はじめの村 ②
「ただの穴かと思ったが案外広いな」
現在、穴の中に入って少しのとこにいる。だんだんと道が広くなってるようだ。
「やっぱ装備をするべきか」
とは言っても、町中歩き回り、調べれるところは全て調べたが剣はおろかまともな服さえ見つからなかった。
今、俺はほぼ布切れ一枚の状態である。
「壁に松明、ってことはここは人工的に作られたか、或いは誰かが制圧したか。だとすれば、可能性としては…」
そう、村人か、この村を襲撃した人物たち(魔物の可能性も十分あるが)。
「まあいい。そこらの雑魚ならたぶん問題ない。」
突然だが、ここで少し雲英 碧の補足をしておこうか。
彼は人の目にとまることの無い、いわば普通の人だ。彼自身はそれが嫌でこれまで色々目立とうとしてきた。人に〈雲英 碧〉という存在を認めさせようとしてきた。
それは当然、力を求めるという形にも働きかけた。だが、彼はあくまで普通の人、そこに才能があるわけでもなく並みの人よりは強い、程度でそれ以上の進歩はなかった。
それでも、剣 槍 弓 に関しては普通の人よりは扱えるのだ。この世界では強みになるかもなのだから、損では無かったということだ。
そして何より、この執念が1つの奇跡を起こしているのだが、それは追々語っていくことにする。
「せめて何か武器があれば安心できるんだが、何か出てきたらどうやって対処しようか…」
少し体術もかじってはいるが、剣や弓を扱うよりは不安だ。
しばらく歩くと、話し声が聞こえてきた。
「この村もチョロかったなぁ」
「あぁ、そろそろ少し大きい所もいけるんじゃないか?」
「まぁそう焦ることはない。こんなちんけな村でもある程度は稼げるし、なかなかいい女もいるしな」
「違いねぇな」
どうやら盗賊の可能性が濃いようだ。この村の人たちは既にほぼ全滅した可能性がある。
賊の人数は少なそうだが、今までも襲撃してるのだろう。恐らくレベルだけで見れば到底及ばないだろうか。
「今は昼だ、あいつらはたぶん夜にここを出るだろうから、殺るなら今日中か。」
装備が欲しい。無いなら…奪えばいっか。
そんな短絡的な考えで処理し、壁の松明を二本持って部屋に突入した
前回の中で 識別 を 鑑定 としておりました。
これからも誤字などがあるかと思いますがご了承ください。