30:私、ボタン作ります!
ホムさん用装備に効果が付きました!
これでみんなをパワーアップさせてあげられるね♪
ただ注意しないといけない事もあるの。
クミさん。
鑑定で見られるステータスには『攻撃力』としか書かれていないんだけど、実は『魔法攻撃力』だった。
『アタックストーン』は物理攻撃力を+5するもの。
なのでこのクミさんの場合、『マジックアタックストーン』じゃないと、攻撃力は上がらなかった。
ということで――。
モルさんには『アタックストーン』『ディフェンスストーン』と『ライフストーン』『マナストーン』『ガードストーン』『麻痺ストーン』を。
ライフはHPを50増やせるストーンで、マナがMPを50増やせるストーン。
ガードは時々物理ダメージを半減するかも? みたいな低確率の効果を持つストーン。麻痺はモルさんの突進みたいに、時々相手を麻痺させるよという効果。
他に思いつくものが無かったので、とりあえずこんな感じに。
ワンワン王くんには『アタックストーン』『ディフェンスストーン』『ライフストーン』『ガードストーン』です。
クミさんは『ディフェンスストーン』『マジックアタックストーン』『ライフストーン』『マナストーン』『エアストーン』『ガードストーン』になりました。
エアストーンっていうのが、風属性攻撃の攻撃力が上がるというもので、マジックアタックとの合わせ効果です。
「キリルさん、いろいろ教えてくれてありがとうございます」
「うん。面白い物見れたからいいよ。製造で作るアクセも、ホムンクルスに装備させれるのかな? これ、ちょっと試してくれないかな」
「これ、ですか?」
それはネックレス。
赤い宝石がはめ込まれた、とぉっても綺麗なもの。
じゃあクミさんにでも――そう思ってクミさんの首に掛けてあげようとしたけど……。
「プレイヤー専用装備ですっていうメッセージが出て、ダメっぽいです」
「うぅん。アルケミスト……か、主人の手作りじゃないとダメなのかなぁ。うん、ありがとう。なかなか面白い検証だったよ」
「こちらこそ、ありがとうございます。いろいろ教えて頂いたお礼に、さっき言ってたボタンを――」
「おっ。錬成してくれるのかい?」
なら――ってことで二階に降りて、お店に売っているボタンやリボンを実際に見てみた。
うぅん。
イモイモムーさんの『丈夫な糸』で、私の武器のリボンが作れるぐらいだしなぁ。
買わなくてもドロップアイテムで作れたりするんじゃないかと。
それにボタンも。
カラフルなボタンはあるけれど、木目が生きるデフォルトのボタンは無いんだよねぇ。
全部丸い形だし。
そういえば切り株のお化けさんから……あった!
薪木でボタン、錬成できないかなぁ。
錬成陣用紙の上に、まずは『丈夫な糸』を十個置きます。
色は白しかないけど、両サイドをレース仕立てにしたようなリボンなんてどう?
「レッツ『錬成!』」
光から生まれたリボンは、私のイメージ通りの品に。
「うぉっ。可愛いの出来てるっ」
「次、行きます。レッツ『錬成』」
木目のシンプルなボタンをまずイメージして――薪木十本――が、
「ほえぇぇっ。ボ、ボタン、いっぱい出来ちゃった」
「おおぉぉ」
「おおおおぅ」
「すっげーっ」
「ほえ?」
「「そのボタン、売って!」」
ほええぇぇぇぇっ!
いつの間にやら知らない人がたくさん集まって来てるぅ。
薪木十本から錬成したボタンは、なんと百個。
集まった人の中でこうなった理由に心当たりのある人が居ました。
「ボタンってNPC売りでも十個セットなんだよな。たぶん、物量が0.1なんじゃなかろうか」
製造するときは一個だろうと十個だろうと、好きな数で使用できるんだとか。
その時の物量は四捨五入され、四個までなら実質物量0。五個以上であれば1にカウントされている――と。
「だから物量1の薪木から十個のボタンが作れたんだろう。ってことで、売って欲しい」
「俺も俺も」
「私にもお願い〜」
ほ、ほえぇぇぇ。
薪木は残り十五本しかないんですぅ。
「じゃあ、木材は自前で出すよ」
「あ、私も木工アビ持ってるから出せるわ」
「俺もだ」
「ボクも」
「うちも」
……ほえぇぇぇぇぇぇっ。
ボタンとリボンを大量に錬成しました。
ある程度まとめて錬成できるからいいけど、それでも疲れたぁ。
でも代わりにいい事もあったんだよね。
「ポーション屋、やってたでしょ君。俺、調合取ってないから要らない薬草上げるよ。ドロップ品だから数はないけど」
「あ、じゃあ私も。錬成の手数料だと思って受け取って」
そんな感じで、錬成陣用紙代5Rを頂きつつ、更に手数料代わりに貰った薬草――全部で三百五十枚。
アルケミスト協会で錬成陣用紙と空瓶を補充して、薬草は全部ポーションになりました♪
「さぁって、ラプトルさんの花冠、作りに行くぞぉ〜」
町の外まで走って行ってダチョウさんでさっきのお花畑に――そう思って中央通りを駆けていく。
すると、私もお世話になった事のある教会前で見慣れたなんちゃってエルフ耳の女の人を見つけた。
彼女はすごくその……。
「ほえぇぇぇっ。ヴェ、ヴェルさんどうしたんですかその真っ赤なHPバー!?」
「おや? ミントちゃんじゃないか。やぁ」
ピっと指を立てて、まるでイケメンさんのように挨拶をするヴェルさんですが……HP真っ赤だよぉ。
つまり瀕死状態ってこと!?
ううん。教会の前だもん。
もしかして死に戻りかなぁ?
「いやぁ、昨日話した番人と戦ってきたんだけど、ソロだと厳しいねぇ。ポーションも無くなっちゃったし――あ」
「ありますよ、ポーション。七百本以上!」
「おおぉぉぉっ。じゃあ、行こう!」
「ほえ?」
ヴェルさんは立ち上がり、私に向かって右手を差し出す。
「番人を倒しに!」
ほ……ほえええぇぇぇぇっ!?




