もう一つのエンド
番外編です。
『もう一つのエンド』
後味が、というよりあまり心地良い話ではありません。
――俺は、ずっと飢えていた。
食事が足りなかったというわけではない。裕福で恵まれている環境に生まれて、不満を持っていると言うわけではない。
精神的なものだとわかっていた。
何かが欠けていた。
その欠けている部分を満たすために、家中を探索し、父に頼んで様々なことにチャレンジさせてもらった。
剣、弓、馬…。
だが、それらは俺を満たすことはなかった。
困り果てた父が相談するために俺を連れていったアージェン伯爵邸で、
――俺を満たしてくれる存在、リサに出会った。
ずっと愛していた。
リサも、俺に優しくしてくれていた。
だから、俺を愛してくれているのだと思っていた。
どうして、おれを、きょぜつする?
キシがおんなにぼうこうするなんてあってはならない?
おれは、りさをアイしているだけだ
リサは、おれをアイしてる
りさは、おれをあいしてるから
リサが、けっこんした?
りさは、おれとけっこんするんだよ
リサは、俺のものだから
りさは、だれにもあげない
りさ、リサ
りさ、おれはここだよ
なんで、きてくれないの
ほかの、おとこはころさなくちゃ
だって、リサはおれのものでしょう?
りさ、リサ
あいしてるよ
あいしてる
―――これは、もう一つの終わり。
違えた道は、戻れない―――…




