第183話 幼馴染の曲げぬ意地(S!)
今回はサイドエピソードです。
(…………)
私は……淳一君……いいえ、『俊介君』に撃たれた。
私が望んだから……撃ってくれた。
ありがとう……私のわがままを聞いてくれて。
撃たれてから少し経った後、私は現実世界に帰ってきてきた。
「本日も戦いご苦労様です。負けてしまいましたね……」
「いえいいんです……私が望んだことですから」
「……本当に……よろしいのですか?」
「何がですか?」
「あの戦い……相手の方は弾を打つ気は一切ありませんでした。南さんが勇気を振り絞って攻撃していたら、確実に勝利できたと思うのですが……」
「それはダメです。私は『死んで償わないといけないんです』」
「……そうでしたか」
俊介君は私を恨んでいる。そうに違いない!
一番近くにいたのに……弟の淳一君を守れなかった。
私は当然一生恨まれる存在。
私は苗字が変わる前から、淳一君と付き合っていた。
元々母子家庭で、再婚した結果今の三上という苗字に変わった。
それはかなり前の話。
それぐらい仲良しだった。
だからこそ……弟を死なせてしまったのは……相当重い責任になってしまう。
一生かけても償うことができない責任。
それを償うためには……
「それでは……今から南さんの体に、安楽剤を打ちます」
(…………)
「簡単に言うと、薬のようなものを注射で体内に入れます。それだけで大きな苦痛もなく人生を終えることが可能です」
「わかりました。ではそれをお願いします」
「かしこまりました。それでは仰向けになって寝てください。暴れず安静にしてそのままお待ち頂けると幸いです」
「わかりました」
「あっ!」
「どうかなされましたか?」
「私が死んだことって、俊介君に伝えたりするんですか?」
「いいえ、そのような予定はございません。少なくとも私は……」
「……良かったです」
「他の職員が伝えるかどうかは、私にはわかりません。もしかしたら何らかの形で伝わることになるかもしれません」
「……なるほど」
「それに関しては……お約束できずに申し訳ございません」
(…………)
まあ伝わってしまったら……それは仕方ないね。
「他に何か、質問はございませんか?」
「いえ、大丈夫です」
「それでは……始めますね」
そして間もなく、安楽剤は打たれた。
打って少し経つと、徐々に意識が薄れていく。
やっと……やっと罪を償えるんだ。
ごめんね……淳一君……俊介君……
私が……こんなにひどい人間で。
目の前の相手を救うことができない……最低な人間で。
そして数分後……私はついに息を引き取った。
天国に……行けるのかな?
ひかり……本当に悲しい結末です。




