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第10話:文化祭準備開始

 今日は月曜日。テストが返ってくる。全く、返してくれなくていいのに。そういうわけにもいかんか。ともかく俺は軽く憂鬱な気分で登校した。

 今日も今日とてリナの周りに人が集まっている。人気あるな〜、あいつ。まあ目的はあいつの描いたマンガだろうが。

 そんなことを思いながら席に着くと、人だかりがそのまま移動してきた。

「おはよう!さっそく読んでもらうわよ!」

「分かったよ」

 そう言って俺はマンガの描かれたノートを受け取った。すると知らないうちにずいぶん進んでいるようだった。テスト期間中も描いてたのかこいつは?

「ずいぶん頑張ったな」

「当然よ!」

 皮肉なんだけどな〜。なんでそんな偉そうなんだよ。

「それはともかくあんたの小説は?」

「ん?ああ。字が汚ないのは相変わらずだが別にいいか?」

「別にいいわよ。読めなくもないし」

 一々腹立つな。事実だから反論出来んが。


 リナは俺の小説を受けとると直ぐに読みはじめた。周りのやつも覗き込んで読み出すが、字の汚なさにリタイアするものが多数だった。なんか自分で言ってて悲しくなってきた…。まあいい、俺もあいつのマンガ読むさ。ああ、こいつ字が綺麗だな〜。なんかコンプレックスになりそう…。



 ちょうどマンガを読み終わった頃にHR開始のチャイムが鳴った。マンガの内容は相変わらず俺の分身がひどいめにあっている。もうツッコむのもダルいぐらいだ。

 俺はリナにマンガを返し、小説を受け取った。

 そして担任の話が始まる。

「ええ、みんなテストご苦労様。副教科は5時限目に全て返す。余った時間で文化祭のこと決めていくからな」

 へぇ〜、文化祭か。もうそんな時期か。まあ俺はそんな面倒そうなもんに積極的に取り組むタイプじゃない。まあ流れに任せるさ。



 んで一気に昼休みに。数学以外の4教科が返ってきた。どれも平均点+5点以内と微妙だった。ま、まあいいか。

 他の奴らはというとリナ、ミオ、チサトは大体80点以上。こいつらの学力は化け物か!ユキはなんか見せてくんない。まあ、他の友達がああだと分からなくもないが。

 北村は理科は高いが他は低かった。大隈、矢島は全体的に低い。特に矢島は英語が絶望的だ。中河は社会が低い以外俺と似たようなもんだった。

「なんか面白味のない結果だな、お前」

「テストに面白味なんかいるか。そんなもん重視して英語そんな点数とりたかない」

「う…。ぐうの音も出ない」

「だがさすがに有野たちや石川には勝てんがね」

 石川とはたぶんこのクラスの男子で一番頭が良いやつで、何でもそつなくこなす天才肌だ。

「いや、天才肌だなんてそんな」

「うお!お前も心読めるのか?」

「まさか。そんな気がしただけだよ」

「そうか」

 当たりは当たりなんだがそれじゃナルシストじゃないのか? この場合自意識過剰か。

「そんなことより、文化祭何するんだろうね」

「お前代議員だろ?お前次第じゃないのか?」

「いや、文化委員が進めるからね。北村次第だよ」

 そう石川は代議員でクラスのリーダーだ。しかし文化祭をリードするのは北村らしい。

「そうだったな。じゃあ期待するぜ。北村」

「みんなの意見次第だ。俺はまとめるにすぎん」

 まあ、そりゃそうか。そんなことを話しているうちにチャイムが鳴った。

 まず副教科のテスト返し。おお!中々じゃないか。それでも石川はじめ天才軍団には勝てないのだが。

「よし、テスト返しも終わったし文化委員!後は任せた」

「はい」

 北村と一人の女子が前へ出る。

「えと、3年は全クラス舞台での発表になります。何かしたいことがある人は手を挙げて下さい。」

 するとちらほらと手が挙がる。消極的なクラスだな。ま、俺もその一つだが。

 北村が一人の女子を指名。そいつはダンスがしたいと言い出した。まあ劇やるより楽かな?

「他に意見はありませんか?」

 手が挙がらなくなった。どうやら他に手を挙げてたやつもダンス希望だったらしい。

「じゃあダンスに決定ということで。次に内容ですが…」

 一人の女子が話を遮るように手を挙げる。

「この人数でダンスするのは無理があるので3つぐらいのグループに分けた方がいいと思います。」

「…それはいい考えですね」

 北村は話を遮られて少し機嫌を損ねたらしいが意見自体には賛成らしい。反対者はいないらしく、グループをくじで分けることになった。

 で、くじの結果俺の入ったグループにはリナ、ミオ、チサト、ユキ、北村、中河、石川がいた。なんと石川以外全員リナのマンガ読んだやつじゃないか。ちなみに矢島と大隈はスポットライト係だ。正直羨ましい。

「よし、もうすぐチャイムも鳴るし明日から各グループに別れて活動するように」

 こうして文化祭の準備が動き出した。さてどうなることやら。

 ちなみに6時限目に数学のテストが返ってきたのだが…。こいつだけすこぶる悪かった。あ〜あ、最後にこんな点数見せんなよ。


文化祭の準備って時として本番より楽しかったりするのですが私だけですか?

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