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星が蒼いと知っていたから  作者: マローン
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第1話 序章

現代から異世界へ………。


ではなく


物語が異世界から始まって、

更に奥深く異世界へ移動。


そんな物語の序章に触れてください。



魔術は人を殺すためにあるものじゃない。

平等な富をもたらす幸福の唄だ。


これが最後の言葉だった。


国王、そして俺の師は息を引き取った。

立派な魔術師で人を惹きつける力のある師の姿を、俺はいつも追ってきた。


国王が死んだのを境に俺の国と、連合の小国が戦争を始めた。


「被害が広がる前に火を消せ!!」


「もっと魔法陣を生成しろ!」


「ああ…終わりだ」


たくさんの人々の怒声や、この世の全てを失ったかのように嘆く女の声、生まれたばかりの赤ん坊の不快を訴える泣き声。

俺は激しい炎と、それらの声でここを地獄だと認識してしまう。


だが俺は地獄を見に城から出たわけではない。

今すぐにでも魔法で苦しむを人々を救わなければならない。この争いを一刻も早く終わらせる。


身体を宙に浮かせ、炎の光でいつもより少し明るい夜空をめがけて加速する。

攻めてくる敵兵、俺はそこに爆発系の魔法を打ち込みたいと思ってしまうが、国王の言葉を思い出す。

まだ魔法で敵を傷つけずに拘束するという魔法はこれしか知らないがーーーーーー


命名by自分。拘束用魔術、シャドウ・プリズン


ネーミングセンスなど相手がどうこう思うかの問題ではない。俺がどう思うかなのだ。

俺はこれでいいと思っている。


闇系の魔法。このシャドウ・プリズンで、攻めてきている百人隊をしっかり拘束した。


この魔法は拘束するだけでなく、この檻には対魔術用の防御壁が貼ってあるため 国王の教えを俺は忘れてはいない。


戦火の中、俺はひたすらにこれを繰り返し続けた。

敵兵の火の玉が自分の髪の毛を焦がしたくらいの、俺にとっては何の意味ももたないダメージを受けたことが、一応今回の反省点だ。


城の兵士が警戒態勢をとっているのを見て、髪の毛が焦げたのを気にしながら城へ戻る。

そんな中、ただ一人 俺を憎むように睨む兵士が目に入る。そして彼は敵兵ではなく、俺の国の将軍だったのだ。


辺りは いつも通りの夜のとばりと、夜の静けさを失った いつも通りではない場所となっていた。

三時間ほどにわたる戦争は幕を閉じた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


俺は昨夜の戦いの夢を見ていた。

争いは初めてでは無かったが、本当に悲しい。

そんな夢のせいで、嫌な気分で起きる朝。

しかし、いつも通りの城の枠組みが目に映る。

そして物騒な槍も目に映る。


……。俺はこの槍に身に覚えがない。

首を傾けると、そこには自国の兵士がいた。

城兵ではないのが驚きだった。

いや、もっと驚ろくべきところはあるけれども。


「おはようございます、とても清々しい朝です。皇族のノーコン魔術師のミキ様。」


女性らしい規律正しい格好と、大きくて鋭い目の持ち主。俺の幼少期からの知り合いで、最近兵士長になったらしい。


「いや、清々しくないです。おはようございます。

兵士長ミエラ殿が朝から何のようですか?」


俺は いきなりの出来事によって脳の回転が追いついていなかったが、寝ぼけた状態で そう答えると、彼女は深刻そうな顔になった。


「……。何か将軍の気に触ることをしたか?」


少しは予想していた話題だった。


「……。身に覚えはないな。」


「将軍がキミ、お前を呼んでいた。相当ご乱心だったぞ?」


「……。あいつとは昔から波長が合わねえんだよ。

多分の昨夜の俺の戦い方が気に入らなかったんだろうな。」


「私も今は亡き国王の考えには賛同する。しかし、将軍はお前を…、その、処刑すると言っていたんだ。」


俺は愕然とした。将軍に反発はしたものの、処刑まで考えさせてしまっていたとは思っていなかった。


「処刑。お前はそれを先に伝えにきてくれたってことか?それとも……。」


俺は目の前にいる、この幼馴染を疑ってしまった。


「まったく……私はお前に借りがあるだろう。忘れたのか?」


彼女は俺に微笑みながらそう言った。


鋭い目から巧みに繰り出される優しい笑顔は、昔から好きだった。彼女の表情で俺の心に安堵が生まれた。


「私に策がある。ヒマティーを覚えているだろう。あの魔法研究の。」


「あぁ。よくヒマティーとミエラの三人で遊んだな。」


「いや、そういうのはいい。で、彼が自分のラボで強制転移魔法陣を発明したらしい。ここだけの秘密だ。」


「あいつの夢が叶ったってことか!?」


「いや、そういう話はしていない。」


彼女の真面目さが俺をえぐる。


「とにかくだ。ヒマティーのラボで待っている。将軍は今にも動き始める。早くした方がいい。」


俺はコッソリと出て行くミエラを遠目に見ながら、今の状況を把握し、城を出る準備をした。

ラボは城下町のはずれにある。

できるだけ目立ちたくないので、徒歩で向かった。



小一時間ほど歩くと、ひっそりと木造の研究所が路地裏に見えた。

そしてそこにはミエラだけでなく、武装した兵士の姿があった。


第1話ではこれだけですが、今後の構成としては、国王に従ってきた将軍の野望が暴走して、主人公は苦戦します。


これから話数を重ねていくにつれてわかりますが、僕の作品は 普通の異世界系ではなく、

「異世界から始まって、さらに異世界移動。」


これが小説家さんたちに、どこまで通用するかはわからないですけど、初心者なりに食らいついていくつもりです。


ここまで見てくださった方、途中で飽きてしまわれた方、知ってくださいました方、ありがとうございます。

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