11:私、武器を強くしました!
散々迷ってからようやくナビ機能を思い出した私は、息を切らせながらアルケミスト協会へと戻って来た。
相変わらず他のアルケミストさんは……居なさそう。
さっきのお兄さんが言うように、素材の多い地方を選択した人ばかりなのかなぁ。
でも大混雑した協会じゃないほうが、ゆっくりできるしいいよね。
二階に駆け上がり協会員のお兄さんの所に行ってエンブリオを一つ購入。
「エンブリオの物量は10だよ。ホムンクルスにする為には、モンスターと同じ物量にする必要がある。鑑定をして、どのサイズのモンスターを参考にするか決めるといい」
「ほえぇ〜。兎さんは25だったかなぁ」
でも兎さんって、私の膝上ぐらいのサイズだったし……ちょっと小さいかなぁ。
「最初から強いホムンクルスを作ろうとは思わない事だ。強いホムンクルスの素材を落とすモンスターも、また強いからな」
うぐぅ。やっぱりそうなりますか。
じゃあ兎さんぐらいのをイメージして錬成するしかないのかなぁ。
でもその前に、物量あと15分の素材を集めなきゃ。
その為に結局自分で戦わなきゃダメなのね。
うぅん。
だったら……武器を強くする?
リボン・ウィップの説明からして、物凄く弱そうだし。
賢者の石……ううん。勿体無い。まだまだ大事に取っておこう。
他に今、錬成で使えそうなアイテムは――。
アイテムボックスと睨めっこした結果、私は一つの可能性を見出した。
「やってみる、かな。レッツ『錬成』」
〔ギュイッ〕
「くぅ〜、負けないもんっ」
町の外に出て少し歩くと、さっきの兎さんと再びご対面。
どうやら兎さんから攻撃はしてこないらしく、先にリボンでぐるぐる巻きにしてみた。
逃げようと――もしくは反撃しようとじたばたもがく兎さん。
その兎さんには、ぐるぐる巻きした時からずっと、1のダメージが続いている。
たったの1ダメージだけど、これが一秒ごとに発生しているのだ。
「ふふふぅ〜。リボン・ウィップは『毒草』と錬成して『ポイズンリボン・ウィップ』に進化したのです!」
〔ギッギィ〕
持続ダメージに加え、兎さんの自爆ダメージでさっきよりもだいぶん早く倒せるようになった。
さくさく……とまでは行かないけど、毛皮が集まるまでは頑張ろう。
出来れば角とか牙も欲しいなぁ。
でもこの兎さんに角は無いし、牙だって……
〔モォイィ〕
「ほえぇっ!? い、芋虫ぃ」
しかもすっごい大きいぃ。
これ絶対モンスターだよねっ。
た、戦わなきゃ。
草の上をもそもそ移動する芋虫さんにリボンを伸ばしてぐるぐる巻きっ。
あ、ついでだから――
「『鑑定』っと」
【イモイモムー:LV2】
移動速度が遅く。初心者でも手軽に倒せるモンスター。
時々口から吐き出す糸には要注意。
物量25
芋虫としては大きいけど、兎さんと比べると同じぐらいの大きさだもんね。同じ物量なのは納得。
それにしても、口から糸かぁ。
「それってコレの事なのかな……」
リボンでぐるぐる巻きになっているイモイモムーさんは、報復とばかり私に向かって糸を吐いている。
そしてぐるぐる巻きにされている私。
うぐぅ……お互いぐるぐる巻きでこの戦い、どうなっちゃうのぉ〜っ。
と思ったけど、勝利の女神は私に微笑んでくれたとでぇす。
イモイモムーさんの糸は数秒で消えちゃったし、こっちのリボンには毒が染み込んでいるのでイモイモムーさんには持続ダメージが。
やがて七色に光ったイモイモムーさんは消え、同時に私の足元に白い魔法陣が。
「やったぁ〜、お星さまだぁ〜♪」
これでレベル3。
えっと、アビリティポイントは『鞭』に振って……これで鞭の攻撃力上がるかなぁ。
あれ?
そういえばレベル2になったとき、新しいスキルの選択肢とか出てなかったような。
それとも自分で操作しなきゃいけなかったのかな?
ステータスを確認すると『錬成』のレベルが4に上がってる!
嬉しい♪
じゃなくって、スキルは『錬成』一つっきり。
スキルポイントっていうのが2ポイントになってるけど、新しいスキルは……ないのかなぁ。
あ、そうか。
私、レベル2になるまで全然戦闘してなかったし、スキルはそれまでの戦闘データを元に候補から選べるってあったから。
だからきっと、戦闘をしていなかった私には、新しいスキルが出てこなかったんだ。
よぉし、次のレベル4まで頑張るぞぉ〜。
イモイモムーさんとパンクウサギさんをぐるぐる巻きにしてやっとレベル4になった私。
お星さま可愛いぃ〜とか思いつつ、ステータス画面を確認。
「う、うぅん。スキルポイントは増えたけど、スキルは増えないし選択肢も出ないし。どういうことなんだろう?」




