初戦闘だ!
よし、状況を整理しよう。
まず、私は異世界転生を無事(?)はたした。
確認できる限り、さっきのような化物がいるらしい。
うん。とりあえずあの化物は魔物とでも呼ぼう。
しかし魔法みたいなのがあるかは、わからない。
次に私自身は姿が変わってしまっている。
多分、これは憑依というヤツにあたるのかな?
しかし本人の記憶が無い。残念。
年はほぼ同じっぽい。
そして最後だがこれは実際にやってみよう。
という訳で、私はあの言葉を言おうと思う。
そう。数多くのラノベで使われてきた言葉を!
「ステータス!」
『しーん。』そうとしか言えないような雰囲気が流れた。
だ、だめだ。楠木 祐ここで諦めてしまえば只の痛々しい人じゃないか!
腹を括るぞ。
「ステータス開示!」
「メニュー!」
「スキル一覧開示!」
や、ヤバイ傷口が広がっていく。何か無いのか。
くっ、このままでは確実に残る!(黒歴史に)
はっまだあるじゃないか。
「『スキルボード』」
そう言った瞬間、私の目の前に半透明の板が現れる。
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名前: クスノキ ユウ
❮スキル❯
拡張Lv1 体術Lv1
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終わった。いろいろと。
ひとーつ、スキル少なすぎぃ。ご都合主義さん仕事してー。
ふたーつ、スキル弱すぎぃ。すべてLv1じゃ無いですかやだー。
しかし、学校の体育の授業に感謝だなぁ。おかげでスキル
がひとつ増えたよ。Lv1だけど。Lv1だけど!!
『ゴソッ、』
物音が背後からして慌てて振り返るとやはりというべきか
ヤツがいた。あの化物、魔物だ。
だが、一つわかったことがある。それは
アイツからは絶対に逃げられない理由は簡単。
ほとんど全力ではしってスタミナ切れかけるくらい走っても
追い付かれた。つまり、ここで倒さなければまじで終わり。
冗談抜きで。
あれ、でもちょっと待って私の戦闘系スキルって武術だけだよね。
あ、これ詰みのパターン?
ヤバイ、ヤバイ冷や汗出てきた。
でも相手は殺気ビンビンだしどうするよ。
とか、考えていたら飛び掛かってきたし!
こうなれば自棄だ!
私の正拳突きをくらえー。
あ、タイミング間違えた。
うん。そうだよね相手が跳んだ時にパンチしても空ぶるよね。
そうして、私に走馬灯が流れた。
と思ったら、腕を伸ばしきった瞬間目の前
の3m近く離れた化物がいきなり吹っ飛んだ。
え、何が起こったの?
私、フリーズ。
腕、伸ばす。
相手、ぶっ飛ぶ。
うん。意味がわかんない。えっと、えっとあ、スキル『拡張』だ。
多分、推測だけど私の拳の射程を『拡張』したんだと思う。
っと、まだあの化物は生きていたようだ。
よろよろと起き上がり、わたしを射殺さんばかりに睨みつけてきた。
私は、ヘイヘイ、おまえ何て怖くないぜ
とばかりに構えていた。
そして次の瞬間には奴は目の前にいた。
そう、私は失念していた。スキルを使えるのは私だけじゃないって。
振り下ろされる爪。あ、これアウトじゃない?
死ぬじゃん。・・・何て諦めてたまるかー!
そう思った私の行動はメチャクチャ速くなった。
まず、バックステップしながら体をよじる!
次に爪を回避して、拳を当たる範囲が大きくなるように拡張。
そのままの勢いで裏拳をぶつける。
結果、相手は死ぬ。
なんて、簡単にまとめてもいいんだけど、詳しく説明すると、
相手の顔が千切れ跳んだ。以上!
というか、まじで倒せちゃったよ。
もうさっそく嫌になってきたよ。異世界転生。
初戦がスライムじゃなくて中堅レベルのモンスターってどうよ。
ブレイヤーの心を折るには十分だぞ。
流石に疲れた。でもここで休むのは避けたほうがいいだろうな。
水辺だし、死体もあるし。
とりあえず、ここから移動しよ。
あ、ちなみに魔物の死体は放置です。
食べられるかも分からないしね。
連日投稿・・だと!
まさか自分では無いのだろうか。