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31:私、番人とご対面!

「え? ホム専用装備が……あった?」

「はい。花冠を作って――」


 GMさんコールを間違えてしたところから、キリルさんに教えて貰ったパワーストーンの錬成までの事をヴェルさんに伝えた。

 いろいろ物知りなヴェルさんもさすがに驚いたみたい。


「クローズドベータでも、ホム用装備の有無を巡って議論はあったけど……製造でもダメだったし、そもそも錬成で装備を――って考えがなかったんだよね」

「え、どうしてですか?」

「うぅん、錬成ってさ――」


 ポーションを作ったり、鉱物の含まれてる石から分離再構築させたり、ホムンクルスさんを作ったり。

 あとは戦闘中に石や土を錬成して、それ自体を攻撃として使ってみたり。

 そういう物だと思われていた――と。


「一つのスキルでいろいろやれるっていったらやれるんだけど、逆にたった一つしかないスキルでこの程度とも言えるんだよね。だから――」


 アルケミストは不人気職になってしまった……と。


「装備を作るのは生産アビリティ持ち――ゲーム慣れしてるが故の思い込みが、実はプレイの妨げになってたのかも。ふむ。ミントちゃんの発想は、純粋で面白いね」

「お、面白いですか?」

「純粋にこうしたい、ああしたいって思いが、アルケミストという職業の能力をフル活用できてるんだ。相性良かったんだね」


 ほえぇ。

 そう言って貰えると、なんだか嬉しいです。


 ヴェルさんのホワイトタイガーさんに乗ってやって来たのは、花畑のあるエリア。

 ここに来たのはラプトルさんの花冠を作り直すため。

 

 リーフ多めに赤い花で冠を編み込んでいき、ラプトルさんの角を挟むような感じで黄色と白の花をそれぞれ二輪ずつ添える。

 出来上がった冠の物量は3。

 お花を少なめにして物量を1か2にしたかったけど、それだと小さな冠しか作れないの。

 

 という事で、ラプトルさん用には『アタックストーン』『ディフェンスストーン』『ライフストーン』、そして『突進ストーン』というのを錬成します!

 突撃ストーンはその名の通り、敵に対して突進すると、たまに相手を失神させられるようになるという効果です。

 ヴェルさん曰く、そういうアビリティがあるんだとか。

 これが完成したら――。


「あ、あの、ヴェルさん」

「ん、なんだい?」

「ほ、本当に私も番人退治に行ってもいいんですか?」

「ん。ラプトルさんよろ」


 ヴェルさんはどこまでもラプトルさんLOVEでした。





「ほえぇぇぇぇっ。なっがぁーい、橋ぃ。向こう側が見えませんよヴェルさん!」

「うん。橋が長いかどうかは知らないけど、基本、浮島から別の浮島は見えない仕様だから」

「ほえ? でも私が落ちた時には他の浮島も見えましたけど」

「うん。私もクローズドで面白半分に落ちた時、見たから分かるよ。それもそういう仕様なんだろう」


 ……ヴェルさんは面白半分で飛び降りる人だったんだ。

 私は普通に羊さんに追いかけられて、気づかずに落ちちゃっただけなんだけど。


 それにしても、橋は見えてるけども番人っぽいモンスターは何処にもいないなぁ。

 というか、ここまでホワイトタイガーさんに乗って走ってくるまでの間に見たモンスターが、レベル17とかで死にそうだったんですけど!?

 そのモンスターだって決して遠くはない所にまだ居るんだけど、もしかしてあれが番人なのかなぁ。


「さぁ、行こうか。ミントちゃんはリボンの届く距離で戦ってね」

「あ、あの、私、『応援』っていうスキル覚えたんです」

「『舞踏』アビ持ってたのかい?」

「はい。ホムさんにも効果があると聞いて」

「なるほどね。じゃあ、応援、お願いしていいかな。MP無くなる前に、座って休んでね」

「はいっ」


 と返事はしたものの、どのモンスターと戦うんだろう。

 レベル17のモンスターは少し離れた後ろの方に居る。

 ヴェルさんが進んでいくのは橋のほう……。

 やっぱり、橋の上なのかな?


 そう思った矢先。

 橋まであと十メートルぐらいだって距離で、突然地鳴りが始まった。

 視界がグラグラ揺れている。


「ホムだして! 来るよっ」

「は、はい。『コールホムンクルス』ラプトルさん、モルさん!」


 二匹がエンブリオから解放されると同時に、橋の手前に大きな影が舞い降りた。

 大きな影の正体はイノシシさん。

 私よりもヴェルさんよりも大きなイノシシさんは、テレビで見るような焦げ茶色ではなく、ちょっと紫がかった色をしている。


〔ブフーッ〕


 明らかに臨戦態勢、だよね。


「HPが5%減る度に『猪突猛進』っていう、まぁ文字通りの突進攻撃をしてくるから気を付けて。まっすぐ一直線にしか進まないから、奴の体の向きを確認して逃げれば躱せるからね」

「ほぇっ」


 HPが減ると?

 じ、じゃあそれまでは何もしないって事なのかなぁ。

 なんて淡い期待は無駄でした。

 目の前で戦闘を始めたヴェルさんに向かって大きな牙を振り下ろすイノシシさん。

 うん。普通の攻撃もするんだね。


「ミントちゃんは後方で支援。届くようならリボンで攻撃も」

「は、はい! ラプトルさん、ヴェルさんと一緒に戦って。モルさんは魔法ね」

〔あぎゃ〕

〔もるる〕


 私は……。


 リボンを右手に持ち、体で覚えたダンスを踊りはじめる。

 ステップを踏んで、くるりと回転し、一瞬止まるそのタイミングを見計らってリボンをしならせる。

 的になる番人のイノシシが大きいから、当てるのは簡単ね。

 ただ……。


 ピシッという乾いた音とともに上るダメージエフェクトは、1……でした。


 うわぁぁん。イノシシさん硬すぎだよぉ。

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