第61話 俺ニート、自らの運命を憎み、恨む(前編)
主役はまさかのニート!?堕落した生活を送るニートに、ゲームに勝利し続けるとお金を稼ぐことができるという、神のゲームに参加!そのチャンスをものにするために、早速リバーサル社にて契約を交わした!
戦いに勝利し続け、快適な生活を送ることができるのか!
「淳一君!」
(…………)
もはや驚きや怒りの声すら上げられない。
真に絶望の場面を目の当たりにしたとき、
人間は固まってしまうのだ。感情や行動が。
だがこのままではいけない。
俺は息を大きく吸って吐いた。
そしてこう言葉を出す。
「ひかり!なぜだ!なぜひかりがここにいる!」
「…………」
状況が全く飲み込めない。
いや俺が真実から目をそらしているだけなのだろう。
俺は目の前に『南ひかり』がいることを全く受け入れられなかった。
「淳一君……」
「俺たちが一番出会っちゃいけない場所だろう!なぜここにいる!?」
「淳一君」
「なに?」
「……やっぱり嘘……だったんだね」
「……え?」
「……信じていたのに!淳一君の言葉を信じて、ここで巡り合うことはないと思ったのに!」
(…………)
「……いや、嘘は私もかもしれない」
「どういうこと?」
「私の行動はどう考えても『矛盾』してた。本当に信じていたなら……『手紙』なんて渡さなかったのに。おかしいのは私だったんだ!」
「……淳一さん、その手紙とやらは、たぶんこれだと思います」
(…………)
アリスに言われるまでもなかった。
それはペリーが落としたメモのことであった。
「ひかり!この手紙を出したのは、君なのか!」
「……うん、そうだよ。ペリーさんに手紙、いやメモを渡したのは私」
(……!)
どういうことなんだ?
ひかりは俺に自殺を祈願した……?
もうわけがわからない。
「それは違う!ひかりの行動こそ矛盾している!」
「……えっ?」
「ペリーのメモを見てみろ!これは”S”が出したものなんだ。君は南ひかり。MとHだ。従ってひかりが出したということはありえない!」
「…………」
昨日とはまるで意味合いが違った。
昨日はリバーサル社に勝ち誇りたくて異議を唱えて矛盾を指摘した。
だが今日は、今にも涙がこぼれそうな気持ちの中、悲しい結末なんて起きてほしくない!という気持ちの中矛盾を指摘した。
ひかりが言っていることは間違っているんだ!その間違いを正してやらなきゃ!
「いいえ、それは違うの」
「なんだって!?」
「できればペリーさんに指示をした相手は淳一君にわからないようにしたかった。でももし万が一こういう時が来た時に、私だってわかるようにしたかったの」
(…………)
「だって先にわかっちゃったら、私に理由を聞きに来るでしょう?」
「当たり前だよ!こんな指示普通じゃない!」
「そして理由を知った淳一君は、私に寄り添おうと、優しくしようとしてくる。そうなったら、今より辛いじゃない!最後に待ち受ける結末が!」
(…………)
どんな関係も容赦なく叩き潰す、それがこの小説なのです




