第180話 服従心の刷り込みとトリック(S!)
今回はサイドエピソードです。
リバーサル社は普通の方法で運営することは不可能だ。
膨大な数のニートのお世話をするからだ。
大量の人を雇うことはできない。
あまりにも残虐な方法で利益を上げる関係上、
雇う人材はできるだけ少ない方がい。
もし情報が漏洩したら、かなり危険だからだ。
情報漏洩対策、大量雇用、人材を少なくする。
それを全て叶えるのがクローンだ。
そして今日……ついに桃子がうちの会社に入社する。
これで6タイプ……あと1タイプ残っているが、これは今は使わなくてもいいだろう。
前印象は完璧だ。あとはしっかりと入社のためのチュートリアルをやらなければな。
そしてついに桃子が来た!
俺はしっかりと案内を行う。
「ここは……?」
「『手術室』だよ」
あとでここにぶち込んであげるさ。
そして案内が全て終わり、休憩室へ行った。
「お疲れーこれで紹介したい部屋は以上だよ」
「ご案内ありがとうございます」
「それじゃあこのお茶でも飲んで、そして少し早いけど昼食の時間としよう。ごめんねぇ少し早いけど許してねぇ」
「わかりました!」
悪いが、そのお茶を飲んだ時が、桃子としての活動の終了だ。
そして1時間後……
「……zzz」
桃子は眠ったようだな。
よし……『手術の時間』だ。
といっても、体をいじったりするわけではない。
クローンを作るだけなら俺の能力だけで十分だ。
じゃあどうするのか……
『こいつにコールドスリープを使う』ことだ。
クローンからクローンを作ることは不可能。
必ずオリジナルの体がなければならない。
ならばしっかり厳重に保管せねばな。
俺は手術用カートを、手術室から持ってくる。
そして桃子を起こさないように慎重に乗せた後、
急いで桃子をコールドスリープができる部屋へと運んだ。
あとでクローンであることは伝えるのだが、
絶対にオリジナルの体があることは、知られないようにする必要がある。
まあ、コールドスリープの部屋に入ることはないと思うけどな。
入らないようにクローンに仕込むからな。
……コールドスリープの装置に桃子の体を入れて、作動させる。
(……よし)
もうこの作業6回目なのだが、成功する度に安堵する。
そしてコールドスリープに入れた後、すぐにクローンを複製した!
「…………」
「おはよう『アリス』」
名前は俺が全て決めている。
「……?おはよう……ございます?」
「だめじゃないか!この部屋に入ったら!」
「……?」
アリスはキョトンとしているな。
それが普通だ。
「とにかく、一回移動させるから」
「わかりました」
「ところで喉かわいたでしょ?これお茶」
「ありがとうございます」
俺が作るクローンは、基本的に素直で俺の言うことを何でも聞いてくれる。
「今から運ぶから、寝てていいよ」
「わかりました」
今度の睡眠薬はさっきの何倍も強い。
市販されていないレベルの危険な睡眠薬だ。
即効性も高い、普通の人間に使ったら絶対怪しむだろうが、
こいつはもうクローンなのだ。
この薬のことに気づくことはできない。
そして手術室へ運び、ベッドの上に乗せる。
そして乗せた後、
すぐに情報の作成を開始する。
やり方は簡単だ。
まず太ももにある端子差込口に、端子をつなぐ、
それをパソコンとつなげる。
そしたら基本常識データと、国内の地図情報と、物や生き物の名前がつまっている辞書を導入する。
これらは全員共通で入れるものだ。
そしたら次に、アリスが入社するまでの道のりのデータを手動で入れる。
今回は旦那にDVされたこと、そして会社の多忙さ、いつもはご飯だが忙しい時はパンを作っていたこと、そして旦那が嫌いなこと、などの情報を全て導入する。
手動なことと、容量の都合で、全ての情報を入れることはできない。
そのため学生時代などのもっと前の記憶は、このクローンにはいれない。
なのでこれだけを入れたら、導入はおしまい。
すぐに端子などを片付け、証拠を隠して、
あとは起きるのを待つだけだ。
こうしてクローンの初号機は完成する。
そしてアリスは目覚め、そして……自己紹介が始まる。
自己紹介は順調に進み、最後は俺の番。
簡単に自己紹介を済ませた後……
「それじゃあ、この場をお借りして、アリスに重要なことを伝える」
「重要なこと……ですか?」
「ああ、実はな……ここにいる俺以外の皆は、クローンなんだ」
「……!」
驚くのも無理はない。
最初に説明するとき、皆驚いていたからな。
「私は……私は人間じゃないんですか」
「あなたの人間は……死んだよ」
「……!どうして……」
「でも安心してくれ、このクローンになっても基本的に人間と同じ動きができるさ!」
「……なんで……人間じゃなくしたんですか?」
「それはまあ、うちで働いてもらうためだな。クローンを作らないとうまく機能しない会社だから」
「…………」
アリスは……それ以上は何も言ってこなかった。
そりゃあそうだ。基本的に俺に逆らえないように、さっきのデータに組み込んだからな。
少しリアリティを出すために、質問だけはできるようにしておいたがな。
「さて、このあとアリスにはクローンの複製を手伝ってもらう」
「……どうやって……ですか」
「そこに立ってるだけでいい。俺が全部複製させるからな」
「…………」
「ちなみに君の太ももには、端子差込口がある。それを使って他のクローンに情報を入れていくからな」
「…………」
「それじゃあそこで待ってなさい。今パソコンを持ってくるから」
そして俺はパソコンをここに運んだ。
2体目以降は本人も同意済みのため、わざわざベットに寝かせたりはせず、
まず初号機クローンアリスに端子をつないで、データをパソコンにダウンロード。
そしたら複製をする。
1体複製しては、端子をつないで、パソコンにダウンロードしたものを、2体目以降のクローンに入れていく。
初号機のやつをダウンロードするメリットは、
2体目以降が劇的に早くなるのだ。
初号機のやつのデータは、クローンにであることを理解している、複製も知っている。
皆の名前も知っている。つまりもう1回自己紹介したり、寝かせたりする必要がないのだ。
そして2体目が誕生。バグや不具合がないか念のため確かめた後、
「よし、あとは空いた時間にアリスが自分で複製するんだ。端子とPCはここに置いておく。手が空いたときは全てこれをやることだ。10万体になるまでやるんだぞ」
「わかりました」
ちなみにクローンなので、勝手に変なファイルを開いたりパソコンを壊そうとはしない。
ご都合主義MAXに見えるが、クローンだからこそできる芸術だ。
……これが、大量のクローン。そしてアリスという名前が付けられた理由。
過去の記憶の損傷の謎。の全てだ。
……くっくっく……これから一生かけて働いてもらうぜ!
これが職員の雇用状況の全てということですね。




