ハシビロコウイチ
この作品は従来の小説形式を無視しています。苦手な方はブラバ推奨です。
・転校生
「今日は転校生がやってきます。入ってきなさい」
教室の戸を開け、入ってきたのはオールバックと鋭い目付きが印象的な高身長の男だった。
「……。」
「さ、自己紹介を」
「……。」
・自己紹介
「こほん。彼は橋広康一くんです。ご両親のご都合で転校してきたのでみんな仲良くするように。橋広くんは奥の空いてる席に座りなさい」
「橋広くん。僕は久我長介。隣の席だからよろしくね」
長介は手を差し出す。
「……。」
「あの、握手……」
「……。」
・出席
「赤羽くん」
「はい」
「鵜飼くん」
「はい」
「――橋広くん」
「……。」
「橋広くん、出席くらい返事しような」
「……。」
・人望
「橋広くんって寡黙でカッコいいよね」
「……!」
「わかるー! でもー、ちょっと怖いのがたまに傷かな」
「……。」
・音読
「――そして、飼育員さんは園長に秘密で小鳥を逃がしました」
「はい、目黒さん良くできました。次のとこ橋広くん読んでください」
「……。」
「……。」
・目撃
「いっけね、教室に体育館履き忘れてた!」
「……。」
「あれ、なんで橋広くん教室にいんの?」
「!?」
「って、なんで女子の着替え漁ってんの!?」
「……。」
ハシビロコウは獲物を狙う時、数時間に渡り動かない。