プロローグ
新連載 一番書きたかった物語です
「レディース、エ~ン、ジェントルメーン!」
真っ暗な劇場、観客は俺だけだというのに壇上に上がった少女は叫ぶ。
「うん、その通りだがね?こう言うのって形からやるべきだろう?」
そうか?
「そうともさ。ま、それはそれとして、君は『何故自分はここにいる』か分かっていないだろうから説明させていただこう」
…そうだ、俺は気付いたらここにいた。彼女が言うとおり何故ここにいるかがわからない。
「君には…少しばかり映画を見てもらいたいと思う」
映画?それってどんな…
「まぁまぁ、そう急かすなよ。これはとある青少年らの記憶と記録から作り出した作品。ただの読者の私には作れなかったので様々な力を働かせているがそれはそれ。要は気にするなってやつだね」
さっきから何を言っているかさっぱりだ。
「じきに思い出すさ。いやなに、身構えることはないよ。そうだな、これは深夜番組の30分アニメを見る感覚で見てもらって構わない」
そう言って少女は俺の隣に座った。
「劇場内は私語禁止だ。そろそろ始まるよ。楽しい楽しい君の思い出話がさ」
スクリーンが輝きだし遂に始まる。
これは俺の、俺たちの物語だ。
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