ホワイトデー 1
ホワイトデー編です!
一時間クオリティなので誤字脱字があるかもしれません。
バレンタインデー書いてないけど…まいっか。
3月14日。ホワイトデー。
一般的にはバレンタインデーに女性から物を贈られた場合に男性が贈り返す日。
僕はどうなのかって?
神だから人間のイベントに付き合う必要はないんだけどね。でも、……恋人に贈りものされたから贈り物をするつもりなんだ。
バレンタインに何を贈られたかって?
今日で恋人になって1か月、と言えばわかってくれるかな。ふふふ。
まあ、それは置いといて。
未来のお義兄様は辺境伯、つまりお金持ち。
装飾品や宝石、ドレスはお義兄様や侍女達に任せたほうが良い。
彼等のほうがセンス良いからね。
でも、彼等でも指輪は贈らない。というか贈れない。
この世界での指輪は伴侶や恋人が贈るものだから。
ああ、家紋入りの指輪は別だよ?
貴族にとって家紋入りの指輪っていうのは命の次に大切って言ってもおかしくはないらしいから。
僕等神には家紋はない――そもそも家という概念が薄い――から、そういう価値観はいまいち解らないんだけどね。
というわけで。
僕の贈り物はただ一つ。
指輪、である。
☆
今日はホワイトデー。瑠璃から贈り物が貰えるかも知れない日。
そわそわしていたらお母様や侍女達が綺麗に着飾ってくれた。
お母様もいつもより綺麗、と言ったら静かに笑っていた。
お母様はお父様が好きらしい。
まあ、お父様にそんな甲斐性があるとは思えないけれど。
ああ、お兄様にはもう贈り物を頂きました。
頂いたのはバレッタ。
貴族令嬢は髪を伸ばすものだから、とても有り難い。
お兄様にも早く春が来るといいのだけど。
「ふふふ……」
早く瑠璃が来る時間になればいい。
そっと、笑った。




