鬼神
汀は先程からどうしようかと迷っていた。
じい様から朱緒を拐った男達を追うように言われ、気付かれぬように後をつけた…
その男等は中の里に入り、そのまま里長の屋敷に入って行く。
それからしばらくして、薄暗がりにれるように牛車が屋敷に入って行った。
それが入ると同時に屋敷の周りは、武装した者で固められてしまった。
汀はこれを知らせたが良いかどうか迷っていた。
じい様の知らせに黒王が帰り、朱緒を取り戻そうとやって来るのは間違いない…
しかし、この警護の中に黒王一人では太刀打ち出来ないのではないか…と思ったのだ。
知らせに行ったは良いが、あの牛車で朱緒をどこかに連れて行かれたら…そんな思いが汀を迷わせた。
辻に立っている木の陰で、そんな事を思っていたら里の入り口からこちらに誰か走って来る気配がした。
目を凝らすと足音を消すように、黒王が走って屋敷に向かっていた。
汀は屋敷から見えぬ位置に移動して、走って来る黒王を止めた。
「黒王…行くな!」
暗がりから飛び出たものに、黒王は反射的に拳を振る、汀はそれを交わし、黒王の目に入る位置に立つ。
「…なんじゃ、汀か?」
黒王は汀の姿を認めると足を止めた。
「すまぬ…朱緒が…」
「じい様は怪我も軽く無事でおる…そうじゃ…じい様から汀に渡せとこれを預かった。」
黒王はそう言いながら、ゆっくりと暗がりの中を屋敷の見える位置まで移動する。
汀は渡された物を開くと目を見開いた。
「じい様がこれを?」
汀は確かめるように黒王に訊ねる。黒王は屋敷に目を向けそのまま様子を見ながら頷いた。
「何であるかはわからぬが、これを渡せと言った。」
ありがたい…汀はそう思いながら中から出した小さな珠を手に取ると、両手で包み込むようにして意識を珠に集中する。
「…忍び込むには月明かりが邪魔じゃの…それに何か騒ぎを起こして引き付けねば…あの人数だとすぐに見つかってしまう。」
黒王は屋敷の周りを眺めそう呟きながら振り返ると、汀が燐光のような光を放ちながら立っていた。
「騒ぎが起きれば忍び込む事が出来るのか?それなら俺が起こしてやろう。」
「汀…お前は?」
黒王は汀の姿に驚き目を剥いた。
「ふふ…いずれ教えてやろうと思っていたが、こんな形になるとは…
俺は聖域の東を護る青龍の子…本来は中の里に配され里長を助ける役割を持っていた。」
黒王は思わずその場にしゃがみ込んでしまった。
「驚いたか?」
いつもの悪戯っぽい笑いを見せながら、汀は言葉を続ける。
黒王はその言葉に声もなく頷いた。
「俺の役割は、里長と隠れ里を繋ぐこと…里長が聖域で許しをもらったら傍に行くはずだった。
この度の中の里の里長は許しを受ける事が出来なかったため、預りとしてじい様の傍にいた。
さっきの珠は俺の神通力を封じたもので、じい様が持っていた。
じい様がこれを返した…と言うことは、俺に黒王、お前の力になれと言う事だろう。」
汀を包んでいた光が収まり、いつもの姿がそこにある。
一点違うとしたら、額に光る鱗のような物が貼り付いている事…見ると衣も銀糸を織り込んだような物に変わっていた。
「ははは…龍神の手伝いがあるとは心強い…」
「黒王…驚かないのか?」
「驚いた…驚いたが今はそれどころではない。
手を貸してくれると言うなら、ありがたく借りよう…朱緒を早く助けねば…」
「月明かりを隠して、騒ぎを起こせば良いのだな?」
「騒ぎが起きたらわしは表から入る。汀は裏から入り朱緒を探してくれ…」
汀は黒王のその言葉に応えるように小さく頷くと、空を見上げ何か念じるように見つめていた。
ゴロゴロゴロ…
しばらくすると…雷が轟き始め風に乗り雲が湧き、雲は煌々と照る月灯りを隠すように広がり始めた。
やがて、雲を運んだ生暖かい湿った風が山から降りてくる。
その風はだんだん強くうねるように木々を揺らし渡り始めた。
それと同時に山の下草を揺らし、何やら小さな物が道を這う生きた影のように動いている。
生きた影は屋敷の前で警護をしている者を襲い始めた。
「これはありがたい…随分間の良い事になった。」
黒王の口元から笑みが溢れる。その笑みを見ながら汀が一言…
「黒王…一つ教えておいてやろう…気をここに溜めてみよ、そうしたら今よりもっと動き易くなる。」
やがて遠雷は屋敷の真上辺りにやって来た。
そうして雷が二つ、屋敷の中に落ちた。
黒王はそれを見てすぐ汀に向かい片手を上げると、暗がりに溶けるように屋敷に向かい走り始めた。
朱緒は朦朧とする意識の中で、自分の身の上に起きていることが夢であって欲しいと何度も思った。
黒王に最後に会いたい…きっと助けに来てくれる…その一心に願う思いが、命綱のように朱緒の心を繋いでいた。
陽が暮れ落ちたと思う頃、朱緒は二人の男の前に引き出された。
二人が黒王を捕まえる話しをするのを聞きかされながらどうにか逃げ出せないものかと考えていた。
しばらくすると、座にいた貴族の男に引き倒され縄をほどかれた。
ところでその男を突き倒し一度は戸のところまで逃げたのだが…
その後すぐに捕まった。
また逃げ出されても困るからと着物を剥がされた朱緒は、両手を柱に繋がれ布で口を塞がれた。
それからずっとそのままの状態で嬲る(なぶる)ように責められていた。
そのうち朱緒が抗うことも出来なくなると、口を塞いでいた布が外され今度は酒を無理矢理飲まされた。そして朦朧とする体をまた責められる。
しばらくは二人に入れ替わり立ち替わり責められていたのだが…
今は里長だけが朱緒を抱え込むようにして責めていた。
最初に襲ってきた貴族の男は着物を肩掛けにして座に座り、酒を煽りながら朱緒が里長に嬲られるのを眺めている。
「そろそろ…私の言う事を聞く気になりましたかね?」
里長は朱緒の耳元で囁くように聞いてきた。朱緒はその言葉に首を振り里長を拒絶する。
それを見ると、怒った様な顔をして朱緒を突き飛ばすように離すと、出入り口のところに行き戸の外にいる家の者に何か言いつけた。
「くっくっ…もう諦めたらどうだ?」
貴族の男はそれを見ながら笑った。
里長はそのままの顔でそれを横目で見ながら、言いつけた物を持ってくるのを待っていた。
しばらくすると、言われたものを持って家の者がやって来た。
それを受け取ろうとした時…ガラガラと音を立てて雷が鳴り始め、間もなく屋敷に落ちた音が聞こえた。
「やれやれ…こんな時に…おい!火の手が上がらぬように早く消せ!」
あわてて表に行く家の者の後ろ姿にそう言葉を投げると、里長は動じること無く受け取った物を持って朱緒の傍に来る。
「…おい…大丈夫なのか?」
朱緒の事を龍神の娘…と聞かされていた貴族の男は、雷の音に少し不安になっていた。
もしかしたら本当にこの女は龍神の娘で、龍神が取り返しに来たのかもしれない…ふとそう思ったのだ。
「大丈夫ですよ…この辺りでは珍しいことではありません。」
里長は涼しい顔をしてそう答えると横たわる朱緒の傍に座り、持って来させた物を見せた。
「もう一度聞きます…私の言う事を聞く気になりましたか?」
里長が手にしていた物は真っ赤に焼けた火箸だった。
朱緒はそれを見て目に恐怖の色を現したが、頑なに里長の言葉を拒んだ。
「………いや…黒…王のところに………帰して………!!あああぁぁぁぁ!!!」
里長は平然とした顔で、朱緒の返事も聞かず体にその火箸を押し付けた。
座に座っていた男は、朱緒の叫び声で一変に酔いが覚めたのか顔を引きつらせて里長を見ている。
何度か朱緒にそれは押し当てられる。
その度に朱緒は声を上げ叫んだ。
貴族の男は薄ら笑いを浮かべながら朱緒に火箸を押し当てる里長の顔を見ると、その残忍さに恐怖を覚え背中に冷たい汗が走るのを感じた…
闇に紛れて黒王は、里長の屋敷に忍び込んだ。
忍んで朱緒を探していたのだが、屋敷の者に見つかり騒ぎになってしまった。
里の者とは違う大柄の男を蹴り倒し…そこで女の叫び声を聞いた。
「朱緒…?朱緒ぉぉ!」
その声に一瞬動きを止めたその隙に、蹴り倒した男に捕まる。
身をよじり男の腕から抜けようとしていたら、騒ぎを知らされやって来た里長が立っていた。
「おい…暴れるのはいいが、女がどうなっても良いのか?大人しくしていたら会わせてやろう…」
被った面を外し、素顔をさらけ出したような様子の里長が黒王に言葉をかける。
里長は大人しく縄をかけられた黒王に顔を近づけ、にたり…と笑う。
「お前…盗賊だったんだってな…やっぱり人の物を盗むのが得意だな。
あの女は俺が目を付けていた女…里長になったら自分の物にするつもりだったのに…」
血走った目をギラギラさせて里長は黒王にそう言った。
「お前は殺しても殺し足りない…切り刻む様にして嬲り殺してやる。おい!こいつを連れて来い!」
黒王は小突かれながら、里長の後を引っ立てられる様に奥の部屋に連れていかれた。
黒王を捕らえたことで、里長は自分が全てに勝ったと思い込んでいた。
それは自分が許されることのない、聖域での儀式を終えた黒王を捕らえた。
神に繋がる者を捕らえた…しかも、この者はあの忌々しい長老…じい様が右腕として使っている者である。
その上、朱緒…自分がかねてより思いを寄せていたものの亭主。
今の自分には、貴族の後ろ楯も出来た。
奥の部屋にいる男は、今夜の趣向に満足して自分の後ろ楯になることを約束してくれた。
あの男は都の有力者の息子である。取り入れば取り入る程、自分は力を増しこの辺りの権利すら手に入れられる…
そうして黒王を捕らえたことで大金を手にいれる事が出来た…
里長の頭の中は、そんな手前がってな思いで満たされていた。
「さあ…お前に良いものを見せてやろう。」
悦に入った顔で 里長は奥の部屋に黒王を突き飛ばすようにして入れた。
のめりながら前に出ると、部屋の薄明かりの中に白い肌を血に染めた朱緒が横たわっていた。
里長は黒王を朱緒の傍に座らせた。
「朱緒…」
「く…黒………お…う…」
朱緒はぼんやりする目の中に、会いたいと思っていた黒王の姿を見ると目から大粒の涙を溢した。
黒王はそれを見ると、目を閉じてじっと身の内にたぎるものを溜めていた。
「貴方の屋敷を襲った者を捕らえましたよ。さあ…こちらに来て、この男ですか?」
逆らうと何をされるかわからない…酔いの覚めた貴族の男は、里長の言葉に素直に従い黒王の顔を見ると何も言わず頷く。
「お前…鬼黒と言う名前なんだそうだな…」
黒王の耳元で里長がそう囁いた時…黒王の中で何かが切れた。
ぶつり…
それは黒王の中にある天岩戸…朱緒のかけたしめ縄が音を立てて切れた。
黒王の心底にある天岩戸を押し開き…岩戸の外に現れたのは、天の羽衣を纏う(まとう)陽光の女神ではなく…
赤黒い火焔を纏った(まとった)鬼だった。
ふわり……
黒王の中で何かが切れるのと同時に、白いものが部屋の中に舞い降りる。
白鷺が羽を広げて立つように、両手を広げ黒王と朱緒の傍に立つ。
若者は傍に立つと外から入って来た警護の者を蹴り倒す。
「……な………!」
里長は突然起きた事に絶句して立ち尽くす。
若者は足を下ろし向きを変えると、今度は立ち尽くす里長を蹴り倒した。
そのようすに側にいた者が押さえようと動き始める。
「動くな!!」
黒王の怒りを込めた一喝する声が部屋に響く。
動こうとした者はその声に驚き動きを止めた。
黒王にかけられた縄は既にほどかれ、手は力無く横たわる朱緒の手を握っていた
「怖かったであろう…遅うなって済まなかった。」
その声に安心したのか、朱緒は声もなく頷き反対の手を伸ばそうとする。
「…帰ったら…傷の手当てをしよう…」
白い肌は嬲られた(なぶられた)跡が痛々しい…胸には火傷の跡もある…
黒王は横たわる朱緒の体を早く隠してやろうと、自分の着ていたもので包みしっかりと抱いた。
後ろで我に帰った返った里長が、人を呼び黒王を逃がすな!と叫んでいた。
黒王は朱緒を抱きゆっくりと立ち上がり、涙を流しながら見つめる朱緒の顔に頬擦りをする。
そして庭に向かって歩き出した。
呼ばれた者達は、黒王を囲むようにして捕らえようとするのだが…背後に立った汀が、来た者を一人二人と蹴り倒していた。
それは舞いを舞うような鮮やかさで、歩く黒王動きに合わせ体を動かし息の乱れ動きの乱れもない見事なものだった。
庭の中程に来ると黒王は汀に声をかける。
「朱緒をじい様のところに送ってやってくれ…早く傷の手当てをしないと…今のお前なら容易かろう。」
「…黒王はどうする?」
「わしは始末をつけて帰る。」
汀は頷くと後ろに下がり手を広げ、体から蒼白い光を放ち始める。
黒王を捕らえようと側に来た者は、それを見て動きを止めた。
やがてその光は大きく膨らむと、その中に銀麟を光らせとぐろを巻く一体の龍が現れた。
龍は黒王から朱緒を受けとると…
「無事で帰れよ…」
そう一言残し雲を呼び雷を一つ落とすと、山に向かって飛び去った。
「朱緒…じい様のところで待っておれよ。始末を着けたらわしも帰るから。」
汀を見送った黒王は、屋敷の方に振り返りじっと目を閉じる。
(もう…心配はいらない…後はあいつを殴り飛ばしてやるだけ…朱緒の苦しみを万倍にして返してやる!)
黒王は心の底にある天岩戸を押し開いて出て来た鬼は、段々その姿を顕し黒王に赤黒い火焔を纏わせる(まとわせる)。
黒王は汀が言ったようにそれの全てを額に向けた。
熱い火焔が体を駆け巡る様に体を回ると、今度は足の下から熱いものが上がってくる。
黒王の体からは、焔の揺らめきのようなゆらゆらとしたものが立ち上がる。
ざわざわとした風が庭の中を回るように巡り始める。
ガラガラガラガガーン!
屋敷の裏手に雷が落ち、きな臭い匂いが辺りに広がった。
里長は自分の目を疑った。
さっきのあれはなんだ?さっき自分は全てに勝ったと思った…なのにこの有り様はなんだ?
今…ここにいたはずの朱緒の姿もなく…忌々しい若者の姿も消えてしまった…
そうして目の前に立っているのは、さっき捕らえた憎い男。
その男は自分に向けて赤黒い火焔のような気配をまとい 、じりじりと近寄ってくる。
「だ…誰か!そいつを止めろ!」
里長は狂ったように泡を飛ばしながら、里長は周りの者に命じる。
その声に屋敷の中から、黒王に負けない大柄の男達が涌いて出る。
庭から部屋に向かう黒王を止めようとしたのだがどの男も黒王に歯が立たない。
雇った男達は皆腕自慢の男だった、多勢に無勢…相手は一人…どの男も取り押さえる事など容易いと思っていた。
それがどうだろう…部屋の一点、里長に目を向けたまま歩く黒王に歯が立たないのだ。
両脇から押さえようと近寄った者の腕を取り前にのめらせる。
返す拳で後ろにいた二人が鼻を潰された。
正面から刀で切りかかる者を交わし、円を描くようにその後ろに回ると刀を持つ手を取り一蹴りして腰を砕いた。
運よく両手を捉えたものの、前にのめらされ互いの頭をぶつける。
それでも立ち上がり取り押さえようとするのだが、今度は足を払われ腰の骨を折られてしまった。
素手で叶わぬと思った者は、刃物を持って黒王に切りかかる。
黒王はそれを交わしながら血塗れの拳を振るい、襲って来る者の顔を潰し手足の骨を折り…じりじりと里長のところへ近付いていく。
いつの間にか屋敷の庭は倒され重なる男達の呻き声でいっぱいになった。
里長は部屋の中に腰を抜かし座り込んでいた。
力自慢の男達を高い金で雇った筈なのに、その男達が見る間に赤子の手を捻るように崩されてしまったのだから…
この時初めて先代が『龍の逆鱗に触れるから朱緒には手を出すな…』と言っていた意味がわかったような気がした。
黒王は鋭い目を里長に突き刺すように向け、その胸倉を掴むと立ち上がらせた。
もはや黒王を止めようとする者はいない…貴族の警護の者も目の前で起きた事に恐れおののき、皆じっと…その怒りに触れぬよう息を殺しその様を眺めていた。
里長は初めて黒王に恐怖した。
「…す…すまん…い…命ばかりは…」
里長は黒王に命乞いをする。
庭から上がってきた黒王は、部屋の中で震える里長の側に立つ。
黒王は山犬が獲物を狙うような目をして、腕を組み見下げるようにして里長を見ていた。
その横を貴族の男が逃げ出そうと震えながら這っている。
黒王は振り返るとその男を壁に向かって足蹴りする。
男は呻き声を小さく上げて気を失った。
里長はごくりと唾を飲み込みそれを見ていた。
「お前が里長としての許しをもらえない訳を教えておいてやろうか…」
黒王は里長に顔を近づけ静かに言った。
「…そ…そんな事…神でもないのにわかるのか?」
里長は子供が親に聞くような口調で黒王に訊ねる。
「ああ…わしにはわかるな。」
「ど…どういう…理由で…」
恐怖で血走った目を向けながら、もう一度聞いた。
「どんなに人をうまく騙せても、歪んだ心性根をしておったら許しはいつまでも出ん。
人はどんなに清く生きていても、過ちを犯す…その過ちを反省し改めながら生きるのが神の心に沿った生き方よ。
お前のように、面を被るような事をしておってはいつまでたっても儀式の許しは出ん!」
そう言うと黒王は里長に拳を叩きつけた。
里長は床に転がるように倒れると血塗れの顔を上げて叫んだ。
「お…お前に…お前に俺の気持ちの何がわかる!
親父殿には出来損ないと罵られ、好きな女には袖にされ…
俺はこんな山の中にいたくなかったんだよ!都に出て贅沢な暮らしがしたかった!
俺が欲しいと思った何もかも手にしたお前に、俺の気持ちの何がわかる!」
黒王は振り返り再び里長の胸倉を掴み、今度は怒りの形相で恫喝する。
「ならばあれはなんだ?お前が好きだと言った女に!あの仕打ちか!
お前がやっておるのは自分の欲を満たすためだけの事!
お前の事なぞ誰も理解はせん!」
そう言うなり壁に打ち付けるように里長を投げた。