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白き雪の足跡は。  作者: 宙来
本編 二つの道。
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第六話

 ちょっと、纏めよう。


 『私』は、岡田里紗。

 大卒で、卒業と同時に就職できた比較的幸運な部類の極普通なOL。

 何故か見目麗しい男に付き纏われていて、男と目を合わせるな話をするなと滅茶苦茶うるさかった。仕事の為が殆どだったのに。


 ああ、人とは違ったことと言えば……他人(ヒト)には見えないらしい可愛い少年と話をすることができた。

 あんな可愛い子を見られないなんて皆損してると思う。

 名前は瑠璃(るり)

 いろんな世界を管理する神様なんだと言ってた。

 実際に魔法っぽい奴を見せられちゃ、信じざるを得ないしね。


 瑠璃は、私のために色々してくれていた。


 付き纏ってくる男を追い払ってくれたり。

 どうやってか、部屋の中に仕掛けられていた盗聴器・盗撮のためのカメラをぜーんぶ取り外してくれたり。

 訳の分かんない嫉妬をしてくる女を近付けないようにしてくれたり。


 本当に、感謝してもし足りないぐらい。


 だけど、


『三日だけ留守にするね』


 と言われた日の翌々日から記憶がない。

 死んでしまったのか、それとも、ただ単に意識だけがリサの体に来てしまったのか。


 どっちでも良い。もう一度、瑠璃に逢えるなら。


 私は、恋していた。

 確かに見かけは少年だったけど、中身は誰よりも男らしい。

 さりげなく付き添ってくれる姿、何気なくサポートしてくれる姿。

 私のために憤ってくれた姿。



 単純?

 好きに言えば良い。


 弱った隙を突かれただけ?

 それでも良い。



 ストーカー男の所為で着実に溜まっていくストレスを和らげ、手を差し伸べてくれたのは瑠璃だけなのだから。



 出会った場所は、健康診断で良性腫瘍を発見し、入院した病院。

 一人部屋から望む空に、ふわりと漂っている瑠璃を見つけたことから。


 無事手術が終わって退院した直後から傍にいてくれるようになった。

 幸せだったからこそ。男は迷惑な存在でしかなかった。



「瑠璃…」


 呼び掛けても姿が現れないことに。

 ひどく、落胆した。






「・・・・・・もう少しだけ待ってね、…里紗」

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