第95話 俺ニート、映画を楽しもうとしたら悲しき労働者の話を聞く
主役はまさかのニート!?堕落した生活を送るニートに、ゲームに勝利し続けるとお金を稼ぐことができるという、神のゲームに参加!そのチャンスをものにするために、早速リバーサル社にて契約を交わした!
戦いに勝利し続け、快適な生活を送ることができるのか!
当時の映画を見た時の話で盛り上がった。
だが当然、あの時見た映画はもう上映されていない。
でもせっかく来たからには、ちゃんと映画を見たかった。
とりあえず映画を調べてみた。すると現在上映されている中で、
最もギャグ要素がありそうなのは、『笑爆』というものだった。
「それじゃあアリスさん、一緒に映画を見ましょうか」
「…………」
「今回見るのは笑爆です。結構面白そうですよこれ。俺が当時見てた映画とは違いますが、3人で笑った当時のことを思い出すいいきっかけになりそうです」
「…………」
「どうしました?これから映画を見に行くのに、随分悩んでいますね」
「……淳一さん、私はここで待っていますので、一人でごゆっくり楽しんでください」
「ええ!そんな悲しいこと言わないでくださいよ。今日は一緒に楽しんでくれるんですよね?」
「……すみません。私には一緒に楽しむ資格なんてないんです」
「……どうして、そう言うことを言うんですか?」
アリスの様子が明らかにおかしい。
一体どうしたというのだ?
「あっ、もしかして映画館苦手ですか?それだったらここはやめて別の場所にしましょう!」
「いえ……映画館自体はすごく興味があるんです。ただ……」
「ただ……?」
「私に映画館で楽しむ資格なんてないんです」
「それは……どうしてですか?」
「私には、映画館のチケットを購入できるお金を持っていないんです」
「なるほど……普通こういうのって、レストランの時のように従業員には経費で出るのかなって思ってたんですけど、違うんですね」
「はい……少なくとも私には、レストランなどの食事代以外は支給されることがありません」
「そうですか……」
「でも気にしないでください!私はあくまでも仕事で送迎をするという、仕事を全うしますので!」
「……悲しく、ならないんですか?」
「どういうことですか?」
「今から見ようとしている映画は、約90分の上映になるんですけど、その間アリスさんはずっと一人で俺のことを待ち続ける……こんなの悲しすぎませんか?」
「いえ、いいんです。過去に別の人と一緒に映画館に行ったことがあるんですけど、その時大抵こういわれるんです『お前の分は金は出さねぇ。なんでお前の分まで払わなければならない!』っと」
(…………)
「でもいいんです。私は最初からそういう人だって学んでいます」
「あの……」
「はい?」
「ではこの俺が、その過去を変えてもいいですか?」
「どういうことですか?」
「アリスさんの映画チケット代、俺が全部出します」
「ええ!そんな!私は利用者さんから奢ってもらうなんて!」
「その代わり、一つ条件を出してもいいですか?」
「はい」
働いていないニートでも、合法的に休めるのはいいことです。羨ましいですが。




