はじめの村 ①
次に意識が戻ったとき、俺はどこかの小屋に倒れていた。
「……?」
「このゲームは…VRMMOなのか?」
今自分が視界に入れているもの、触れられるもの、全てがリアルだった。
「かなり…クオリティが高いな」
とりあえず今の状況を理解しなければならない。 俺が今いるのはどこなのだろうか。何より、俺のスペックが気になる。
自分の前に右手をかざしてみた。普通なら、これでウィンドウが出るはずだ。
しかし、ウィンドウが出る気配がない。左手でも同じだった。
「どうやったら見れるんだ…」
しばらく考えて、ふと、
「識別スキルなら…」
どうやって発動したのか分からないが、自分の右手に目を凝らしていると突然何か表示が出てきた。
雲英 碧 lv.1
メインジョブ 村人 lv.1
サブジョブ ???? lv.1
スキル 識別 渡り上手
装備 無し
どうやら俺のステータスらしい。
「この、???? はジョブだったのか。確かジョブはあのポイントでは取れないはずだったが…」
???? 目がいったことでもう一つ
「俺…村人かよ…」
ポイント振り分けの時、ジョブの設定は出来なかった。ジョブは登録が完了したとき自動的に決まると書いていた。
つまり…
「やっぱり…これはハズレだよなぁ…」
と、嘆いていても仕方ない。
とりあえずこの建物を出てみることにした。
そして、外に出てみると、
「ほんとに、ただの村だなぁ」
何の特徴もないただの村だった。
しばらく歩いてまわってみたが、やっぱりただの村だった。何故か、人を全く見かけていない。
「一通り見てまわったが、何故人が全くいないんだ」
あんまり気が進まなかったが、家の中に入ってみることにした。さすがに、不法侵入しただけで 盗賊 とかついたりはしないだろう。
ほとんどの家を見てみたが、人の気配がない。
「いったいどうなってるんだ」
ついに、最後の家になってしまった。
「頼むから、誰かいてくれよ…」
中に入ってみてもやはり誰もいない。家の奥に入ってみても、気配すら感じられなかった。
「くそ…なんなんだよ…」
と思いながら、家にあったタンスを蹴った。
………
貫通してしまった…
「どんだけ古いんだよ!」
「やばいな…器物損壊だ」
慌てて自分のステータスを見てみる
「識別」
雲英 碧 lv.1
メインジョブ 村人 lv.1
サブジョブ ???? lv.1
スキル 識別 世渡り上手
装備 無し
「よかった、盗賊 になったりしてなくて」
安心して壊れた部分を見てみる。
すると…
「なんだ、この穴?」
壊れたタンスの、僅かな隙間から穴が見えたのだ。
「…行ってみるか」
何も装備を持たないまま、穴の中に入ってみることにした