第173話 アリスの過去(前編)(S!)
今回はサイドエピソードです。
私の名前は山岸桃子
夫と2人で暮らしています。
私たちは高校の時から出会いました。
その人とはすぐに仲良くなり、友達になりました。
彼はとても愛想がよく、私はひそかにその人のことが好きでした。
そして高校3年生の終わり頃、
彼は私を近くの公園に呼びだしました。
「やっほーきたよ~」
「こんちはー桃子」
「それで、私を呼び出すなんて珍しいね。何かあったの?」
「今日は桃子に伝えたいことがあって呼んだんだ。聞いてくれないか?」
「いいよ!なんでも言って」
「俺……ずっと前から……桃子のことが……好きでした」
(……!)
「俺と……付き合ってください!」
(…………)
これは私も心の中で驚きました。
私がひそかに好きだった相手から告白されたのです。
返事はもちろん……
「こちらこそ……よろしくお願いします♪」
こうして私たちは付き合うことになりました。
お互い大学生になってから、少しずつ2人の恋人としての
付き合いが始まりました。
デートした時は、本当に楽しかったです。
ついに私は運命の人と出会えました!
付き合い始めてから1年後……
ついに私たちは『結婚』することになりまいた。
もちろん両親からの許可をもらってからです。
ついに結婚までして、これから最高の幸せが待っていると思っていました。
結婚後……確かに幸せでした……『最初』だけは……
突然幸せがぶち壊しになる……ある事件が起きたのです。
それは私の職場が繁忙期に突入したとき、
どうしても今までのようにご飯を作れなくなってしまいました。
これは共働きの宿命ともいえるかもしれません。
私はちゃんと、繁忙期の説明をして、朝ごはんがパンになること、
昼が弁当ではなくなることを伝えました。
最初は快くOKしてくれました。
しかしある時……
「舐めてんじゃねーぞくそ女が!」
(……!)
バシーン!
それはあまりにも突然すぎることでした。
私の頬を強く叩かれてしまいました。
私はその時のことを今でも忘れられません。
あのあまりにも衝撃的で、悲しすぎる出来事は……
……しかし、繁忙期である関係で、どうしても朝ごはんをパン以外にすることができませんでした。
するとまた……
「こっちだって働いてやってるのがわからないのか!」
バシーン!
あの最初の時以降……朝食の時は暴力してくるようになったのです。
そして……それが原因で会社で些細なミスを連発するようになりました。
でも……彼に離婚の話をしたら、またビンタされるかもしれない……
もうこんな人生……『終わらせたい』
そのためには……自殺するしかなかった。
私は仕事帰り、まっすぐ家には帰らず、
ふとデパートへと向かった。
そう……飛び降り自殺をしようと考えました。
ゆっくりと屋上へ向かい……
そして飛び降りるため飛び降りれる場所へ向かおうとしたその時!
「待ちな!」
(……?)
ふと……男性が私を引き留めました。
「あなた……死のうとしてたんだよね?」
(…………)
その問いかけに、私は何も答えられなかった。
もしそうだと答えたら、止められてしまうからです。
そうなったらまたあの彼と……
「話だけでもしてくれないかい?」
(…………)
私はしぶしぶ……その男と話してみることにしました。
悲しすぎる過去ですね……




