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19:私、石拾いしてます!

 エンブリオを買わず、錬成陣用紙と空のポーション瓶を七十個ずつ仕入れてヴェルさんとお出かけ。

 町を出るとヴェルさんがアイテムボックスから箱を一つ、取り出した。


「これ、消耗品の騎乗用ペットなんだよ」

「騎乗用?」


 こくりと頷いたヴェルさんが箱を開けると、そこから飛び出したのは白い虎さん!?

 え、こんな大きな子がどうやって箱にぃ!?


「さぁミントちゃん、乗って」

「え、は、はひっ」


 ヴェルさんの後ろに跨ると、直ぐに虎さんは駆け出した。

 草原を駆ける虎さんは、兎さんも芋虫さんも、子犬さんもバッタさんも全部無視!

 あっという間に町も見えなくなるとヴェルさんの一声で急停止。


「この辺で狩りするから。君はラプトルさんとモルさんを出してね」

「はいっ。『コールホムンクルス』」


 この辺りのモンスターはレベルが13。

 正直、生きている心地がしませんです。


「さぁ、ラプトルさん! 私と一緒に戦おう!」


 ヴェルさんの掛け声に無反応なラプトルさん。

 するとヴェルさんが潤んだ目で私を見つめる。


「ラプトルさん、ヴェルさんと一緒に頑張って」

〔くけけけけけっ〕


 タタタタタっとヴェルさんに駆け寄るラプトルさん。

 そのラプトルさんを両手を広げて迎えるヴェルさんだけど、その脇をするっとすり抜けられている。


「いけずぅ」

〔あぎゃ〕


 そしてモルさんがもきゅっと魔法を使って攻撃支援。

 私は――


「『採取』っと――」


 薬草採取に励みます!

 ヴェルさんのポーションが無くなったら、その場で錬成できるようにね。


 今来てるのは草原を横断するように流れてる小川の近く。

 蟹さんや巻貝のモンスターが、何もしなくても襲ってくるので怖い。

 でも、ヴェルさんもラプトルさんも居るから大丈夫!

 もしモンスターに襲われそうになったら――


「ほえぇっ、き、来たぁ! えぇいっ」


 リボンを唸らせ巻貝をぐるぐる巻きぃ〜。

 そうして動きを止めている間にラプトルさんが走ってきて巻貝を倒してくれる。


「ラプトルさん、つよぉ〜い」

〔くくくくるぅ〕

「攻撃型のホムは実際のレベルよりプラス2の戦闘職と同程度の攻撃力があるからねぇ」

「ほえぇぇっ。ラ、ラプトルさんのレベルって……『鑑定』」



【ホムンクル:ラプトルさん / LV5】

 HP:700 / MP:140

 攻撃力:261+15 / 防御力:115



 あ、ラプトルさんにもSTRとかVITみたいなステータスが無いんだ。

 モルさんの支援魔法で攻撃力がプラスされてるのね。


「ラプトルさんの攻撃力、261+15ってなってます。レベルは5」

「ほむ。私の攻撃力が武器ありで352。私とのレベル差は8あるのを考えても、やっぱり高いよ」


 ふおぉぉ、ラプトルさん優秀ぅ。


〔もるっ〕

「え、モルさんも? じゃあ『鑑定』」



【ホムンクルス:モルさん / LV5】

 HP:720 / MP:320

 攻撃力:70 / 防御力:90

 スキル『もっきゅもきゅ:LV3』:STR+3



 ス、スキル名が可愛いぃ〜!

 意外にモルさん、ラプトルさんよりHP高いんだ。へぇ〜。


「そうだ。ミントちゃん」

「あ、はいっ。ポーションですか?」

「いや、ラプトルさんとの共闘だから、殲滅早くなって被ダメも少ないからまだいいよ。それよりさ、アビリティのレベル上げしてなよ」

「アビリティの?」

「そ、『鑑定』のね。ついでにお金も稼げるよ。その辺に落ちてる石を鑑定してごらん」


 石……川の傍なので石ならたっくさん落ちてます。

 一つ拾って『鑑定』。



【ただの石】



「ただの石ですけど?」

「うん。そのうちただの石じゃないのが見つかるから、根気よくやってごらん。あんまり離れると危ないからね」

「はぁ〜い」

〔あが〕

「ラプトルさんが着いててくれるので大丈夫です」


 私の傍にやってきたラプトルさんを、未練たっぷりな目で見つめているヴェルさん。

 凄い。

 視線はラプトルさんに向けたまま、襲ってくる蟹さんモンスターを鉄扇でなぎ倒してる……。


 私はというと、石を鑑定しながら巻貝や蟹さんをリボンでぐるぐる。

 動けなくなったモンスターをラプトルさんが爪で蹴り上げ、尻尾でひっぱたき倒していく。

 モルさんも体当たり攻撃でサポート♪


 何度目かの鑑定でついに――。



【銅を含んだ石】



「なんか出ました! 銅を含んだ石っていうのを見つけました!」

「お、出たねぇ。それをもう一つ見つけて二つを錬成するとね、ただの石と銅に分解することが出来るよ」


 ほえぇぇ。

 銅ってことは、武器や鎧の材料になったり?

 よぉし、見つけるぞぉ。


 採取と鑑定、そして時々戦闘。

 ヴェルさんの近くで私とホムンクルスさんたちが戦い、もしもの時はヴェルさんが助けに来てくれる。

 どうしてこんな事になったのかというと――。


「お金がもうないんだけどさ、ポーションはまだまだ欲しいんだよね。だから、ドロップ品の錬成素材を譲るから、現地で物々交換錬成してくれないかな?」


 錬成素材は涎が出るほど欲しいです!

 錬成に使わない分は売ってお金にして、それでエンブリオを買う!


 一石二鳥なのです。


 それに――。


〔あぎゃ〕

〔もるぅ〕

「レベル上がったぁ〜♪」

「おめ〜」


 ここに来て一時間もしないうちに、レベルは四つも上がりました!

 一石三鳥です〜。

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