるといいよ」

「はい! 例えばどんな素材があるといいんですか?」

「そうだね。二人とも軽装だから、動物の皮とか糸系だね。毛皮でもいいよ」

「じゃあ動物タイプのモンスターを重点的にやるでござるな」


 や、やるって……なんだか怖い。


 出来上がった楓ちゃんの装備は、楓ちゃんの希望で全体的に紺色の物に。

 長袖ジャケットと、スリムパンツ。ジャケットの下は白いシャツというシンプルな色合い。

 ジャケットは飾り気も何もなくって可愛さが足りなぁい。

 その装備を持って楓ちゃんは――。


「主殿! ぜ、是非ともこれを忍装束にしてくださらぬか!?」

「え、し、しのびしょうぞく??」

「あははは。スタイルから入る子なんだね〜」


 笑いながらキリルさんは、次の装備作りに取り掛かっている。

 スタイルか〜。

 うん。その気持ちわかる!

 私だって魔法少女っぽい服にしたくって、錬成しなおしたもん。


「うん。お安い御用だよ」


 でもまずは忍装束の検索から。

 わくわくしている楓ちゃんの横で、ネットを駆使して忍装束を検索っと。

 ふむふむ。上着は着物みたいな感じで、下はサルエルパンツみたいなのでいいのね。

 

 あ、でもこれ可愛い♪

 こっちにしようっと。


 袖のない着物のようなデザインにしてぇ――余った袖の分、裾にまわすの♪

 白いシャツは着物の袖や裾を飾るフリルに!

 スリムパンツは思い切ってショートにして、余った布を――そうだ、リボンにして上着の裾からヒラヒラ〜って。

 きっと楓ちゃんも気に入ってくれるはず。


「うん、決まり! じゃあ行くよぉ。レッツ『錬成』!」


 ピカーっと光った錬成陣から出てきたのは、想像した通りの可愛い忍装束になりました〜。

 本当はもう少し青みの強い色だったり、ピンクだったら可愛かったんだけどなぁ。

 もしくは、ここに赤いラインが入れられるように赤色素材があればよかったんだけど。


「はい、楓ちゃん」

「ありがとうでござ――る?」


 できたてほやほやの忍装束を着た楓ちゃん。

 いやぁん、可愛い♪

 でもやっぱりピンクが良かったなぁ。


「ふふ。フリル可愛い。我ながら自画自賛だね」

「おぉー、可愛いくのいちさんだねぇ」


 あれ?

 楓ちゃん、どうしたんだろう。


「――ざる」

「どうしたの、楓ちゃん」

「は……」

「は?」


 クシャミかなぁ?


「恥ずかしいでござるうぅっ!」

「ほえぇっ! で、でも忍者さんって言ったら」

「これはくのいち。女の忍びでござる!」

「……でも楓ちゃん、女の子だし」

「うん、女の子だねぇ。どこからどう見ても女の子」


 キリルさんも納得の一言。

 でも、楓ちゃんは――。


「拙者はカッコイイ忍者になりたいんでござるぅ。男の衣装のほうがいいでござるよぉ」


 と、嫌々しながら豪語する。

 ど、どうしよう……楓ちゃん、きっと好きだろうなぁって思ったんだけど……。


「か、楓ちゃん。錬成し直すから、まっててね」

「あはは。じゃあ楓ちゃんが好きな忍者服を先にミントちゃんへ見せたら?」

「はっ。そ、そうでござる。た、頼んでおきながら、我侭言ってごめんなさい」


 あ、楓ちゃんの素が出てる。

 私もひとりで勝手に作っちゃったのが悪いんだし。錬成は五回まで出来るから平気♪

 回数多い方がスキルのレベルも上がるしね。


 楓ちゃんがネットで見つけてきたイラストを元に再錬成!


「あ、主殿!」

「え、なぁに楓ちゃん」

「え、えと……その……」


 ぼそぼそと私の耳元で呟く楓ちゃんの要望を受け、張り切って二回目錬成に取り掛かりまっす!


「いっくよぉ〜。レッツ再『錬成』」

「ぷはっ。掛け声がバージョナップしてる」

「えへへ」


 キリルさんにつっこまれ、頭をポリポリ掻きながら光が収束していくのを待つ。

 そして出来上がったのは、紺色の半袖法被のような形の上着。袖にフリルはなく、だけど裾には小さめのフリル付き♪

 ズボンはスリムタイプからサルエルパンツに。

 ただし布が足りないので膝上のハーフパンツになりました。


「ズボン、短くなっちゃったけど」

「それは仕方ないでござる。布の総面積は変えられないのでござるから。それにロングブーツなので問題ないでござるよ」

「さりげなくフリル残ってるね」

「はい。それは楓ちゃんの希望だったので」

「ふわっ。あ、主殿、それは内緒でござるよぉ」

「えー、どうしてぇー?」

「なんだ。楓ちゃんも可愛いの、好きなんじゃないか」


 そう言ってキリルさんが笑う。

 楓ちゃんは顔を真っ赤にさせ、それでも完成した忍装束を嬉しそうに着てくれた。

フリフリに憧れた時期が私にもありました。

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