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白き雪の足跡は。  作者: 宙来
番外編 イベントもの
22/23

ホワイトデー 2

 夜。

 月が昇り切った時間帯に瑠璃は来る。

 それはいつものこと。

 瑠璃にだって仕事がある。私のために仕事を疎かにする、なんてことになったら別れるよ、と脅した為である。

 仕事と私、どっちが大事なの!?なんて醜いことはしないの。

 貴族令嬢たるもの、旦那様を支えるぐらいはしなければ。





『今日は夜更かししますわ!』


 と宣言した妹は、瑠璃君のことを待っているのだろう。

 5・6歳の時から、決まった日に父上や私に贈り物をしてくれる可愛いリサ。その習慣が何に基づいたものかは分からないけれど、その行動を知った他の貴族令嬢によって今日、そして一か月前の今日の贈り物日は社交界に根付いていた。


 この贈り物日によく売れるのは、衣服だったり菓子だったり花だったりする。

 要は、恋人なり伴侶なり家族なりに贈りたいと思えるものが良く売れる。

 その経済効果は毎度毎度凄まじい。

 まあ、買っていくのが貴族であるっていうのが一番大きいけれど。


 瑠璃君という良い恋人を得てから、リサはさらに綺麗になった。

 お蔭で甘い蜜を得ようする男は数知れず。

 虫を除けるのに毎回苦労する。

 瑠璃君もわかって、今回の贈り物を選んだのだと思うけど。


「リサを泣かせたら容赦しないよ?」


 月に向かって笑った。





 漸く仕事が終わり、さあリサのもとへ行こうと思って道を開け、聞こえた言葉に後ろにいた部下達が震え上がっていた。


「…なんで君達が怯えるのさ」

「「「怖いじゃないですかっ!」」」

「……そう?」


 要はリサを泣かせなきゃ良いんでしょ?





 ああ、瑠璃様が悪い笑みを浮かべている……。


「伴侶様、申し訳ありません…」


 どうか穏やかに終わりますように、と願っても良いと思うのです。



まだまだ続きます。

お月様にはいきません。

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