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10/50

10:私、ポーション売りしました!

「錬成陣用紙は一枚5R。空のポーション瓶は10R。水はその辺の井戸からお好きなだけ汲み上げてください」

「ただなんですか!?」


 アルケミスト協会に戻って来た私は、まず錬成材料を購入する事にした。

 お水がタダなのかという質問に、販売NPCさんが頷く。


「川の水でも錬成が可能ですので。ただ濁った水ですと、失敗する可能性がぐんと上がりますよ」


 なんと!?

 じゃあ、お外で錬成するときは、川の近くでやればいいんだね。

 お得情報♪


 それからホムンクルスについて尋ねてみた。

 ホムンクルスについてはまた別のNPCさんが答えてくれるというので、建物の二階に上がっていく。

 それにしても、他のアルケミストさん見ないなぁ。

 私が外に出てる間に来ちゃったのかなぁ。


 階段を上がっても、そこに他のアルケミストさんの姿は無い。

 見えるのは男女の違いしかない、同じ服の協会員NPCさんばかり。

 一階で教えて貰った、ホムンクルス専門のNPCさんは……と、居た。


「ようこそ、ホムンクルスについてお聞きしたいとか?」

「あ、はい。その……錬成するには必要な素材を集めないといけないんですよね? 毛皮とか牙とか爪とか肉とか血……うぐぅ」


 ちょっとグロテスクな物を想像してしまった。

 両手を顔を覆い、想像を吹き飛ばそうと首を振るう。

 そんな私を見てNPCさんが笑った。


「はっはっは。確かに素材は必要だけどね、肉とか血は必要ないんだよ。代わりにこれ――」


 そう言って彼――NPCさんは懐から丸い物を取り出した。

 なんだがぐねぐねした何かが入ってるみたい。


「これはエンブリオと言ってね、ホムンクルスの核となる素材だ。これとあとは、ホムンクルスに必要な物量までの素材とを錬成すれば――」

「すればぁ?」

「まぁ素材の相性や良しあしもあるからね、簡単には成功しないだろうが。何度か挑戦すれば君のイメージとぴったりの物が生まれる、かもしれない」


 かも、かぁ。

 で、このエンブリオも売り物で、一つ500Rもするの!?


 ど、どうしよう。

 一階で瓶と用紙を二十五個ずつ買っちゃったから、残り212Rしかないよぉ。


「お金が足りないのかい? だったら錬成したポーションを売り出せば、25Rぐらいで売れるだろう」

「え、そうなんですか?」

「雑貨屋での値段だからね、それと同じかもう少し安くすればすぐさ」


 うわぁ〜い。

 あ、でもお店、持ってないしなぁ。

 マッチ売りみたいに、道端で売ってみるかなぁ。






 町をあちこち歩きまわり、人がたくさん居る場所へとやってきました!

 マップを見てみると、町の真ん中を上下に伸びてる広い道みたいだね。

 ふむふむ。きっとメイン通りなんだろうな。


 じゃあさっそく――。


「あ、あのぉ、ポーション買って頂けませんかぁ」


 うぐぅ、やっぱりちょっと恥ずかしい。

 声も全然小さいし、こんなんじゃ誰も買ってくれな――。


「ポーション、売ってくれるの?」

「はひっ」


 と思ったら買ってくれそうな人来ちゃった!

 声の方に振り向くと、皮の鎧を着た男の人が立っていた。

 戦士っぽい人だなぁ。

 うん、戦士さんはポーション必要だよね。


「は、はいっ。お金を素材に使いきっちゃって、他に欲しい物が買えなくなったので、それで」

「ははは、そうなんだ。じゃあ魔女っ娘さんの為にいっぱい買っちゃおうかな。といいたいけど、こっちも所持金が少ないからね、十五本くださいな」

「はいっ、ありがとうございます」


 嬉しい。こんなにすぐに買い手が見つかるなんて。

 アイテムボックスを開きポーションを……ポー、ション……。


「ふえぇっ、ポーションが無い!」

「ちょ、どうなってんの」


 ど、どうしよう……。

 あ、


「すみません。まだ錬成してないだけでした」

「錬成? 君、アルケミストなの?」

「あ、はい。すぐに錬成しますね」


 その場に錬成陣用紙を敷き、空のポーション瓶一五本と薬草一五枚……あ、お水どうしよう。

 あ、直ぐ近くに井戸発見っ。


「す、すみません。お水汲んできますっ。待っててください。お願いしますぅ〜」


 そう言って井戸まで走っていき、備え付けのバケツを使って水を汲み上げた。

 う、うぅ〜ん。重いぃ。


「手伝うよ。それにしてもアルケミストだったとはねぇ」

「ありがとうございます。アルケミストって、もしかして珍しいんですか?」


 協会で他のアルケミストさんを見かけなかったから、もしかして……とは思ったんだけど。


「まぁね。しかもこのエリアは尚更だよ」

「この? あぁ、草原のファネスがですか?」


 ポーションを買ってくれるというお兄さんは、わざわざ水汲みまで手伝ってくれて、その上お話までしてくれた。


「エリアによって獲得できる素材の種類や数が違うんだよ。森なら木材系や皮系。もちろん草も豊富さ。ここは薬草系。動物型モンスターもいるけど、森に比べると絶対数が少ない。山に囲まれたオアだと鉱石。皮はここと変わらないぐらいかな。砂漠は一攫千金を夢見るプレイヤー向けだね。ただし熟練者向けでもある」

「ほえぇ〜」

「アルケミストに限らず、生産組だとオアに向かう人が多いんだよ。次点で森のフォセーリア。その次がここ。ただねぇ」


 そう言ってお兄さんは苦笑いを浮かべる。


「アルケミストって、ダントツで不人気職だから」


 ……え、そう、だったの?


「だってほら、戦闘も生産も出来るハイブリット職だと言ってもさ、武器の制限が厳しいからねぇ」

「はぁ」

「攻撃力の高い武器は戦士系職業限定ってのが多いし、何よりアルケミは職業スキルは……ねぇ」


 ほえぇぇ。

 じゃあ、弱い武器しか使えないってことなんだぁ。


「だからパーティーでも不遇職だし、誰も組みたがらな……あぁ、でも君みたいな可愛い魔女っ娘さんだったら――」

「よし、レッツ錬成!」


 別にパーティーで不遇でもいいんです!

 だって、他の人とパーティーを組まなくてもいいようにって、アルケミストを選んだんだから♪

 でも確かに弱い武器での冒険は苦労しそうかも。

 私が弱いなら、強いホムンクルスさんを錬成すればいい。

 うん、解決ぅ。


「ポーション一五本、完成!」

「あ、あぁ、ありがとう。一本いくら?」


 うぐ、値段の事、考えてなかった。


「相場は24Rだけど」


 とお兄さん。

 雑貨屋さんと比べて1R安いだけなのね。

 お水汲みのお手伝いもしてもらったし、アルケミストさんが少ない理由も教えて貰ったし。


「じゃあ22Rでお願いします」

「オケ。良心的な値段だね。こっちも助かるよ」


 お兄さんから取引要請というのが送られてきて私はポーションを一五本、取引画面に載せる。

 向こうは330Rを入金して取引完了っと。


「ありがとうございました」

「こっちこそ。それで、パーティーを――」

「じゃあ私、欲しかったもの買いに行ってきます」


 所持金667R!

 これでエンブリオを買えるよぉ〜。

 駆け出して暫くして、ナビ機能を使ってなかった事を思い出す。

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